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過去のトップニュース

2010年1月1・8日号(第3513・4号)

地方議員年金、存続2案と廃止案併記―総務省検討会が報告書

 総務省の「地方議会議員年金制度検討会」(座長・大橋洋一学習院大教授)は一二月二一日、市町村合併により財政破綻が迫る同制度について、存続させるためのA、B二案と、廃止の考え方の三方策を提言する報告書をまとめ、同省に提出した。合併の影響が直撃した市議会共済は独自の対案を提言したが、「当事者の問題提起」(大橋座長)にとどめられた。会合後の記者会見で大橋座長は国民世論を意識し、初めて廃止案にも踏み込み「実現可能な」三案を出したと説明し、「後は政治決断。政治の方で決めてほしい」と述べた。

2010年1月15日号(第3515号)

219団体、約2万人で給与「わたり」—総務省が初調査

 係長級であるにもかかわらず、課長補佐級の給与を支給するなどのいわゆる「わたり」の制度がある地方自治体が二一九団体と全自治体の一割超に上ることがこのほど、総務省が実施した地方公務員の給与格付けに関する初の実態調査結果で明らかになった。地方公務員法は給与について「職務と責任に応ずるものでなければならない」と定めており、同省はこれまでも重ねて見直しを求めてきた。今年から本格的に始動する地域主権改革の妨げとなる可能性もあり、同省は改めて是正を求めていく方針。(4面に表)

2010年1月22日号(第3516号)

保健所や内部組織の共同設置も可能に—地方自治法改正案提出へ

 総務省は「地方行財政検討会議」で「地域主権」確立に向けた地方自治法の抜本改正に着手したが、その前段として議員定数設定の自由化などを盛り込んだ地方自治法改正案を今通常国会に提出する。同改正案では、このほか(1)保健所や内部組織も共同設置の対象化 (2)「市町村基本構想」の策定などの義務付け廃止 (3)直接請求代表者の資格制限創設—も盛り込んだ(4面に資料)

2010年1月29日号(第3517号)

「地方政府基本法」へ自治法を抜本改正—政府・地方行財政検討会議

 総務省は二〇日、「地方行財政検討会議」(議長・原口一博総務相)の初会合を開き、「地方政府基本法」制定に向け、地方自治法の抜本改正の検討に着手した。検討項目に、「二元代表制を前提とした自治体構造の多様化」や「基礎自治体の区分の見直し」をはじめ、(1)大都市制度のあり方(2)住民投票制度のあり方(3)監査制度等の抜本見直し—などを挙げた。年内にも「論点」を取りまとめ、来年の通常国会に地方自治法改正案を提出する。会合で原口総務相は、「新しい時代にあった多様でガバナンスが効いた住民が主役の地方自治制度を目指したい」と要請したが、現行地方自治法制を根底から変革する課題も多く、来年春にどこまで踏み込んだ改革案を打ち出せるか、今後が注目される。(4面に資料)

2010年2月05日号(第3518号)

国と地方の協議の場法案、3月上旬にも国会提出へ—政府・地方六団体実務検討グループ

 「国と地方の協議の場」法制化に向けた政府・地方六団体の実務検討グループの第二回会合が一月二八日、首相官邸で開かれ、政府側が議長を内閣官房長官などとする制度案骨子を提案した。政府案で示された(1)協議の場の目的(2)協議の対象範囲(3)定期会・臨時会の開催—などではほぼ合意したが、地方側は「議長」を首相とするよう主張、法文化で工夫する方向でほぼ一致した。今月中にも第三回会合を開き「国と地方の協議の場に関する法律」案をとりまとめ、三月上旬にも今通常国会に提出する。(3面に資料)

2010年2月12日号(第3519号)

永住外国人の地方参政権で各党と意見交換会—全国都道府県議会議長会

 全国都道府県議会議長会(会長・金子万寿夫鹿児島県議会議長)は九日、都内で「永住外国人の地方参政権」について各政党との意見交換会を開いた。出席政党のうち、民主、公明、共産、社民各党からは自治体住民の権利保障などから永住外国人に地方参政権を与える必要性を強調、自民党と国民新党は反対を訴えた。一方、参加議長らからは参政権付与への反対・慎重論が噴出した。なお、金子会長は意見交換会後の会見で、同問題について各都道府県議会で賛否がある中で「全国議長会として意見をまとめるのは困難」との認識を示した。

2010年2月19日号(第3520号)

地方政府基本法は憲法と諸法の中間法で制定へ—原口総務相

 総務省の地方行財政検討会議(議長・原口一博総務相)は一五日、同省内で第二回会合を開き、原口総務相が地方自治法の抜本改正などによる「地方政府基本法」について、憲法と一般法の中間に位置し、諸法を統制する上位法としての制定を目指す方針を明示した。また、同日は、「二元代表制を前提とした自治体の基本構造の多様化」などを検討する「第一分科会」(主査・西尾勝東大名誉教授)と、財務会計や財政運営の見直しなどを議論する「第二分科会」(主査・碓井光明明治大教授)の設置を決定。今後、検討会議と併行して各月一回程度開催し、一一月に全体として一定の取りまとめを行う。同省は成案がまとまったものから来年の通常国会に法案提出していく方針だ。(4面に西尾氏提出資料要旨)

2010年2月26日号(第3521号)

国と地方「協議の場」法の骨子案で合意—国・地方検討グループ

 政府と地方六団体代表による「国と地方の協議の場実務検討グループ」は一八日、首相官邸で第三回会合を開き、「国と地方の協議の場」に関する制度案骨子について大筋で合意した。政府は「国と地方の協議の場に関する法律案」を三月上旬にも閣議決定し国会に提出する。骨子案は、「協議の場」では国の政策の「企画・立案」段階から協議することを明記。一方、構成員は官房長官、総務・財務両大臣等と地方六団体代表とし、地方側が求めた首相は「協議の場に出席し発言できる」とした。また、「分科会」を議長が開催する。併せて、協議結果は国会に報告するとともに、参加者に「尊重」義務を課した。(4面に解説等)

2010年3月05日号(第3522号)

機関等共同設置の対象を行政機関等に拡大—地方自治法改正案を提出

 総務省は二日の総務省政策会議に「地方自治法改正案」のほか、地域主権戦略会議の法制化や義務付け・枠付けの見直しを盛り込んだ「地域主権改革推進関連整備法案」と「国と地方の協議の場法案」を提示し説明した。自治法改正案では、共同設置の対象を行政機関や長の内部組織、委員会等にも拡大するほか、(1)議員定数の法定上限を撤廃(2)法定受託事務も議決事件の対象とする(3)市町村基本構想の策定などの義務付け撤廃(4)直接請求代表者の資格制限を創設−などを盛り込んだ。五日の閣議で決定し、今通常国会に提出する。(3面に資料)

2010年3月12日号(第3523号)

6月の「地域主権戦略大綱」へ運営方針を決定—地域主権戦略会議

 政府の地域主権戦略会議(議長・鳩山由紀夫首相)の第二回会合が三日、首相官邸で開かれ、「地域主権戦略大綱」の取りまとめに向けた体制と運営方針を決めた。主要課題である(1)義務付け・枠付け見直し(2)基礎自治体への権限移譲(3)ひも付き補助金の一括交付金化(4)出先機関の抜本的改革−について担当主査を指名。戦略会議では、今後、同主査会議と並行して毎月会合を開き、六月にも「戦略大綱」の原案をまとめる。戦略会議の法制化と国と地方の協議の場法案も閣議決定され、鳩山政権が一丁目一番地に掲げた「地域主権改革」が具体化に向け動き出す。なお、会合では道州制など地域主権改革の「受け皿論」も浮上した。(4面に資料)

2010年3月19日号(第3524号)

「社会資本整備総合交付金」で要綱骨子等を提示—国交省

 国土交通省は一六日、同省政策会議に「社会資本整備総合交付金」(仮称)の要綱骨子など関連資料を提示し説明した。同交付金は、各自治体が作成する「社会資本総合整備計画」に基づき、基幹的な社会資本整備事業と関連社会資本整備・ソフト事業を総合的・一体的に支援するもの。これまで事業ごとバラバラだった関係事業を一本化・統一化することで、事業間の国費融通や年度間調整も返還手続無しに可能となるなど「地方の使い勝手」が向上するとしている。来年度予算案には二兆二、〇〇〇億円を計上。また、継続事業については経過措置を設けた。なお、同計画は「三月中を目途」に作成するよう求めている。

2010年3月26日号(第3525号)

地方自治法抜本改正へ両分科会が初会合開催—総務省地方行財政検討会議
—自治体基本構造、「二元代表制」前提で—

 総務省の地方行財政検討会議に設置された二つの分科会が一八日、一九日とそれぞれ初会合を開き、地方政府基本法の制定(地方自治法の抜本改正)に向けた検討に着手した。自治体の基本構造のあり方などを検討する第一分科会(主査・西尾勝東大名誉教授)では、長と議会の関係について意見交換。総務省が提示した「執行機関等の見直し視点案」では、「規模の大きな自治体におけるトップマネジメントを強化するための組織形態が考えられないか」として、参考に橋下徹大阪府知事の地域主権改革提案などが提示されたが、委員からは、執行機関に議会を取り込むことへの懸念・慎重意見などが出た。一方、自治体財政運営の見直しなどを検討する第二分科会(主査・碓井光明明治大教授)では、不適正経理の続出を受けた監査制度について意見が交わされ、人材育成の重要性や、予算の使い切りなど不正を誘発する制度の問題点などが指摘された。(2面に資料)

2010年4月02日号(第3526号)

過疎ソフト対策の方向性等で報告書案―総務省研究会
 ―10分野ごとに事業例提示―

 総務省の「新たな過疎対策(ソフト対策)の推進に向けての研究会」(委員長・宮口侗廸早稲田大教育総合科学学術院長)は三月二九日、改正過疎法により過疎債の対象がソフト事業にも拡充されたことを受け、市町村が策定する過疎地域自立促進計画等の策定で重要となる視点とソフト対策の方向性などを盛り込んだ報告書案をまとめた。近く正式にまとめる。報告書案は、ソフト対策事業は地域の実情を十分に把握し、真に必要な対策を重点的に記述するなど計画の「実質化」が求められると指摘。その上で、産業や交通通信体系など一〇分野ごとに、ソフト対策の方向性を示すとともに、「定住コーディネーターの配置」等の事業例なども示した。同省は新年度早々にも過疎債の対象となるソフト事業や、上限額などを提示する方針だ。

2010年4月09日号(第3527号)

「地域主権」に考え方を改めるよう各省に指示—鳩山首相
 —地域主権戦略会議が第3回会合—

 政府の地域主権戦略会議(議長・鳩山由紀夫首相)が三月三一日、首相官邸で開かれ、義務付け・枠付けの見直しと基礎自治体への権限移譲に対する各省回答状況などが報告された。各省回答では、権限移譲が二六%にとどまり、農水省等はゼロ回答だった。また、一括交付金化に慎重な関係省庁ヒアリング結果も報告された。このため、鳩山首相が「(権限移譲の)ゼロ回答。話しにならない」「一括交付金化するものは一つもないとの発言も聞く」と批判し、六月の地域主権改革大綱の策定に向け「地域主権に考えを改めてほしい」と指示。原口一博総務相が、各省が抵抗しても「決めるのは地域主権戦略会議だ」と締め括った。政府は、今月下旬に事実上の「国と地方の協議の場」を開いた上で、第四回戦略会議を開く予定。(3面に資料)

2010年4月16日号(第3528号)

一括交付金、地方は期待と警戒

 政府の地域主権戦略会議(議長・鳩山由紀夫首相)が、「一括交付金化」について一九日に地方三団体からヒアリングする。「ひも付き補助金」を廃止し地方が自由に使える一括交付金に改めるのが目的で、関係省庁は「拒否」の姿勢を強めるが、地方側も「期待」とともに「警戒」を強めている。国家戦略室の検討会が「中期財政フレーム」素案をまとめ、国・地方の財政健全化に本格的に着手。一括交付金化で地方財政は「自由」を得ても「総額」が大幅削減される懸念が強まっているためで、地方側からは早くも「三位一体改革の再来」を危惧する声が出始めている。

2010年4月23日号(第3529号)

一括交付金、「国の財源捻出の手段にするな」
 —地域主権戦略会議ヒアで地方三団体—

 一括交付金化を検討している地域主権戦略会議(担当主査・神野直彦関西学院大教授)は一九日、全国知事会など地方三団体から意見聴取した。地方側は、一括交付金の「地方の自由裁量拡大」の趣旨には賛同するものの、先の三位一体改革の経験から「一括交付金化を国の財源捻出の手段にするな」と牽制した。一方、現行の交付金制度については全国市長会が評価する一方、全国知事会は否定的な見解を示すなど相違を見せた。同席した大塚耕平内閣府副大臣は「地方六団体内部での合意形成」について尽力を要請、地方側も合意形成に向け努力すると応じた。六月に「基本的考え方」をまとめ、来年度予算から段階実施する。

2010年04月30日・05月07日発行(第3530・31号)

地方財政抑制の動きを強く牽制
国との「協議の場」で地方六団体

 事実上の国と地方の協議の場が四月二二日、首相官邸で鳩山由紀夫首相ら関係閣僚と地方六団体代表が出席し開催された。会合では、麻生渡全国知事会会長(福岡県知事)が、地域主権改革が具体化すると抵抗も強まると指摘し、改めて改革推進を求めた。併せて、政府が検討中の「中期財政フレーム」に関連して、かつての三位一体改革での地方交付税大幅削減と同様に地方財政を抑制する動きを強く牽制した。これを受けて、鳩山首相は「プライマリーバランス(PB)を地方財源カットの理由に使うべきではない」と表明した。それでも、会合後の記者会見で、麻生会長は今後もPB議論が消えることはないとの厳しい認識を示した。

2010年5月14日号(第3532号)

2013年までに「国民ID制度」を導入
「新たなIT戦略」を決定—政府IT戦略本部

 政府のIT戦略本部(本部長・鳩山由紀夫首相)は一一日、鳩山内閣で初となるIT戦略、新たな情報通信技術戦略(IT戦略)を決めた。新戦略は、IT革命の本質は「情報主権革命」だとし、「新たな国民主権社会」確立のため「国民本位の電子行政」など三本柱と目標を設定。「国民が行政を監視」し、「自己情報をコントロール」できる電子行政を二〇一三年までに政府で、二〇二〇年までに五割以上の地方自治体で実現する方針を明示した。このため、社会保障・税の共通番号と整合性を図りつつ、電子行政の共通基盤として「国民ID制度」を二〇一三年までに導入すると明記するとともに、行政機関による運用等を監視する「第三者機関」の創設や公的ICカードの整理・合理化なども盛り込んだ。政府は新たなIT戦略を、六月をめどにまとめる「新成長戦略」と連動させていく方針。

2010年5月21日号(第3533号)

中期財政フレーム等、「協議の場」での議論踏まえ策定を
中期財政運営で提言—全国知事会

 全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)はこのほど、中期財政運営のあり方についての提言をまとめ、与党三党に申し入れた。政府が六月までに策定する「中期財政フレーム」と「財政運営戦略」に反映させるのが狙い。提言では、財政健全化目標として国・地方を合わせたプライマリーバランス(PB)を採用するのは不適当だと指摘。地域主権型の国づくりには地方交付税の復元・増額など地方が自由に使える税財源の拡充が不可欠だと訴えた上で、中期財政フレーム等は国と地方の協議の場での議論を踏まえて策定するよう求めている。

2010年5月28日号(第3534号)

地域主権戦略大綱で「骨子」
地域主権戦略会議

 政府の地域主権戦略会議(議長・鳩山由紀夫首相)は二四日、「地域主権戦略大綱」の「骨子」を議論した。「骨子」は、「地域主権改革の全体像」で改革の理念や工程などを示した上で、㈰義務付け・枠付け見直し㈪基礎自治体への権限移譲㈫ひも付き補助金の一括交付金化㈬国の出先機関改革㈭地方政府基本法の制定−などで構成する。また、同日の会合では、一括交付金化の「試案」も示されたが、席上、鳩山首相は「一括交付金化も大胆に進める。大事なことは省庁の枠を超えること。国の個所付けを廃止する」と強調し、地方の自由度を拡大する決意を示した。同会議は、六月にも数回の会合を開き「戦略大綱」を決定する。(3面に資料)

2010年6月4日号(第3535号)

普天間移設問題で首相と意見交換
全国知事会議

 全国知事会議が五月二七日、都内で開かれた。政府からの普天間問題等を巡る意見交換の要請を受け、急きょ開催した。席上、鳩山由紀夫首相が米軍普天間飛行場の県内移設の方針を説明した上で、沖縄県の「過重負担」軽減のため各都道府県に「訓練」等の受け入れを要請した。これを受けて、知事会議では「沖縄県の負担の軽減が必要であることを理解する。今後とも真摯に対応していく」との全国知事会の見解をまとめた。しかし、意見交換では、仲井真弘多沖縄県知事が改めて「極めて遺憾」と批判。橋下徹大阪府知事が「できる限りのことはしたい」としたが、他の知事からは「負担軽減」の必要性に理解を示す一方、現実の受け入れは困難との「総論賛成・各論反対」が大勢を占めた。

2010年6月11日号(第3536号)

今国会での地域主権改革3法成立を要請
菅新内閣発足で地方六団体共同声明

 菅新内閣が八日、発足したが、全国知事会など地方六団体は四日、菅新首相の誕生を受けて「新内閣発足に向けた共同声明」を発表した。共同声明では、地域主権関連三法案の今国会での成立を強く求めるとともに、政府が今夏に策定する地域主権戦略大綱について、地方からの意見を踏まえて実効ある形で速やかに決定すべきだと要請した。併せて、地方財政を将来にわたり安定・強化を図る重要性を強調。その上で、地方交付税の復元・増額や法定率の引上げ、税制改革の中での地方消費税の充実・「引上げ」と税源移譲の実施なども求めている。(4面に資料)

2010年6月18日号(第3537号)

地方自治法抜本見直しで基本的考え方案
総務省 地方行財政検討会議

 総務省の地方行財政検討会議(議長・原口一博総務相)は一〇日、省内で第五回会合を開き、「地方自治法抜本改正に向けての基本的な考え方」(案)について審議した。同考え方案は、二分科会の両主査が作成した各考え方案を基に、総務省が作成。自治体の基本構造の見直しでは、現行制度と異なる基本構造を選択できるようにする場合には、㈰議会が執行権限の行使に事前の段階からより責任を持つ㈪議会と執行機関の責任を明確化することで純粋な二元代表制の仕組みとする—二つの方向で見直すことが考えられるとした。一方、監査制度の見直しでは、不適正経理の広がりなど現行制度の諸課題は、運用のみでは根本的解決が困難と指摘。このため、現行の監査委員制度、外部監査制度については、廃止を含めゼロベースで見直し、制度を再構築すべきと提言した。原口議長は会合で、「基本的考え方」を「地域主権戦略大綱」に盛り込み、「地域主権改革を強力に進めていく」考えを表明した。

2010年6月25日号(第3538号)

「地域主権戦略大綱」を閣議決定
政府

 政府は二一日の地域主権戦略会議(議長・菅直人首相)で「地域主権戦略大綱」を決め、翌二二日の閣議で決定した。「ひも付き補助金の一括交付金化」では、地方の自由度拡大のため各府省の枠にとらわれずブロック化・国の箇所付け廃止など国の関与を縮小し、投資関連は二〇一一年度、経常関連は二二年度以降、段階的に実施するとした。また、「国の出先機関原則廃止」では「補完性の原則」に基づき事務・権限仕分けを行い個々の出先機関の地方移譲など「アクション・プラン」を年内に策定する。併せて、全国一律・一斉でなく「地方の発意による選択的実施」の方針を示した。さらに、「地方政府基本法」では「自治体の基本構造」について、法律で選択肢を用意し地域住民が自らの判断・責任で選択する仕組みを検討し、地方自治法抜本改正案を順次国会に提出するとした。このほか、「道州制の検討」も明記した。なお、義務付け等の見直は七一%、基礎自治体への権限移譲は五四%にとどまった。(4面に資料)

2010年07月02日発行(第3539号)

子ども・子育て新システムで基本制度案要綱—政府

 政府の「子ども・子育て新システム検討会議」(共同議長・荒井聰国家戦略相・玄葉光一郎少子化相・蓮舫行政刷新相)は六月二五日、都内で会合を開き、(1)政府の推進体制・財源の一元化(2)基礎自治体の重視(3)幼稚園・保育園の一体化—などを実現するための子ども・子育て新システムの基本制度案要綱をまとめた。具体的には、子育て対策の財源を一本化して市町村に包括的に交付する「子ども・子育て包括交付金(仮称)」や、幼稚園と保育園等を一体化する「こども園(仮称)」の創設、新システムを一元的に実施する「子ども家庭省(仮称)」の創設に向けて検討を行うことなどを盛り込んだ。同システムにより、市町村は自由度を持って地域の実情に応じた給付を設計・提供・確保することができるようになる。近く開催される少子化社会対策会議で正式決定し、二〇一一年の通常国会に法案を提出。一三年度からの施行を目指す。

2010年07月09日発行(第3540号)

天下りは「定年退職を原則」を提言
地方行革で中間報告—知事会PT 

 全国知事会の「行政改革プロジェクトチーム」(リーダー・石井正弘岡山県知事)は五日、都内で会合を開き、都道府県がこれまで取り組んできた行政改革努力の成果や今後の方向性などを提言する中間報告をまとめた。中間報告は(1)天下りの全廃(2)行政委員会の報酬見直し(3)事務・期間・施設等の共同化の可能性(4)事業評価制度—など計九テーマについて、「これまでの経緯と現状」や「課題」、今後の「改革の方向性」をそれぞれ提言。天下りについては、「退職者が外郭団体に再就職した事例がほとんどの都道府県で見られる」などと指摘し、再就職については「定年退職を原則」や「再就職先での適切な報酬額」などを基本に改革を進めるよう提言した。中間報告は、一五、一六の両日に和歌山県で開催する全国知事会議で正式に決定する。なお、公務員制度改革や監査制度の抜本的改革など計五項目については一二月にまとめる予定の最終報告で示す。

2010年07月16日発行(第3541号)

「道州内協議会」(仮称)の設置検討などを提言
道州制で09年度検討状況報告—知事会特委 

 全国知事会の道州制特別委員会(委員長・石井正弘岡山県知事)は八日、「道州制下における住民自治のあり方」など二〇〇九年度の「検討状況報告」案と、一〇年度の取組方針案をそれぞれ了承した。和歌山県での全国知事会議に報告した。検討状況報告では、「住民自治のあり方」について、「我々全国知事会が検討を行うに当たりその前提とする、地方分権を推進するための道州制の下では、…これまで以上に、住民自治の充実が強く求められる」と強調。基礎自治体との協議・調整機関としての「道州内協議会」(仮称)の設置検討などを提言したほか、住民投票制度について、道州制下における住民投票制度の創設を検討することは「有意義」だと提言した。

2010年07月23日発行(第3542号)

「ねじれ」解消へ与野党政策協議機関の創設を
和歌山県で全国知事会議—知事会 

 全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)は一五、一六の両日、和歌山市内で全国知事会議を開き、いわゆる「衆参ねじれ」状態が生じた「参議院選挙結果を踏まえた今後の知事会活動」について協議し、「参議院選挙の結果を受けた緊急声明」をまとめた。声明では「ねじれ」が国政の停滞を招けば日本の未来に深刻な影響を与えるとし、与野党双方がただちに協議機関を創設することを提案。知事会も責任を共有するとして今後は各政党との意見交換・協議を積極的に行っていく考えを表明した。また知事会議では、国と地方の「協議の場」の法制化等三法案の早期成立を求める声明をまとめるとともに、「住民福祉を支える地方消費税の引き上げを含む税制抜本改革の提言」も決定。併せて、(1)国の出先機関の原則廃止(2)義務付け等の見直し(3)これからの子ども・子育て支援策—に関する提言なども決定した。(4面に資料)

2010年07月30日発行(第3543号)

内部統制システムの整備決定を義務付け
監査制度見直しで3案—地方行財政検討会議第2分科会 

 総務省地方行財政検討会議の第二分科会(座長・碓井光明明治大教授)は二二日、監査制度の見直しについて議論した。その中で総務省が示した「監査制度の見直しの方向性について」(たたき台)では、現行の監査機能別の見直しの方向性と、担うべき主体を整理。現在、監査委員に義務付けられている決算審査や例月出納検査、健全化判断比率の審査などは「外部主体」が監査する方向性を示した。その上で、監査制度の三つの見直し案を提示したが、いずれの案でも現行制度を抜本的に見直し、「内部統制システム」の整備の決定等を長に義務付けるとともに、外部監査人の選定や監査基準の設定などを担う「全国単一の監査共同組織」を設立するとした。なお、同検討会議は一一月にも報告書をまとめるが、総務省はこれを受けて来年の通常国会に法案を提出する方針。

2010年08月06日発行(第3544号)

自治体基本構造で新たな5モデルを提示 
地方行財政検討会議 第1分科会

 総務省地方行財政検討会議の第一分科会(座長・西尾勝東大名誉教授)は七月三〇日、地方自治体の基本構造について議論した。その中で総務省は地方自治体の基本構造と、基本構造の選択手法についての「たたき台」をそれぞれ提示。自治体の基本構造では、現行の二元代表制を基本に、自治体の判断で異なる基本構造を選択できることとするとし、執行機関と議会の分離・融合を縦軸に、「純粋分離型モデル」「特別職の兼職許容モデル」「議員内閣モデル」「多人数議会と副議決機関モデル」「自治体経営会議モデル」の新たな五つのモデルを提示した。一方、選択手法では、基本構造を条例で選択することにするかと問題提起し、条例制定方法については「議会の議決を経て住民投票を実施することとするか」などとした。同検討会議は一一月に報告書をまとめる予定。(4面に資料)

2010年08月13・20日発行(第3545・46号)

地域主権3法案の早期成立を要請
地方六団体 総務大臣・地方六団体会合で 

 総務大臣・地方六団体会合が四日、同省内で開かれ、六団体側は地域主権三法案の早期成立などを要請。原口一博総務相も地域主権三法案について「早期に通したい」と決意を表明した。また、全国知事会の麻生渡会長(福岡県知事)は、来年度の地方の一般財源総額は今年度と実質的に同水準とするとされたことに触れた上で、国は社会保障関係費の一・三兆円の自然増が認められたが、地方も同じように七、〇〇〇億円の「当然増」があることを強調。同水準では七、〇〇〇億円が飲み込めないとして、これが措置できるような予算要求を求めた。これに関し、会合後に記者会見した麻生会長は、地方側の当然増分が政府で「全く議論されていない。バランスの取れない議論。実態的には当然増で増えてくる経費だからそれがちゃんと計算されないといけない」と批判した。

2010年08月27日発行(第3547号)

運営主体は財政試算踏まえ引き続き検討
新高齢者医療制で報告—厚労省会議 

 厚生労働省の「高齢者医療制度改革会議」(座長・岩村正彦東大大学院教授)は二〇日、都内で会合を開き、現行の後期高齢者医療制度に代わる新制度の創設に向けた中間報告をまとめた。中間報告では、新制度は加入する制度を年齢で区切ることなく、七五歳以上の高齢者は被用者保険か国保に加入。国保の中の七五歳以上については「都道府県単位の財政運営が不可欠」としたが、運営主体は先送りした。同会議は今後、「運営主体を具体的にどこにすべきか」などの詳細を検討し、年内に最終報告を公表。同省は二〇一一年の通常国会に法案提出し、一三年四月からの新制度施行を目指す。

2010年09月03日発行(第3548号)

基礎自治体の区分の見直し等で「問題意識」
地方行財政検討会議 第1分科会

 総務省地方行財政検討会議の第一分科会(主査・西尾勝東大名誉教授)は八月二五日、同省内で会合を開き、基礎自治体の区分の見直し・大都市制度のあり方と、広域連携について議論した。その中で同省は、基礎自治体の区分の見直し等について、「問題意識」を提示。同「問題意識」では、「規模や能力に応じた事務配分のための基礎自治体の区分は、指定都市から町村に至るまで、人口に着目して定めればよいと考えてよいか」「人口を基礎自治体を区分する要件として問い続けることは妥当か」などを問題提起。これに対し、委員からは「人口で区切るのは果たしてどうか」「人口は物差しではなくなった」などの意見が相次いだ。一方で、同省は広域連携について「見直しの論点」案を提示。その中で一部事務組合と広域連合を二本立てにする意義はあるのかとし、「今後の広域行政の主体であり権限移譲を見据えた広域連合制度にまとめることは考えられないか」と提案した。(4面に関連記事)

2010年09月10日発行(第3549号)

「地域主権推進会議」の新設を表明—菅氏
一括交付金で日本再生—小沢氏
民主党代表選で「政見」

 民主党の新代表が一四日、選出されるが、代表選に立候補した菅直人首相と、小沢一郎前幹事長がそれぞれ「政見」を発表した。それによると、小沢氏は「基本方針」で、昨年の衆院選マニフェストの「誠実実行」により地域社会を再生すると表明。国の「ひも付き補助金」を順次全て地方への一括交付金に改めることなどで日本経済を再生する考えを示すとともに、国民健康保険、介護保険、生活介護の実務を全て自治体が実施している実態を踏まえ、社会保障関係費としてまとめて地方に交付する方針を示した。一方、菅氏は「役所のための行政」を駆逐する「国民のための政治」を掲げた上で、「地域主権推進会議」を新設して権限・財源の移譲に結論を出す方針を示したほか、「国の役割を限定し、地方団体を行政の基本とするための法案を検討」するとした。なおこれまでの論戦では、小沢氏が一括交付金化による財源捻出を主張。首長から懸念の声が相次いでいる。

2010年09月17日発行(第3550号)

国と地方の財政配分、最終的には1対2へ—菅首相
民主党代表選が決着

 民主党代表選挙が一四日、投開票され、新代表に菅直人氏が再選された。円高・経済対策や地域主権改革も引き続き、菅首相の下で進められることになるが、菅氏は九日の札幌での演説会で国と地方の税財源配分に言及。「財政配分も今は二対一ぐらいが国にきているけど、最終的には国が三分の一、自治体が三分の二」にする考えを言明した。また、全国知事会の「公開質問状」に回答し、地域主権改革などで国と地方の協議の場等を通じて地方の意見を聞く姿勢を強調。国の出先機関の原則廃止では、「全国一律・一斉に取り扱うのではなく、地方の発意による選択的実施による柔軟な取組を可能とする仕組みを検討・構築」するとした。

2010年09月24日発行(第3551号)

自動車税、重量税を一本化し「環境自動車税」の創設を 
総務省研究会

 総務省の「自動車関係税制に関する研究会」(座長・神野直彦東大名誉教授)は一五日、自動車税(都道府県税)と自動車重量税(国税)を一本化し、CO2排出削減に資する「環境自動車税」(地方税)を創設するよう求める報告書を公表した。「自動車税と自動車重量税の一本化」は民主党の二〇〇九年のマニフェストに盛られていた。報告書は環境自動車税について、国と地方の厳しい財政状況などから「少なくとも税収中立を前提として制度設計を行うべきで、自動車重量税の上乗せ分も含めた規模で一本化すべき」と提言。一方で、環境自動車税の課税客体に軽自動車等を取り込むことは「今後更に検討」に、「車検時徴収」も「引き続き検討」にとどめた。また、同マニフェストで「廃止する」とされた自動車取得税(都道府県税)については「少なくとも当面は維持すべき」とした。報告書を受けて総務省は早急に同省案をまとめ、民主党や政府税制調査会に提示する方針。

2010年10月01日発行(第3552号)

人勧調査手法、「現在の形態が唯一絶対ではない」
片山総務相

 片山善博総務相と玄葉光一郎国家戦略相、蓮舫公務員制度改革相が九月二七日、今年度の人事院勧告の取扱いについて意見交換した。片山、蓮舫両相は二二日にも協議しており、公務員給与をめぐる内閣改造後の関係閣僚間の議論が始まった。月給と期末・勤勉手当ともに引下げを求めた今年の人事院勧告をめぐっては政府・与党内に勧告尊重と、マイナス改定を「深堀り」すべきとの両論があり、原口一博前総務相は「勧告尊重」と主張していた。しかし、菅改造内閣で総務相に就任した片山氏は「(政府が改定幅を)全く動かさないのかというと、それはある程度余地があるのではないか」と発言。また、勧告の基となる現在の調査手法について「現在の調査の形態が唯一絶対では必ずしもない。そういう基準を見直すこともあり得る。もっと柔軟に考える余地がある」とも述べており、波紋を呼んでいる。(4面に関連記事)

2010年10月08日発行(第3553号)

専決処分対象から条例と予算は原則除外を
行財政検討会議分科会、条例公布等5課題で議論

 地方行財政検討会議の第一分科会(主査・西尾勝東大名誉教授)は九月三〇日、「専決処分」「再議」「条例の公布」「解散・解職請求制度」「国・地方間の係争処理」の各「論点」について審議した。各「論点」のうち、阿久根市で乱用された「専決処分」ではその対象などが問題提起されたが、西尾主査は条例と予算は原則対象から外すべきだと主張。斎藤誠委員と牧原出専門委員が賛同した。また、阿久根市や名古屋市で問題となった「条例公布」の論点では、条例の送付を受けた日から二〇日以内に長が再議等の手続きを開始しない場合は「長に条例を公布する義務があることを条文上明らかにすべきではないか」などを提起。委員からは「長の判断で中ぶらりんになるのはおかしい」「(再議を)やるなら二〇日以内とすることが一番すっきりするのでは」などの意見が出され、反対意見は出なかった。このほかリコールの署名収集期間(現行都道府県二カ月、市町村一カ月)については市町村を二カ月に改めるべきとの意見が複数出たが、必要署名数の緩和には積極意見の一方、慎重意見も出た。

2010年10月15日発行(第3554号)

出先改革・一括交付金、「最後は人事権発動も」—菅首相
地域主権戦略会議が再始動 

 政府は七日、改造内閣後初の地域主権戦略会議(議長・菅直人首相)を開き、地域主権改革の今後の進め方を議論した。各府省がまとめた国の出先機関改革の地方移譲が約一割、一括交付金化はほぼゼロ回答にとどまったため、菅首相は「大変不十分」と批判し、「最後は人事権の発動も必要になるかもしれない」と、改革に消極的な政務三役を交代させるなど強い姿勢で臨む考えを示した。同会議は今後、一括交付金の制度化に向け関係府省と「検討会議」を設置するとともに、年内までに三回程度の会合を開き、出先機関改革のアクションプランと来年度予算案計上に向けた一括交付金の内容を決定する。(4面に資料)

2010年10月22日発行(第3555号)

条例制定直接請求の対象に税、分担金等も—片山総務相
地方行財政検討会議が会合

 片山総務相となって初となる地方行財政検討会議(議長・片山善博総務相)の本体会合が一八日、省内で開かれ、自治体の基本構造や議会招集権、専決処分などについて議論した。総務相は冒頭、住民自治の強化や総務省による自治体への関与の改革などの検討を要請。条例制定の直接請求の対象から税や分担金等が除外されていることについて「前時代的」だとし、改正の必要性を指摘した。議長への議会招集権をめぐっては首長代表委員と議会代表委員とで意見が対立したが、片山総務相は「住民にとってどういう制度がいいかが基本」だと指摘。地域主権戦略大綱に盛り込まれた道州制については「今の政権では直ちに検討することにはなっていない」との認識を示した。

2010年10月29日発行(第3556号)

一括交付金・出先改革、政府に11月末にも提言へ
民主党地域主権調査会が発足

 民主党は二六日、都内で地域主権調査会(武正公一会長)の初総会を開いた。政府が進めている地域主権改革を党側から検討するため各専門部門担当議員等で構成。当面、㈰一括交付金のあり方㈪出先機関改革−について検討、一一月末にも「提言」をまとめ、政府が年末にまとめる二〇一一年度予算案の一括交付金と出先機関改革アクションプランに反映させる。なお、総会では、各部門側から慎重な意見が相次いだ。消極姿勢の各府省の意向を反映したとみられ、同調査会がどこまで政府をバックアップする提言をまとめられるか、今後が注目される。

2010年11月05日発行(第3557号)

交付税特別会計は「抜本的見直し」と判定
政府が事業仕分け第3弾(前半戦)実施 

 地方交付税など全特別会計を対象とする政府の事業仕分け第三弾(前半戦)が一〇月二七日から三〇日まで都内で実施された。うち交付税等特会では、総務省側は引き続き特会で整理することや特別会計への直接繰入れを主張したが、仕分け人側は同特会が抱える三三・六兆円の借入金が「誰の借金か」を追及。財務省が主張する交付税の過大計上も強調されるなど交付税・制度への批判も相次ぎ、最終的には「抜本的な見直し」と判定した。借入金についても「抜本的に見直すべし」とし、一般会計につけ回すことなく交付税の中で返済するよう要請。また、同特会の交通安全対策特別交付金勘定については廃止し、一般会計に統合すべきと結論付けた。(3面に関連記事)

2010年11月12日発行(第3558号)

普及宣伝事業の大胆縮減で収益金の増加に
総務省宝くじ問題検討会が報告書

 総務省の「宝くじ問題検討会」は九日、政府の事業仕分けで廃止と判定された「普及宣伝事業」について、事業費を大胆に縮減し、地方自治体の収益金や当せん金の増加に充てるよう求める報告書をまとめた。普及宣伝事業は広報に純化し、「社会貢献広報事業」(仮称)に改めるよう提言。(1)発売団体への助成は廃止を含め抜本的に見直し(2)一般市町村助成は宝くじ発売権の代替的性格に配意しコミュニティ助成は引き続き実施(3)公益法人助成は発売団体による検証を踏まえ現行の半額を目途—を求めた。これも踏まえ見直しを行う発売団体側も既に同様の基本方針をまとめており、月内にも改革案をまとめる方向だ。

2010年11月19日発行(第3559号)

宝くじ普及宣伝事業、中間団体減など中期的に抜本改革を
政府が「再仕分け」

 「再仕分け」を行う政府の事業仕分け第三弾(後半)が一五日から一八日まで行われた。うち宝くじの普及宣伝事業では、総務省が事業費を半減し収益金などを増やす改革案を説明したが、仕分け人からは一般市町村などへの助成を日本宝くじ協会等を通さず、都道府県など発売団体が直接行うべきなどの意見が続出。「当面の改革としては一定の努力」を評価されたが、中間団体を減らすなど「抜本的な改革を中期的に行うべくさらに改革」するよう判定された。

2010年11月26日発行(第3560号)

住民自治より地域主権戦略大綱実現を—麻生知事会長
政府主催知事会議を開催 

 政府主催の全国知事会議が二二日、首相官邸で開かれた。知事会側は麻生渡会長(福岡県知事)が地域主権改革三法案の今臨時国会での成立を求めたが、菅直人首相は言及せず、片山善博総務相が早期成立に努力している現状を説明。麻生会長らは地方消費税の引上げも要請したが、菅首相は社会保障と税の議論の場で本格的議論に入りたい考えを示す一方、取扱いの難しさを「参院選で痛感した」とも述べた。また、片山総務相が住民自治の重要性を強調したが、麻生会長は住民自治は既に進歩しているとし、地域主権戦略大綱の実現に全力を傾注するよう要請。総務相は住民の地方自治への信頼感は高くないとし、車の両輪としての住民自治に理解を求めた。(4面に発言要旨)

2010年12月3日発行(第3561号)

長と議会の関係見直し、専決処分不承認に効力
自治法抜本改正で「考え方」案—地方行財政検討会議 

 地方行財政検討会議の第一分科会は一一月二五日、第二分科会は同二九日、それぞれ総務省が提示した「地方自治法抜本改正についての考え方(平成二二年)」(仮称)案を審議した。「考え方」案は、名古屋市や阿久根市で問題となった「長と議会の関係」を見直し、(1)専決処分の対象から副知事、副市町村長の選任を除外。不承認の場合は長に効果を失わせる措置を義務付ける(2)長が議会の招集義務を果たさない場合、議長が招集可能にする—と提案。また、直接民主制的手法の充実として(1)解職・解散請求に必要な署名数を緩和、署名収集期間を延長(2)税なども条例の制定・改廃請求の対象にする—とした。このほか、(1)広域連携制度の見直し(2)「長期会期」制(3)国による自治体の不作為違法確認訴訟制度の創設—なども盛り込んだ。一方、自治体基本構造の選択制や監査制度の抜本見直しは先送りした。同省は本会議の議論を経て年内に「考え方」をまとめ、これらを盛り込んだ地方自治法改正案を来年の通常国会に提出する方針だ。(4面に資料)

2010年12月10日発行(第3562号)

専決処分不承認の効力などに慎重意見
自治法抜本改正の「考え方」案を審議 地方行財政検討会議 

 総務省の地方行財政検討会議(議長・片山善博総務相)は三日、地方自治法抜本改正の「考え方」案を審議した。「考え方」案は両分科会に提示されたものと大きな変更はないが、住民投票の制度化は「まずは対象を限定して立案し、対象はそのあり方について検討する」と修正。委員からは慎重な検討を求める意見が相次いだ。阿久根市や名古屋市の問題も踏まえた「長と議会の関係の見直し」のうち、専決処分対象から副知事等を除外することや、条例公布の見直し、長が招集義務を果たさない場合に議長に招集権を与えることは概ね一致。しかし専決処分不承認への効力や、長期会期制、再議の見直しなどには、議会代表委員から賛意が、首長代表委員から慎重意見が出た。税等を条例制定・改廃請求の対象とすることにも慎重意見が出たが、片山総務相は改正の必要性を強調した。同省は年内に「考え方」をまとめ、来年の通常国会に地方自治法改正案を提出する方針。

2010年12月17日発行(第3563号)

国保財政運営、「都道府県が担うのが適当」
新高齢者医療で最終報告案—厚労省会議

 厚生労働省の「高齢者医療制度改革会議」(座長・岩村正彦東大大学院教授)は八日、都内で会合を開き、後期高齢者医療制度を廃止し、二〇一三年三月からの導入を目指す新たな高齢者医療制度についての最終報告案を議論した。報告案は、七五歳以上を原則国民健康保険に移行し「都道府県単位」で財政運営。一八年度を目標に国保の財政運営を全年齢で都道府県単位化するとし、運営主体は、都道府県が担うことが適当との考えを示した。しかし神田真秋委員(愛知県知事)からは「財源論の欠如が最大の問題」などの意見が出た。同省は、二〇日の次回会合で最終報告を取りまとめ、来年の通常国会への関連法案提出を目指す。

2010年12月24・31日発行(第3564・5号)

出先機関改革案、12年に広域的実施体制の法案提出
政府 地域主権戦略会議

 政府の地域主権戦略会議(議長・菅直人首相)は一六日、「出先機関改革のアクション・プラン」「地域自立戦略交付金」(一括交付金)の案を審議した。出先機関改革では、事務・権限をブロック単位で移譲するための「広域的実施体制」の法整備をし二〇一二年通常国会に提出、一四年度中に移譲するなど、実施を「地域主権戦略大綱」より先延ばしした。焦点のハローワークは、国と自治体の運営協議会で一体的に実施する「厚労省」案を明記。一括交付金化でも、一兆円強の対象補助金に社会資本整備総合交付金などを示すにとどめ具体化は予算編成に委ねた。二七日の会議で正式決定する予定。

2011年01月07・14日発行(第3566・7号)

交付税は0・5兆円増の17兆3700億円に
11年度地方財政対策が決着—政府

 二〇一一年度の地方財政対策が一二月二二日、片山善博総務相と野田佳彦財務相の閣僚折衝で決着し、地方交付税(出口ベース)は前年度比約四、八〇〇億円増の一七兆三、七〇〇億円となった。社会保障関係費の自然増などに配慮し、四年連続で増額。地方からは「大変感謝」(三村申吾青森県知事)など評価の声が出ている。

2011年01月21日発行(第3568号)

指定管理者等が「官製ワーキングプアを大量に」
死亡事故受け、安全確保等求め通知も 片山総務相

 二〇〇三年に導入された指定管理者制度について総務省はこのほど、適切な運用を求め都道府県知事・議長等あて通知した。同制度をめぐる「誤解とか理解不足を解こうという趣旨」(片山善博総務相)で、指定管理者が管理する施設で死亡事故が相次いだことなどを受け、安全確保に十分配慮することなどを求めた。一方、片山総務相は公共図書館や学校図書館は制度になじまず直営で運営すべきとの考えを示すとともに、指定管理者制度などが官製ワーキングプアを大量につくったとの認識を表明。これに対し、地方からは賛同と反発の意見が出ている。(2面に関連記事)

2011年01月28日発行(第3569号)

特別交付税の割合引下げ、地域振興費(人口)で段階補正等により算定
都道府県財政課長等会議で説明—総務省

 総務省は一月二五日、省内で全国都道府県財政課長等会議を開き、来年度予算編成の留意事項等について「事務連絡」を示すとともに、椎川忍自治財政局長らが説明。「事務連絡」では、特別交付税のうち、交付税総額二%分の普通交付税への段階移行について、「地域振興費(人口)」において都道府県分は段階補正、市町村分は段階補正と人口急減補正を用いて算定する方針を示した。椎川局長は地方交付税法改正案などの速やかな成立の必要性を強調。交付税法案が今年度内に成立しない場合には四月の概算交付が一・五兆円程度減少するとし、年度内成立に全力を挙げる考えを示すとともに、地方議会関係者の理解も得るよう要請した。子ども手当地方負担の適切な予算計上や、税と社会保障改革での地方財源確保の積極発信なども求めた。(4面に発言要旨)

2011年02月04日発行(第3570号)

「将来的には幅広い利用範囲」へ拡大方針明記
税と社会保障共通番号で基本方針—政府・与党

 政府・与党の社会保障改革検討本部(本部長・菅直人首相)は一月三一日、首相官邸で会合を開き、社会保障と税の共通番号制度の基本方針を決めた。国民に付番する番号は住民基本台帳ネットワークを活用した新たな番号とし、番号を利用する際の本人確認には住基カードや公的個人認証を活用する。番号を利用できる分野は当面社会保障と税務行政分野としたが、将来的には幅広い利用範囲での利用を目指す方針も盛り込んだ。政府・与党は三〜四月に社会保障と税番号の要綱、六月に大綱をまとめ、今秋の臨時国会に「番号法」(仮称)案を提出。二〇一四年六月に全国民に番号を配布し、一五年一月の利用開始を目指すが、「ねじれ国会」などもあり先行きは不透明だ。(4面に関連記事)

2011年02月11日発行(第3571号)

住民投票の導入や地方税の直接請求対象化に反対続出
総務相と地方六団体が自治法抜本改正等で意見交換

 片山善博総務相と地方六団体の会合が七日、同省内で開かれ、今国会に提出される地方自治法の抜本改正案等について意見交換した。六団体からは大規模施設を対象とする「拘束的住民投票」の導入や、地方税を条例制定・改廃の直接請求の対象とすることなどに反対意見が相次いだ。議会三団体は議会権限を強化するなどの改正案を評価もしたが、執行三団体は昨年末に提出した「意見」が反映されていないと反発し、専決処分の不承認に効力を持たせることなどにも反対。しかし片山総務相は、地方自治法は住民のためのもので「六団体のための法律ではない」と指摘し、「多少嫌でも甘受」してもらう面もあると“強行突破”を示唆した。なお住民投票では、夕張市の「谷底の観覧車」等の観光施設などを想定し、焼却場などの「迷惑施設」は対象外とする考えを示した。

2011年02月18日発行(第3572号)

社会保障と税一体改革で臨時知事会議へ—全国知事会
与謝野氏の消費増税、地方配分否定発言受け猛反発

 政府は四月に社会保障改革案を、六月に消費税を含む税との一体改革案をまとめるが、消費税引上げの際の「地方の取り分」について与謝野馨経済財政担当相が「今のところ地方にという考え方は誰もおっしゃらない」と発言。全国知事会の麻生渡会長(福岡県知事)が「極めて心外」と批判するなど地方側は猛反発し、地方議会で来年度予算案審議が本格化する中、二六日の土曜日に異例の臨時知事会議を開催することになった。会合では、地方の実態を踏まえた改革議論を求める方向だが、片山善博総務相は地方側からも具体策を提言するよう重ねて要請。麻生会長が求める地方の発言の場も、一〇日の政府税制調査会では地方の意見を聞く必要性を訴える一方、自治体には「自ら勝ち取る主体性が必要」と“片山流”で応じている。

2011年02月25日発行(第3573号)

奈良県問題、国の管轄変更も選択肢—片山地域主権担当相
出先機関アクションプラン推進委員会が初会合 

 国の出先機関改革を具体化するため設置された地域主権戦略会議の「アクション・プラン」推進委員会(委員長・片山善博地域主権推進担当相)は一七日、都内で初会合を開き、ブロック単位の受け皿整備を進める関西広域連合の橋下徹大阪府知事・山田啓二京都府知事や、九州地方知事会会長の広瀬勝貞大分県知事、沖縄県の仲井眞弘多知事からヒアリングした。三地域とも出先機関の権限・財源・人員等を「丸ごと」受ける方針を強調。橋下知事は奈良県が欠ける問題について、話し合いで合意できる問題ではなく、国が「大きな方針」を示すよう求めた。一方、広瀬知事は設立を目指す「広域行政機構」法の骨子案を示し、国に検討を要請した。これに対し、片山担当相は、ガバナンスを充実強化する必要性を強調する一方、「奈良県問題」については、「合流してほしいのが本音」だが、「国の管轄区域を変えるのも一つの選択肢」との考えを示した。併せて、財源の配分方法について、「当面は交付金方式になる」との認識を示すとともに、「広域行政機構法」の骨子案については、「できるだけ早くイメージの刷り合わせをしたい」と述べた。政府は、夏を目途に地方への移譲対象機関を決定する。(4面に関連記事)

2011年03月4日発行(第3574号)

「社会保障と税」で政策提言へ検討チーム設置を決定—全国知事会
異例の臨時知事会議で「地方の参画」求める声明も

 全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)は二月二六日、地方議会開会中の土曜日に異例の臨時知事会議を開き、社会保障と税の一体改革に関し、地方の役割を踏まえるよう求める声明を決めるとともに、地方の立場から改革案を提言するため知事による検討チームの設置も決めた。併せて、地域主権関連三法案の今国会での成立を求める声明や、(1)総合特区法案の早期成立(2)NPO法人新認定制度での新法案早期提示—などを求める各「要請」も決定。また、総務省が今国会に提出予定の地方自治法抜本改正案への反発も相次ぎ、地域主権三法案と分離して審議するよう求めることや、地方交付税法改正案など予算関連法案の年度内成立を求めていくことも確認した。(3面に関連記事)

2011年03月11日発行(第3575号)

住民投票、直接請求、専決処分不承認の効力化も盛込みへ—総務省
地方自治法抜本改正案で地方六団体の「意見」に「回答」

 地方自治法抜本改正案概要への地方六団体の「意見」等が出そろったことを受け、総務省は自治行政局名で、意見への「考え方」を各団体に回答した。全国知事会などの反発が強い住民投票については、条例による選択制とするなど自治体の自主性に最大限配慮して創設する考えを改めて説明。地方税の直接請求対象化も「本来あるべき姿に立ち戻ることが求められている」とし、要件厳格化などを検討すべきとの指摘については、具体的提案を求めた。専決処分不承認の効力化では、義務化する必要措置の具体的内容は長が判断するものだと説明。一方で、一般選挙後の議長がいない時などに総務大臣、知事が議会を招集する新たな仕組みは、総務大臣・六団体会合での森雅志富山市長の指摘などを受け、見送る考えを示した。これを受け知事会は三日、全国市長会は七日、「回答」への「意見」を提出。知事会は、抽象的で「的確とは言えない回答が多い」とし、提出の際に担当委員長の知事などによる「実務者協議」を提案した。片山善博総務相も意見交換する意向を示しており、近く行う方向で調整されている。

2011年03月18日発行(第3576号)

被災地で統一地方選延期へ特例法—政府
東日本に未曾有の大震災

 一一日、国内観測史上最大のマグニチュード9・0の地震など東日本大震災が発生し、政府は同日、緊急災害対策本部(本部長・菅直人首相)を設置。災害対策に全力を挙げる一方、補正予算編成の検討にも着手し、一四日の閣議では、緊急援助物資のため今年度予算予備費から約三〇二億円の支出を決めた。同時に、津波等により被災市町村で壊滅的な被害が出ていることを受け、被災地を対象に四月の統一地方選挙を延期する特例法の制定作業に着手。一六日に法案を閣議決定、近く成立する見通し。また、総務省は一二日、被災市町村の行政執行を支援する方針を決め、自治行政局内に相談窓口を設置。被災市町村に同省職員を派遣し、復旧・復興を支援する。一方、全国知事会と全国市長会は同日、全国町村会は一一日、それぞれ災害対策本部を設置しており、知事会の麻生渡会長(福岡県知事)は一四日、壊滅的被害を受けた被災市町村への各都道府県職員による人的支援に同会として初めて取り組む方針を強調した。(2、4面に関連記事)

2011年03月25日発行(第3577号)

特別交付税の割合引下げを3年間凍結—大震災受け修正法案が衆院通過
統一選、27選挙の延期を1次決定 政府 

 東日本大震災を受けて二二日、災害復旧などに充てる特別交付税の割合引下げ措置を三年間凍結するよう修正された地方交付税法改正案が衆議院本会議で可決された。年度内に成立する見通し。また、政府は一六日の閣議で、被災者の地方税等を減免した自治体が減収額を埋める「歳入欠かん債」を発行可能にする改正政令も決定。一八日には震災により実施が困難な地域で統一地方選挙を延期する特例法が参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。これを受けて総務省は二二日、岩手県知事選など被害が甚大な岩手、宮城、福島三県の二七選挙の延期を一次決定した。これに関し、片山善博総務相は一七日、大規模災害時などに選挙を延期する制度を公職選挙法などで定めることも検討する考えを示した。(2、3、4面に関連記事)

2011年04月01日発行(第3578号)

東日本大震災で地方自治法抜本改正案も宙に
国・地方なお平行線 総務省が地方六団体に「再回答」 

 東日本大震災を受け、地方自治法抜本改正案も宙に浮いている。政府は震災前、三月一五日に総務相と地方六団体の意見交換を行った後、国会に提出する予定だったが、「3・11」の発生で当然延期に。既に国会には、慣例による期限までに提出できなかったことを報告済みで、総務省はなお地方との意見交換後に国会提出する方針だが、未曾有の震災で先行きは見通せない。そもそも同法案には、拘束的住民投票の創設や地方税の直接請求対象化、専決処分不承認の効力化などを巡り特に執行三団体が猛反発。反対姿勢を明確にした全国知事会はじめ六団体の「意見」に、総務省が二月末に「回答」していたが、主張はほぼ平行線。執行三団体は再度「意見」し、同省も三月一五日までに各団体に再「回答」したが、なお隔たりは大きい。(3面に資料)

2011年04月08日発行(第3579号)

東日本大震災の復興へ「一括交付金」創設など提言
被災市町村の合併手続簡素化は削除 民主党総務部門会議が報告

 民主党の総務部門会議(黄川田徹座長)は一日、東日本大震災の復興に向けた報告をまとめた。復旧・復興に向けた特別立法・予算措置を検討している同党「東北関東大震災復旧・復興特別立法チーム」に提案する。「復興再生庁」の創設や地方交付税の別枠増額、使途の制限がない「一括交付金」の創設などを盛り込んだのが特徴。なお、「報告案」に盛られた合併を希望する被災市町村に対する「合併手続の簡素化」は、「報告」では削除された。

2011年04月15日発行(第3580号)

市長会、町村会「介護保険広域化を」
知事会は保険料と公費の見直し要請
「社会保障と税」で地方三団体が提言—政府準備会合

 政府は七日、社会保障と税の一体改革を検討する集中検討会議の「準備作業会合」を開き、全国知事会、全国市長会、全国町村会から社会保障制度改革についてヒアリングした。地方三団体は地方の立場からの同改革案をそれぞれ提言し、総論では国民から信頼される持続可能な社会保障制度の確立(知事会)などを求めた。しかし個別課題では、財政が「破綻状態」(市長会)の国民健康保険を巡り、市長会と町村会が「医療保険制度の一本化」に向けて「都道府県を運営主体」(同)に、「都道府県単位に広域化」(町村会)するよう求める一方、知事会は持続可能な制度とされれば「責任を担う覚悟はある」にとどめた。これに関し同会は、民主党が廃止を目指す後期高齢者医療についても「現行制度維持」の立場を明確にした。また、保険料の上昇が続く介護保険制度を巡っても、市長会と町村会は広域運営の必要性を指摘したが、知事会は保険料と公費のあり方の見直しを提言し、広域化には言及しなかった。

2011年04月22日発行(第3581号)

執行三団体、将来の利用拡大要請
国と地方の「調整の場」早期設置も
「社会保障と税」番号制度で地方六団体ヒア—政府実務検討会

 政府の社会保障と税番号制度の実務検討会(座長・与謝野馨経済財政相)は一三日、同番号制度について地方六団体からヒアリングした。全国知事会など執行三団体の代表は個人情報保護の重要性を強調した上で、住民基本台帳ネットワークなどの活用や、政府の基本方針にある「国と地方の調整の場」の早期設置、将来的には幅広い分野で活用可能とすることなどを要請。全国町村議会議長会も住基ネット活用や、その運営組織の地方共同法人化、国と地方の協議機関などを求めた。一方、全国都道府県議会議長会は国民理解の醸成や個人情報保護、デジタルディバイドへの配慮などを強調。全国市議会議長会の代表は国民の不信感払拭が肝要と指摘し、利用範囲を拡大する場合には十分な検証と国民理解が必要と提言した。

2011年04月29日・5月6日発行(第3582・3号)

特別交付税、被災団体以外は1割減で堅く見積もりを—総務省
政府、震災対応の1次補正予算や復旧補助嵩上げ法案も決定、

 政府は四月二二日の閣議で、東日本大震災の復旧対策のため、特別交付税を一、二〇〇億円増額するなど、総額四兆一五三億円の二〇一一年度第一次補正予算案を決めた。二八日に国会提出、二日に成立する見通し。二六日の閣議では、この特別交付税を今年度の交付税総額に加算する特例法案と、被災自治体が行う復旧事業の国庫補助率を最大九割に引き上げるなどの特別財政援助・助成法案も決定。これらに関し、総務省は二六日、一一年度税制改正大綱を具体化する地方税法改正案が未成立の中で、異例の都道府県財政担当者連絡会議を開き、一次補正に伴う地方財政の対応を説明する「事務連絡」を提示。冒頭挨拶した黒田武一郎財政課長は被災していない自治体の特別交付税について、前年度比で一割程度の減少を前提とするなど堅めに見積もるよう要請した。

2011年05月13日発行(第3584号)

「第三者機関」に自治体への是正要求勧告権
番号利用拡大の検討時期は削除
政府、社会保障・税番号制度で「要綱」

 政府はこのほど、社会保障・税番号制度の「要綱」をまとめた。住民基本台帳ネットワークなどの既存インフラを活用して効率的なシステムを構築すると明記。個人情報漏洩などの国民の懸念に対応するため、「第三者機関」を設置し、地方自治体等への実地検査、勧告、総理大臣による是正要求等を勧告できる権限を付与するとした。番号を利用できる事務は法令で特定するとし、国民健康保険や介護保険の手続、社会保障と地方税分野のうち条例で定めるものなどを明示。東日本大震災を踏まえ防災福祉の観点からも利用事務を検討するとし、さらに拡充して六月末に公表予定の「大綱」で示すとした。なお、全国市長会に事前に提示した要綱案では、将来的な幅広い番号利用について二〇一八年以降検討するとの記述があったが、削除された。このほか、住基カードや公的個人認証を改良し、(1)券面に番号を記載(2)公的個人認証に認証用途を付加—するとした。政府は「大綱」の策定を経て、今秋の臨時国会にも番号法案等関連法案を提出する方針。

2011年05月20日発行(第3585号)

国と地方の違い踏まえ、慎重検討を—全国市長会、町村会
地方公務員の労働基本権 地方六団体意見出揃う

 総務省が地方公務員の労働基本権を巡り関係団体からヒアリングしていたが、一一日までに地方六団体の意見が出揃った。同日は、全国市長会と全国町村会が意見陳述したが、国家公務員に付与する方向の協約締結権などについて、両会の代表はともに国と地方の違いを踏まえた慎重な検討を要請。市長会は国と地方の協議の場の活用を求め、争議権については「極めて」慎重な検討を求めた。町村会の代表は、改革の趣旨には理解を示したが、人事院勧告の廃止によるコスト増大・自治体間格差拡大に懸念を示し、国家公務員改革を理由に導入する「安易な考え方は排除」するよう求めた。全国市議会議長会と全国町村議会議長会は同日付けで文書を提出し、市議長会は協約締結権を認める場合も民間給与実態などの客観指標が必要として、議会審議の際に指標の添付を義務付けるよう要請。町村議長会は勤務条件の決定に、住民の意思を地方議会が反映できる制度設計を要請した。

2011年05月27日発行(第3586号)

国民視点で地方単独事業も含め費用推計を
国保の都道府県単位化も提案
片山総務相、政府社会保障集中検討会議で意見

 片山善博総務相は二三日、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長・菅直人首相)で、国民健康保険の「都道府県単位化」を提案するとともに、国民にとっては社会保障サービスに国も地方も区別はなく、社会保障制度改革に伴う費用推計を行う際には地方単独事業も含めるよう要請した。しかし柳澤伯夫委員は、消費税を「制度として確立された施策に充てる」と定めた二〇〇九年度税制改正法の附則を挙げて、否定的見解を表明。会合で政府は、二〇一五年度に、年金、医療、介護の「高齢者三経費」で一四兆円程度の財源不足が生じるとの試算を示した。消費税換算で五%以上の引上げが必要になる。菅首相は席上、社会保障と税番号制度を前提とする自己負担の「合算上限制度」の導入などを「安心三本柱」と位置付け、検討を指示。政府は六月初頭に社会保障改革の原案をまとめる方針だ。

2011年06月03日発行(第3587号)

菅首相に「協議の場」の早期開催要請
全国知事会が知事会議、「一体改革」の方針も決定

 全国知事会議が五月三一日、都内で開かれ、菅直人首相と片山善博総務相が出席。山田啓二会長(京都府知事)ら出席知事と東日本大震災の復興対策や、社会保障と税の一体改革等を巡る国と地方の「協議の場」などについて意見交換した。各知事は菅首相に対し、被災者生活再建支援法の特例措置や復興特区での認定の助言・指導化、風評被害対策などを要請。山田会長が菅首相の退席直前に、一体改革を例に国・地方連携の必要性を強調し、法に基づく「協議の場」の開催を要請すると、首相がうなずく場面もあった。片山総務相は一体改革に関し、地方単独事業も含めるよう政府内で主張しているが、「根回しの動員力」も違い、反映されにくい状況を説明。地方側からも実態を訴えるよう促した。知事会は同会議で、「社会保障と税の一体改革について」を決め、「協議の場」の早期開催や財源試算に地方単独事業を含めるよう求める方針を明示した。

2011年06月10日発行(第3588号)

国・地方の全消費税収を社会保障4経費に
地方単独は課税自主権で—政府集中会議が社会保障と税で原案 

 政府の社会保障改革に関する集中検討会議(議長・菅直人首相)は二日、消費税の二〇一五年度までの一〇%への段階的引上げなど、財源対策を含む社会保障改革案をまとめた。社会保障改革では、「世代間・世代内公平」などの基本方針を掲げ、国民健康保険の財政運営の都道府県単位化や社会保障・税共通番号制度の早期導入などを盛り込んだ。その上で、「消費税(国・地方)」との表記で、国・地方を通じる消費税収の全額を高齢者三経費と少子化対策に充てるとし、消費税の社会保障目的税化を法律上も会計上も明確にすると明記。国と地方の税収配分は役割分担に応じた配分を実現するとしたが、地方の単独事業は課税自主権の拡大・発揮で財源確保するとした。これに対し、片山善博総務相は地方の意見がほとんど反映されず、「地域主権が羊頭狗肉との謗りを免れない」と反発する「意見」を提出。単独事業の財源を課税自主権の拡大で確保するのも「全く現実的でない」と批判した。改革案を受けて政府・与党は同日、社会保障と税一体改革の成案を作成するため、首相を議長に関係閣僚と与党の責任者で構成する「成案決定会合」の設置を決定。二〇日までに成案をまとめる方針だ。(4面に関連記事)

2011年06月17日発行(第3589号)

消費税収、地方単独事業にも充当で修文へ—政府
地方代表が一体改革原案反対を表明—初の法定「国・地方協議の場」で

 法制化された「国と地方の協議の場」の初会合が一三日、首相官邸で開かれ、社会保障と税の一体改革と、東日本大震災の復興について、菅直人首相の出席のもと、国と地方六団体の代表が協議した。地方側は、一体改革の意見と復興提言をそれぞれ提出。一体改革では、地方単独事業を含めて議論するよう求め、地方消費税の充実や、協議の場に社会保障の分科会を置くよう提言した。山田啓二全国知事会会長(京都府知事)らは改革原案のままなら反対する意向を表明。枝野幸男官房長官は、地方の理解を得るためのプロセスが必要とし、修正協議に努める意向を示した。(4面に関連記事)

2011年06月24日発行=第3590号

消費税、現行5%の国・地方配分は変更せず—政府、一体改革で修正案
成案決定は先送りに 

 政府・与党は一七日、社会保障と税の一体改革原案に、(1)現行五%の国・地方配分は変更しない(2)現行の地方消費税一%は社会保障目的税化の対象外とする(3)費用推計は地方単独事業も含めて「整理」する(4)地方単独事業は地方消費税の充実などで財源確保する—などの修正を加えた「成案の案」をまとめた。片山善博総務相や「国と地方の協議の場」などでの地方六団体の意見が反映された。しかし成案は、菅直人首相が二〇日の取りまとめを繰り返し指示していたが、民主党や連立を組む国民新党の反発で決定できず、先送りされた。与謝野馨経済財政相は先送り後に、復興財源が絡む政府の復興構想会議が二五日に提言をまとめる前の決定を目指す考えを表明した。また与謝野氏は修正後の記者会見で、引上げ後の地方消費税は一%と断言。二〇〇九年度税制改正附則にある「地方消費税の充実」を「精神論」に位置付け、地方側の新たな反発を招いている。

2011年07月01日発行(第3591号)

番号制度、2018年目途に民間含め利用範囲拡大を検討—政府
大綱案を了承、第三者機関の三条委員会明示は削除 

政府の社会保障と税の番号制度実務検討会(座長・与謝野馨経済財政相)は六月二八日、同番号制度の「大綱」案を了承した。基本的には四月にまとめた「要綱」などを踏襲しているが、番号を利用できる手続きについて、自治体職員等による地方税等の賦課・徴収事務を追加するなどより拡充して示すとともに、番号法案等の整備により「何ができるのか」として、災害時要援護者リストの作成や、政府の社会保障改革案に盛られた「総合合算制度」(仮称)の導入などを列挙した。さらに、将来的な番号利用範囲の拡大について、民間活用も含めてシステム設計することを明記し、二〇一八年を目途に、利用範囲拡大を含め番号法の見直しを行う方針を示した。ただ、個人情報保護のため創設する「第三者機関」については、要綱までは独立性の強いいわゆる「三条委員会」とする方針が明示されていたが、大綱案では削除された。

2011年07月08日発行(第3592号)

課税標準や税額の特例も条例委任へ—総務省
「税制を通じた住民自治」へ地域主権地方税研が初会合 

総務省は六月二九日、省内で「地域の自主性・自立性を高める地方税制度研究会」(座長・碓井光明明治大大学院教授)の初会合を開き、地方税法で一律に決めていた税負担軽減措置を自治体に委ねる新たな制度などの検討を始めた。新軽減制度では、全国一律適用と、自治体に委ねるメルクマールを策定した上で、現行では自治体に裁量がない課税標準の特例や、税額特例を条例で定められるようにし、「税制を通じた住民自治」を確立するのが狙い。初会合では新制度の論点に、(1)新制度を導入する特例措置の範囲(2)条例に委任する項目・委任の程度(3)新制度に関する減収補填措置(交付税措置)—などを提示。このほか、(1)法定税の法定任意税化・法定外税化(2)制限税率の見直し(3)法定外税の新設・変更への関与の見直し—なども検討する。これらは昨年の政府税制調査会で片山善博総務相が提案したもので、同省は一〇月を目途に取りまとめを行い、税調に提案する方針だ。

2011年07月15日発行(第3593号)

地方の発意で出先機関移譲へ特例制度骨子—地域主権戦略会議
人材移管準備会合の設置も決定、義務付け・枠付けの3次見直しで方針も

政府の地域主権戦略会議(議長・菅直人首相)は七日、国の出先機関廃止に向けた推進体制等を議論し、広域連合の発意により出先機関の移譲を行う「特例制度」の骨子と、移管に伴い出先機関から地方に移る職員の処遇などを検討する「人材調整準備会合」の設置を決めた。また、義務付け・枠付けの第三次見直しに向けた方針も決定。約一、二〇〇条項を取り上げ、地方から提言された事項は、実現の方向で各府省と議論するとした。今後は、九月にも移譲対象出先機関決定に向けた「中間とりまとめ」を行い、一二月に移譲対象出先機関・移譲対象事務・権限を決める方針。

2011年07月22日発行(第3594号)

「一体改革」の地方単独事業、
8月にも自治体調査—岡本総務事務次官 

総務省の岡本保事務次官は八月にも、社会保障と税の一体改革を巡る地方単独事業に関し、地方自治体を対象に調査を行う方針を明らかにした。一三日の全国市長会の役員会で表明した。同省は今後調査項目を詰め、「八月初め頃」(岡本次官)には調査票を発送。調査結果を今後の議論に活かす考え。岡本次官はこのほか、福島第一原子力発電所事故による避難者らを対象とする地方税減免法案と、同避難者が住民票を移さなくても避難先で行政サービスを受けられる法案を二二日にも閣議決定し、国会提出する方針も表明。拘束的住民投票創設などの地方自治法改正案は議論が「整理」できれば臨時国会にも提出する考えを示した。


2011年07月29日発行(第3595号)

地方税特例、条例委任の新制度の原則化提案—総務省
交付税は標準特例率等で算定、一定の幅から選択する制度例も提示

総務省の「地域の自主性・自立性を高める地方税制度研究会」(座長・碓井光明明治大大学院教授)は二五日、省内で第二回会合を開き、地方税法で一律に定めている地方税軽減措置を条例に委ねる新制度などを前回に引き続き議論した。会合で同省は、二〇一二年秋までに最終取りまとめを、同制度等は一〇月目途に中間取りまとめを行うスケジュール変更を提案、了承された。「論点」では、全国一律の特例措置とする特段の事情がない限り、新軽減措置を原則とする考え方を打ち出した。さらに、(1)課税標準特例の条例委任を認めない特段の理由はない(2)標準的な軽減率等に基づき基準財政収入額を算定するのが適当—などの方向性も示した。併せて、新軽減措置の「粗いイメージ」(未定稿)も示し、新築住宅の固定資産税特例などを例に、一定の幅で示した特例率の範囲内から条例で率を定める制度例を提示した。(4面に資料)

2011年08月05日発行(第3596号)

尊重義務かかる「調った事項」に、分科会での「一体改革」議論を明記
法定「協議の場」の概要を国会に初報告—政府

政府は七月二七日、国と地方の協議の場法に基づき、初会合の協議概要をまとめた報告書を枝野幸男議長(官房長官)名で国会に初提出した。報告書には、(1)開催日時(2)開催場所(3)国・地方双方の出席者(4)協議概要—を記載。協議概要では、同法により国と地方に尊重義務がかかる「協議が調った事項」として、(1)社会保障と税の一体改革について協議の場の分科会を活用して話合いを継続すること(2)協議の場の運営規則・運営経費の負担を決定したこと—を明記した。併せて、与謝野馨経済財政相から提出された社会保障改革案に、地方側議員が「反対せざるを得ない」と意見表明したことも記された。

2011年08月12・19日発行(第3597・8号)

児童手当法の改正を基本に所得制限導入 「地方の理解」も盛る
子ども手当見直しで合意—民主・自民・公明3党

民主、自民、公明三党の幹事長・政調会長は四日、国会内で会談し、子ども手当を見直し、来年度からは児童手当法の改正を基本に、所得制限を導入する合意文書に署名した。所得制限の基準は年収(額面)九六〇万円程度としたが、所得制限対象世帯も、年少扶養控除の廃止により大幅な負担増となっているため軽減措置を講じる。ただ、具体的な措置は今後の検討に委ねた。支給額は、現在の「つなぎ法」の期限が切れる一〇月から三歳未満を一万五、〇〇〇円とするなど、年齢や子どもの数で差異を設定。来年度以降は、この額等を基に児童手当法の改正を行うことを基本にするとし、その際には国と地方の「協議の場」で地方の理解を得るよう努めることも盛り込んだ。これを受けて地方六団体は同日、共同声明を発表し、直ちに「協議の場」を開いて協議を行うよう要請した。


2011年08月26日発行(第3599号)

子ども手当、特措法成立後に協議し、年内に安定・恒久制度設計で合意
「一体改革」分科会設置も決定
法定「国と地方の協議の場」臨時会合

民主、自民、公明三党の幹事長・政調会長は四日、国会内で会談し、子ども手当を見直し、来年度からは児童手当法の改正を基本に、所得制限を導入する合意文書に署名した。所得制限の基準は年収(額面)九六〇万円程度としたが、所得制限対象世帯も、年少扶養控除の廃止により大幅な負担増となっているため軽減措置を講じる。ただ、具体的な措置は今後の検討に委ねた。支給額は、現在の「つなぎ法」の期限が切れる一〇月から三歳未満を一万五、〇〇〇円とするなど、年齢や子どもの数で差異を設定。来年度以降は、この額等を基に児童手当法の改正を行うことを基本にするとし、その際には国と地方の「協議の場」で地方の理解を得るよう努めることも盛り込んだ。これを受けて地方六団体は同日、共同声明を発表し、直ちに「協議の場」を開いて協議を行うよう要請した。

2011年09月02日発行(第3600号)

住民投票など地方自治法改正案、年内に決着
第30次地制調が発足、議会や大都市制度のあり方も諮問

政府は八月二四日、第三〇次地方制度調査会(首相の諮問機関)の第一回総会を首相官邸で開き、菅直人首相が、(1)議会はじめ住民自治のあり方(2)大都市制度のあり方(3)東日本大震災を踏まえた基礎自治体の役割や行政体制のあり方—などを諮問した。その後、片山善博総務相が、同省の地方行財政検討会議の議論を経てまとめた地方自治法改正案を優先的に審議するよう要請。これを踏まえ、会長に互選された西尾勝東大名誉教授がまず同自治法改正案を審議し、その後に議会や大都市などの審議を進めることを提案、了承された。西尾会長は会合後の記者会見で、同自治法改正案について「年内をめどに決着をつけたい」と述べた。このほか地制調は、有識者による専門小委員会委員長に碓井光明明治大教授を選任した。

2011年09月09日発行(第3601号)

地域主権改革、「加速はあっても後退はあり得ない」
就任後会見で川端総務相、交付税確保に決意も

野田内閣が二日発足し、総務相に川端達夫氏が就任した。川端総務相は二日、六日と同省等で記者会見し、東日本大震災からの復興を最優先・最重要課題として取り組むとともに、国の出先機関改革など地域主権改革について「加速はあっても後退はない」と断言した。地方財政については極めて厳しく深刻な状態にあるとの認識を示し、地方交付税で手当していく考えを強調。併せて、社会保障と税の一体改革について、地方が応分の財源配分を受けるべきとの認識を示すとともに、先日発足した三〇次地方制度調査会が審議する住民投票などの地方自治法改正案については、「年内の答申をいただければありがたい」と言明した。新内閣の発足を受け、地方六団体は同日、国と地方の協議による地域主権改革の断行などを求める共同声明を発表した。

2011年09月16日発行(第3602号)

「方向性を重く受け止め、できるだけ実行」—川端総務相
消費税・地方消費税の賦課徴収での役割拡大等を審議 
総務省自主・自立地方税研究会

総務省の「地域の自主性・自立性を高める地方税制度研究会」(座長・碓井光明明治大大学院教授)は八日、川端達夫総務相となって初となる第三回会合を開き、消費税・地方消費税の賦課徴収での地方自治体の役割拡大と、法定外税の新設・変更での国の関与見直しを議論した。冒頭出席した川端総務相は、片山前総務相が「特に力を込めて」引継ぎを求めたのがこの研究会だと紹介し、「方向性が出たものからできるだけ実行に移せるよう重く受け止めたい。スピーディに、誠意を持って対応したい」と挨拶。その後、同省が各論点の今後の方向性などを示し、消費税等での役割拡大では、都道府県・市町村にも申告書提出を可能にすべきとした。全国知事会でも検討が始まった地方消費税の税率決定権を地方に付与することについては、「中長期的課題」として取り組むことを提案。法定外税の論点には、国の同意要件の必要性や第三者機関のあり方などを提示した。


2011年09月23日発行(第3603号)

地方税の直接請求対象化に六団体全てが反対・慎重意見
拘束的住民投票にも慎重姿勢 
30次地制調専門小委員会が初会合

第三〇次地方制度調査会(首相の諮問機関)の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一五日、総務省内で初会合を開き、同省がまとめた拘束的住民投票導入などの地方自治法改正案の審議に着手した。小委の議論はこれまで有識者委員で進めてきたが、初会合には同改正案に反対意見などがある地方六団体代表も出席。議会三団体は改正項目の多くで早期実現を求め、執行部側も、反対意見が多い全国知事会でも七項目には賛意を示すなど賛成項目も少なくなかったが、地方税の賦課徴収等を条例制定・改廃請求の対象とすることには六団体全てが反対・慎重姿勢を示した。また、拘束的住民投票にも全国市議会議長会を除く五団体が明確に反対・慎重意見を表明。条例・予算の専決処分を議会が不承認とした場合に、長に対応を義務付けることには、議会側が賛意を示す一方、執行部側は反対した。全国都道府県議会議長会は、緊急改正が必要な項目と慎重検討が必要な項目を区分けした上で、緊急項目を早期に実現するよう要請した。地制調は同改正案について年内に結論を出す方針。

2011年09月30日発行(第3604号)

地方交付税の復元・増額で地方一般財源総額確保を
地方六団体等、民主党総務部門会議で意見陳述

地方六団体などは九月二七日、民主党の総務部門会議(加賀谷健座長)で、来年度の政府予算や税制改正について意見陳述した。各団体は東日本大震災からの復旧・復興や、円高・経済・雇用対策、地方交付税の復元・増額などによる地方一般財源総額の確保などを要請。臨時財政対策債に頼らずに交付税法定率の引上げで対応することも求めた。また、社会保障と税の一体改革で地方単独事業を含めることや、子ども手当などで「国と地方の協議の場」などを活用し、「地方と協議して政策立案」(全国知事会)することも提言。全国町村議会議長会は来年度以降の子どもに対する手当について、児童手当分以上の地方負担が出ないよう求めた。町村議長会や全国市長会は市町村への一括交付金の導入について慎重な検討や「協議の場」での合意形成を要請。指定都市市長会の阿部孝夫副会長(川崎市長)は、生活保護費の全額国負担を求め、民主党側も取り組む決意を示した。阿部市長は野田内閣における「財務省の影」にも懸念を表明した。

2011年10月07日発行(第3605号)

地方交付税1・6%減で一般財源総額微増を確保
総務省概算要求、復興地方財源は事項要求

 総務省は九月二九日、二〇一二年度の予算概算要求をまとめた。一般会計総額は一八兆三、八五四億円と前年度比三・七%増だが、地方交付税は今年度の一般財源総額を下回らないよう確保する考え方を踏まえ、前年度比一・六%減となるが一七・一兆円を要求。この結果、来年度の一般財源総額見込みは微増の六〇兆円程度となる。なお、税制抜本改革まで継続される交付税の「別枠加算」のうち、三位一体改革での交付税削減相当分については、法定率の引上げを「事項要求」。また、東日本大震災からの地方の復旧・復興財源の確保も事項要求した。このほか、大震災を踏まえた消防防災インフラ整備に前年度の約六・四倍を、被災市町村の庁舎復旧の支援に新規に四・六億円を、被災自治体が行うICTを使ったまちづくり等に新規に一六九億円を計上。川端達夫総務相は同日、省内で会見し、交付税について今後さらに「様々な方法」により増額を目指す考えを強調した。

2011年10月14日発行(第3606号)

財源の復興シフト懸念、復興財源別枠で—地方六団体
地方交付税所要額確保に全力—川端総務相
省内で総務相と六団体会合

 総務大臣と地方六団体の会合が六日、同省内で開かれ、来年度予算や今年度三次補正予算、地域主権改革などを巡り意見交換した。川端達夫総務相は冒頭、来年度の地方交付税所要額の確保に全力を挙げる考えを強調し、支援を要請。地方側は、「財源の復興シフト」に懸念を表明するなどし、交付税の復元など来年度の一般財源総額確保や、円高・デフレ対策、震災復興地方財源の別枠措置などを求めた。併せて、「国と地方の協議の場」を活用した復興地方税増税の協議や、地域主権改革の推進などを要請した。これに対し、川端総務相は円高対策等に万全を期す考えや、「協議の場」を活用する意向、震災復興財源は別枠で措置する方針などを表明。地域主権改革では前に進める覚悟を示し、出先機関の移管について国交、経産、環境の三大臣に対して政務レベルで課題を調整することを提案したことを明らかにした。

2011年10月21日発行(第3607号)

地方税直接請求対象化、税目限定を提案—西尾氏
碓井氏は対象化の選択制検討を問題提起
30次地制調専門小委、自治法改正案で総務省が補足説明

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一七日、総務省内で第二回会合を開き、拘束的住民投票などの地方自治法改正案について審議した。同省は、新たに、同改正案の「補足説明」を提示。文化会館など大規模な公の施設を対象とする拘束的住投については、「大規模」の基準は法令で示さず、各団体が事業費や面積等により判断して定めることになると説明。専決処分を議会が不承認とした場合に、長に必要な措置を義務付けることについては、長の判断による必要な措置を講ずればよく、議案の提出や補正予算の提出は例示だと強調した。議論では、地方税の直接請求対象化について西尾勝地制調会長(東京市政調査会理事長)が、対象税目を限定することで地方六団体の理解が得られないか検討するよう提案。碓井委員長は地方税の直接請求対象化自体を条例による選択制とする検討を問題提起した。

2011年10月28日発行(第3608号)

出先機関改革、政治主導で通常国会に法案—野田首相
復興増税、地方の「自主」尊重を—地方六団体
野田内閣初の国と地方協議の場が開催

 野田内閣となって初の「国と地方の協議の場」が二〇日、首相官邸で開かれ、二〇一二年度予算や今年度三次補正予算を巡り意見交換した。野田佳彦首相は冒頭挨拶で、これに先立つ地域主権戦略会議で、出先機関の原則廃止を政治主導で進め、来年の通常国会に法案提出するよう努力することを議論したと言及。来年度予算などへの地方側の意見を求めた。地方側は地方六団体名で、来年度予算編成への要請文や、復興地方増税への意見書を提出。東日本大震災からの復旧・復興、円高・デフレ対策、地方交付税の復元などを求めるとともに、社会保障と税の一体改革や子ども手当の見直しで「協議の場」による協議を行うことを要請した。これを受けて藤村修官房長官は、地域主権改革は野田内閣でも最重要課題の一つだとし、地方にかかわる重要課題について「協議の場」を活用して地方の意見を丁寧に聴いていく考えを示した。

2011年11月04日発行(第3609号)

拘束的住民投票、地方自治体の配置分合での導入提案—全国知事会
専決処分不承認での対応義務化も努力義務に
第30次地制調小委、17日に自治法改正への「意見」素案を審議

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一〇月二七日、総務省内で第三回会合を開き、地方税の直接請求対象化などの地方自治法改正案を巡り地方六団体代表を交えて引き続き審議した。その中で同省は改めて、同対象化や大規模な公の施設のみを対象とする拘束的住民投票の創設など、全国知事会等に反対意見がある項目について「論点」を提示。議論では、これまで拘束的住民投票の導入自体に反対を表明してきた知事会が、自治体の廃置分合に限って導入することを“逆提案”。専決処分不承認での長の対応義務化についても、現在の総務省案の「必要な措置」を「必要な対応」に改めることや、努力義務化などを提案した。一方、地方税の直接請求対象化を巡っては、西尾勝会長(東京市政調査会理事長)が時期を理由とする反対には理解を示してきたが、全国市長会などは時期の問題を強調して改めて反対。知事会も地方税財政の充実が前提だと指摘した上で、知事会内には個人住民税均等割に限って容認する一方、市町村の意見尊重や請求要件の厳格化を検討すべきとの意見もあると紹介した。これを踏まえ、同省が一七日の審議に地制調の「意見」素案を提示する。

2011年11月11日発行(第3610号)

来年度以降の新子ども向け手当、国と地方の財源負担割合1対1を提案—小宮山厚労相
「一方的」「協議の場開催を」、地方六団体猛反発

 小宮山洋子厚生労働相は七日、二〇一二年度以降の新たな子ども向け手当について、国と地方の負担割合を一対一とし、年少扶養控除の見直しに伴う増収分を充てて国と同規模の一兆円程度を負担するよう、地方六団体に正式に要請した。地方にとっては今年度に比べ二倍近い四、三〇〇億円程度の負担増となる。これを受けて地方六団体は八日、共同声明を発表し、「三党合意」にもある「国と地方の協議の場」を設定もせず、裁量の余地がない現金給付の負担を一方的に拡大かつ地方の固有財源の使途を限定するもので「到底受け入れられない」と反発。「協議の場」を早急に開いて制度のあり方などを協議するよう要請した。ただ、小宮山厚労相は八日の閣議後記者会見で、「今後、地方団体とは提示案でご理解いただけるよう引き続き協議」し、予算編成までに具体的な費用負担のあり方をまとめる考えを表明しており、地方との協議は難航必至だ。


2011年11月18日発行(第3611号)

固定資産税、都市計画税、軽減特例の見直しを—地方三団体、政府税調ヒアで
自動車2税堅持も主張、経済団体等とは主張対立

 政府税制調査会は八、九日、二〇一二年度税制改正について、地方三団体からヒアリングを行うなど審議した。八日は、総務省が固定資産税と都市計画税について、バブル期の地価高騰に対応して導入した税軽減の特例措置を来年度から見直すよう提案。九日のヒアでは、全国市長会と全国町村会も、同特例措置の見直しを要請した。また、全国知事会も含め三団体は、経済産業省などが要望する自動車重量税・取得税の廃止について、「円高を理由に地方の税金を減らす議論にならないよう」(知事会)反対。社会保障と税の一体改革については、国と地方の協議の場での協議や、地方単独事業も対象にし、地方消費税を充実させることなどを要請した。ただ、同じく同日意見陳述した経済団体等は、自動車二税の廃止などを求め、固定資産税等の特例措置見直しについても反対。一五日も税調は自動車二税の廃止を巡り議論したが、省庁間の溝は埋まらなかった。

2011年11月25日発行(第3612号)

地方税直接請求対象化、税目など検討し「制度化」
拘束的住民投票は「引き続き検討」

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一七日、総務省内で第四回会合を開き、同省がまとめた拘束的住民投票などの地方自治法改正案への「意見」素案を審議した。素案は、地方六団体がこぞって反対・慎重姿勢を示す地方税の直接請求対象化について、対象税目や署名数要件のあり方、実施時期などに検討を加えた上で「制度化」すべきとした。一方で、全国知事会が自治体の廃置分合に限って容認姿勢に転じた拘束的住民投票については、その対象などさらに詰めるべき論点があるとし、「引き続き検討」と先送り。専決処分を議会が不承認とした場合の長への対応義務化は、「適切な方策」とする一方、知事会の主張を受けて議会や住民に説明責任を果たす対応も可能とすべきとした。ただ地方税の直接請求対象化を巡っては、制度化すべきとの意見の一方、畔柳信雄副会長(三菱東京UFJ銀行会長)から消費増税議論の中でこれを打ち出す時期的問題について留意を求める指摘が出るなど慎重意見も出た。地制調は次回二八日の小委で、地方六団体代表も交えて意見書案を審議。来月中旬までには総会を開き、「意見」をまとめる見通しだ。


2011年12月02日発行(第3613号)

地方税直接請求対象化は制度化、住民投票は先送り
専決処分不承認の長の措置義務化は条例も対象に
30次地制調小委が自治法改正への「意見」案を審議

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一一月二八日、総務省内で第五回会合を開き、同省がまとめた地方自治法改正案のうち、地方税の直接請求対象化など地方六団体に異論がある項目についての意見案を六団体代表も交えて審議した。意見案は前回会合で審議した素案の骨格を踏襲。地方税の直接請求化については、実施時期などに検討を加えた上で「制度化」すべきとする一方、拘束的住民投票については、対象要件などをさらに詰めるべきとし、「引き続き検討」と先送りした。予算等の専決処分を議会が不承認とした場合の長の措置義務化も、全国知事会が要請した住民などに説明責任を果たす対応も認めるとした上で、制度化すべきとし、知事会が除外するよう求めた条例の場合も、長が検討を加えるべきとした。委員間では、税の直接請求対象化と住民投票を巡りそれぞれ意見が割れたが、その他の項目については碓井委員長が概ね合意されたとし、小委案の取りまとめに一任を取り付けた。

2011年12月08日発行(第3614号)

子ども向け手当、地方の意見踏まえ再提案を―地方六団体
地方「増収」巡り応酬も、「国地方の協議の場」概要判明

 来年度以降の子ども向け手当を議題に開かれた「国と地方の協議の場」の今年度第二回臨時会合の概要が明らかになった。一一月二九日の同会合では、小宮山洋子厚労相が改めて、新手当は国と地方の財源負担割合を一対一とし、年少扶養控除見直しに伴う地方増収分を充てることで地方負担を倍増させる厚労省案を提案。これに対し、全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)ら地方六団体代表は到底受け入れられず、地方の意見を踏まえて再提案すべきとする共同文書を提出し、協議でも「不愉快」「汗をかいてほしい」などの反発が相次いだ。これを踏まえ、藤村修議長(官房長官)が年末の予算編成に向けて「色々なレベル」で協議をしていき、「双方にいい結果にしたい」と引き取ったが、次回以降の協議のめどは立っていない。

2011年12月16日発行(第3615号)

自動車取得税は維持、重量税は上乗せ税率引下げで1500億円減税
固定資産税の「据置特例」は14年度から完全廃止
政府、2012年度税制改正大綱を決定

 政府は一〇日未明、首相官邸で税制調査会の全体会合と臨時閣議を順次開催し、二〇一二年度税制改正大綱を決定した。民主党などが廃止を求めていた自動車二税の取扱いは、自動車取得税は維持、自動車重量税について一、五〇〇億円規模の減税を実施し、三、〇〇〇億円規模のエコカー補助金を復活する妥協案で決着した。また、地価高騰時の固定資産税等の負担を軽減する「据置特例」を一四年度から完全廃止することも盛り込んだ。このほか、住民自治を確立するための地方税制改革として、法律で一律に決められている地方税の特例措置について、特例割合や期間を条例で決定できるようにする「地域決定型地方税制特例措置」(わがまち特例)の来年度からの導入も打ち出した。


2011年12月23・30日発行(第3616・17号)

地方税の直接請求対象化、拘束的住民投票ともに先送り
30次地方制度調査会が自治法改正案で「意見」

 第三〇次地方制度調査会(会長・西尾勝東大名誉教授)は一五日、都内で総会を開き、地方税の直接請求対象化など、総務省がまとめた地方自治法改正案への「意見」をまとめ、野田佳彦首相に提出した。焦点となっていた税の直接請求化については、住民自治の充実・強化の観点から、制度化すべきと明記した上で、その時期は今後の経済状況などを見極めて検討する必要があると事実上、先送りした。結果に拘束される住民投票の導入は、対象等を詰める必要があり引き続き検討するよう明確に先送り。一方で、専決処分を議会が不承認とした場合の長の措置義務化は、全国知事会が要請した説明責任を果たす対応も容認した上で条例・予算ともに制度化すべきと要請。通年議会の制度化も導入すべきとし、地方の意見を反映して会期の始期や定例日の規定を条例に委ねた。同省はこれを反映し、専決処分の対象から副知事等を除外するなど地方六団体に異論がなく地制調で議論しなかった項目も含めた自治法改正案を来年の通常国会に提出する方針。

2012年1月6・13日発行(第3618・9号)

地方交付税、公庫債準備金活用し、0・5%増の17・4兆円を確保
2012年度地方財政対策が決着―政府

 二〇一二年度の地方財政対策が一二月二二日、川端達夫総務相と安住淳財務相の閣僚折衝で決着し、地方交付税(出口ベース)の通常収支分は前年度比〇・五%増の一七兆四、五四五億円で合意。円高による地域経済悪化などに配慮し、地方公共団体金融機構の金利変動リスクに備えた準備金の活用などで五年連続の増額とした。一方、東日本大震災分は通常収支分とは別枠で整理し、震災復興特別交付税を六、八五五億円確保した。地方六団体は同日、子ども向け手当などの財源措置の精査が必要だが、交付税確保などを評価するとの共同声明を発表した。

2012年1月20日発行(第3620号)

消費税5%引上げ分の地方配分割合は1・54%に
0・34%分は地方交付税で配分
政府・与党、社会保障と税の一体改革素案を正式決定

 政府・与党は六日、首相官邸で社会保障改革本部を開き、国・地方の消費税率を現行の五%から二〇一四年四月に八%、一五年一〇月に一〇%へ引き上げ、五%引上げ分の国と地方の配分割合を国三・四六%、地方一・五四%とする「社会保障・税一体改革素案」を正式決定した。地方配分のうち、一・二%は地方消費税、〇・三四%は地方交付税の財源とする。三%増税段階での地方配分は〇・九二%とし、うち〇・七%分を地方消費税、〇・二二%分を交付税として配分する。昨年末の「国と地方の協議の場」での合意を経たもので、地方側も「概ね地方の意見を反映したものになった」(山田啓二全国知事会長)と評価している。野田佳彦首相は会合で「素案で終わっては意味がない。どの政権でも避けて通れないテーマだ」と強調。野党に協議を呼び掛け、消費増税を含む関連法案を年度内に通常国会に提出する方針だが、先行きはなお不透明だ。

2012年1月27日発行(第3621号)

地方公務員の労働基本権拡大など10法案を今通常国会に提出へ―総務省
「一体改革」の地方税関係具体化法案なども

 総務省は一八日、今通常国会への提出予定法案等をまとめ、民主党の総務部門会議に提示した。提出予定は一〇法案で「日切れ」等扱いが、東日本大震災に対応するため今年度の交付税の一部を来年度交付できるようにする法案や、地方税の特例措置を条例で決定できる「わがまち特例」創設等の地方税法改正案など三本。(1)地方公務員に協約締結権を付与する等の関連二法案(2)専決処分が不承認とされた場合の長の措置義務化等の地方自治法改正案(3)社会保障と税の一体改革の地方税関係を具体化する法案(4)社会保障と税番号制度での地方公共団体情報システム機構創設法案―など七法案も提出する。また、雇用と年金を接続させるための地方公務員法改正案など二法案も検討中。合併特例債の起債可能期間を被災団体・被害団体以外とも五年間延長する法案など三本が継続法案となる。

2012年02月03日発行(第3622号)

交付税法、年度内不成立で4月概算交付が1・7兆円減―総務省
都道府県財政課長等会議で説明、消費増税への協力も要請

 総務省は一月二五日、省内で全国都道府県財政課長等会議を開き、二〇一二年度の予算編成上の留意点等をまとめた「事務連絡」を示すとともに、椎川忍自治財政局長らが説明した。会議で同省は、来年度の普通交付税算定について、個別算定経費は道府県分が前年度比〇・五%程度、市町村分が〇・〇%程度増え、包括算定経費は道府県分が一・〇%程度、市町村分が二・〇%程度減る見通しを提示。椎川局長も「個別事業を除けば制度としてはあまり大きな波乱要因はない」と説明する一方、当初予算関連の交付税法が今年度内に成立しなければ四月の概算交付が一・七兆円程度減り、臨時財政対策債も発行できなくなると強調し、早期成立に協力を求めた。黒田武一郎財政課長は社会保障と税の一体改革で地方も増税を住民に求める立場になった点を指摘し、地域住民への説明など実現に向けた「協力」の重要性に留意を求めた。(4面に発言要旨)

2012年02月10日発行(第3623号)

大都市制度改革議論、積極・慎重両意見と道州制提起も―地制調小委
次回、大阪都、特別自治市で関係者ヒア

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は二日、省内で会合を開き、「大阪都構想」や指定都市市長会が提唱する「特別自治市」など、大都市制度の本格論議に着手した。会合では臨時委員の林文子横浜市長が、二重行政解消や都市の国際競争力強化の観点から、「特別自治市」など多様な大都市制度の創設を求める一方、有識者委員からは二重行政等が大都市制度によるものなのかを検討すべきなどの慎重意見も出た。石井正弘岡山県知事も都市の多様性を踏まえた議論を求めたが、二重行政等が行政間の調整により解決できないのか疑問だと指摘。さらに、現在の都道府県制度の検討も避けられずセットで議論するよう求め、道州制に移行すべきとの持論も披露した。小委は一六日の次回会合で、橋下徹大阪市長らが提唱する「大阪都構想」や、指定市の特別自治市構想について関係者からヒアリングする方針。

2012年02月17日発行(第3624号)

社会保障と税一体改革、国民理解に地方も協力を―川端総務相
地方消費税引上げ分の使途は幅広に―六団体
異例の都道府県会館で大臣・六団体会合開催

 「総務大臣・地方六団体会合」が九日、都内・都道府県会館で開かれ、川端達夫総務相が社会保障と税の一体改革の円滑な実施のため、国民の理解を得るための協力を山田啓二全国知事会長(京都府知事)らに要請するとともに、同省が政府の一体改革「素案」に係る「検討事項」案を説明した。同案では、引上げ分の地方消費税収について、①地方の意見を踏まえ社会保障財源化を図り、具体的な法律の規定は今後調整する②都道府県と市町村の配分は現行どおり一対一とする③市町村交付金は全額人口によりあん分して交付する―方針を示した。これを受けて六団体は国民の理解を得るために協力する考えを示すとともに、同案についても引上げ分の使途を可能な限り幅広く認めるよう求めた上で、概ね了承した。

2012年02月24日発行(第3625号)

大阪都構想、詳細案は地域に委ね制度化を―橋下大阪市長
第30次地制調専門小委員会、大都市制度でヒアリング

 大都市制度の本格審議に着手した第三〇地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一六日、総務省内で会合を開き、大阪市を解体するなどの「大阪都」構想を掲げる橋下徹大阪市長と、道府県から指定都市を独立させる「特別自治市」構想を提唱する指定市市長会の阿部孝夫副会長(川崎市長)から各構想についてヒアリングした。阿部市長が選択可能な大都市制度の一つとして特別自治市の法制化を求める一方、橋下市長は公選区長を否定するなどの特別自治市構想を批判。大阪市を解体し、中核市並みの権限を持つ基礎自治体として新たに公選の区長・議会を置くなどの大阪都構想の優位性を強調した。西尾勝地制調会長ら委員からは特別自治市について地域の税収独り占めへの懸念や財政調整などへの疑問が続出。大阪都構想については西尾会長が新たな区への事務配分や区割り、財政調整など制度設計の詳細案を示す時期を聞いたが、橋下市長は地制調に対し、全国的ルールを審議し、制度の詳細設計は地域に委ねる法制化を求めた。橋下市長は会合後も、特別自治市構想を改めて批判した上で、詳細案は地域に委ねることに期待感を示した。(3面に会合後発言要旨)

2012年03月02日発行(第3626号)

地方法人特別税等の存廃巡り両論、論点整理へ―全国知事会特委
一体改革「意見」案を審議、東京都は存続案に猛反発

 全国知事会の地方税財政特別委員会(委員長・石井隆一富山県知事)は二月二四日、都内で会合を開き、社会保障と税一体改革「大綱」への意見案を審議。意見案には、既に政府に要請済みの地方消費税収の使途を幅広く認めるなどの三点に加え、「今後の課題」として①引上げ分の地方消費税について基準財政収入額への算入率を大幅に高める②都道府県間の清算基準で人口の比率を高める③地方法人特別税・同譲与税は廃止に向けて見直しを行い、税源偏在の是正の程度に応じた縮減を実現する―などを盛り込んだが、同特別税により税収を奪われている東京都は同税の存続など「あり得ない」とし、意見項目とすること自体に猛反発。無条件の項目撤回や、まずは廃止を知事会全体で主張するよう求めたが、奈良県などは廃止ありきに反対した。石井委員長も地方消費税の引上げにより即時廃止とは知事会として一度も決めていないとし、理解を求めたが、山田啓二会長(京都府知事)は、地方消費税引上げを勝ち取ったことによる税源偏在問題への配慮を求める一方、同特別税を改めて批判し、廃止に条件をつけるような提案には反対。パラレルの問題として論点整理を行うよう提案し、その方向となった。(4面に意見案全文)

2012年03月09日発行(第3627号)

義務付け等見直し第三次一括法案と、自治法改正案を閣議決定―政府

 政府は九日の閣議で、義務付け等見直しの第三次一括法案と、専決処分の見直しや通年議会の制度化などの地方自治法改正案を決定する。三次一括法案は、地域包括支援センターの基準の条例委任など地方が提言した事項や、消防長等の資格の条例委任など計二九一条項の見直しを行うため関係六九法律を改正。自治法改正案では、条例・予算の専決処分を議会が不承認とした場合に長が必要な措置を講じ、議会に報告するよう義務付けることなどを盛り込んだ。両法案には、自民党など野党も賛成する見通しだが、全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)は先月末の記者会見で、先送りされた拘束的住民投票制度について、知事会が自治体の廃置分合での導入を容認していたことを強調。知事会の反対で潰れたとの報道に反論した。


2012年03月16日発行(第3628号)

震災がれき広域処理を法に基づき正式に協力要請―野田首相
がれきの種類、量も明示、受入れ基準・処理方法も策定へ
知事会長、環境相の「前向き答弁」受け各知事に協力呼掛け


東日本大震災から一年となる一一日、野田佳彦首相は首相官邸で記者会見し、震災で発生したがれきの広域処理について、災害廃棄物処理特別措置法に基づき文書で地方自治体に正式に受入れ要請する方針を表明した。併せて、受入れを表明している自治体には、がれきの種類や量を明示して協力要請する考えを説明。同時に、同法に基づき、がれきの放射性物質・濃度等の受入れ基準や処理方法も定める考えを示した。このため政府は一三日、広域処理促進のための関係閣僚会議を初開催。また野田首相は一二日、がれき処理について、国有林の活用も視野に、市町村の要請があれば国の代行処理も「やることはあり得る」と表明した。一方、全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)は九日、細野豪志環境相と会談し、広域処理促進のため、国が受入れの風評被害対策などに責任を持つことなどを要請。環境相の国が責任持って対応するなどの回答を受けて、同日付けで改めて各知事に対し、日本再生のため広域処理に協力するよう文書で要請した。

2012年03月23日発行(第3629号)

出先機関改革、大災害時の指示は個別法令で手当
移譲受け皿で基本構成案―政府地域主権戦略会議・アクションプラン委員会

 出先機関改革の具体化を検討している政府の地域主権戦略会議・アクションプラン推進委員会(委員長・川端達夫総務相)は一六日、ブロック単位での移譲に係る特例制度の「基本構成案」をまとめた。受け皿となる広域連合は移譲対象出先機関の管轄区域を包括するとしたほか、同連合には「長」と、首長による「会議」のほか、各移譲出先機関ごとに「執行役」を設置するとした。当面関西、九州を対象に経済産業局、地方整備局など三機関を対象に「丸ごと」移管する。併せて、移譲事務は原則法定受託事務としたが、必要により国の関与を柔軟に設けると明記。大規模災害時等には所管大臣が広域連合長に指示できるよう個別法令で手当てするとした。同案には、なお国土交通省等が難色、今後、政務レベルで調整の上、次回の地域主権戦略会議で決定する(4面に資料)


2012年03月30日発行(第3630号)

出先機関改革、拙速にせず、市町村の意見踏まえ慎重対応を
全国市長会が政府に「意見」、慎重姿勢、鮮明に

 全国市長会(会長・森民夫長岡市長)は二六日、国の出先機関改革について、拙速に進めず、基礎自治体の意見を踏まえて慎重に対応するよう求める「意見」をまとめ、内閣府の後藤斎副大臣に手渡すとともに、川端達夫地域主権担当大臣等あてに提出した。同会はこれまで、出先機関の見直しを進め、広域災害対策については十分に議論を行うよう求めていたが、ここにきて慎重姿勢を鮮明にした。出先改革を巡っては、全国の四四七市町長で構成する「地方を守る会」も今月はじめに拙速に廃止しないよう求める決議を採択しており、「出先機関の原則廃止」(野田佳彦首相)に向けて今国会に特例法案を提出予定の政府の改革議論にも影響を与えそうだ。


2012年04月06日発行(第3631号)

引上げ分の地方消費税の使途、社会福祉、社会保険、保健衛生施策の経費に
政府、消費増税法案を閣議決定 

 政府は三月三〇日の閣議で、社会保障の安定財源を確保するため、国と地方を合わせた消費税率を二〇一五年一〇月に一〇%に引き上げるなどの消費増税関連法案を決定、今国会に提出した。与党内の増税反対論が根強く、民主党の連日の事前審査の結果、「経済状況の好転」を地方消費税も含めた増税条件とし、「名目三%、実質二%」の成長率を政府の努力目標として明記。政府原案にあった税率一〇%後の追加増税条項は削除した。地方消費税は同一〇月に消費税率換算で二・二%とし、消費税から交付税に回す法定率は同一・五二%相当とする。引上げ分の地方消費税の使途については、医療などの制度として確立された社会保障四経費に加え、「その他社会保障施策(社会福祉、社会保険及び保健衛生に関する施策)に要する経費」と規定した。


2012年04月13日発行(第3632号)

地方自治法改正案、審議促進し早期成立を―議会三団体
通年議会への懸念踏まえ、3会長が自民に要請文 


 全国都道府県議会議長会(会長・山本教和三重県議会議長)など議会三団体は五日、今国会に政府が提出した専決処分見直しなどの地方自治法改正案について、国会審議を促進し、早期に成立させるよう求める要請文を連名でまとめ、三会長が自民党の平井たくや総務部会長らに面談の上、申し入れた。同自治法改正案に盛られた通年議会の制度化について首長出身の国会議員に一部懸念があることなどを踏まえたもの。自民党も同改正案には賛成の方向だが、消費増税関連法案を巡る国政の動向も不透明な中で、早期審議・成立を求める立場を明確にした格好だ。要請の際には、地方議員身分の明確化や、議員年金廃止後の新年金制度の検討なども求めた。


2012年04月20日発行(第3633号)

一体改革、がれき広域処理の政府要請に協力意向―地方六団体
自治法早期成立も要請、拘束的住民投票の分科会議論も提案
法定「協議の場」今年度第一回臨時会合


 政府と地方六団体代表による「国と地方の協議の場」が一六日、首相官邸で開かれ、社会保障と税の一体改革、東日本大震災で発生したがれきの広域処理、今国会に提出済みの地方自治法改正案を巡り協議。野田佳彦首相ら政府側が改めて一体改革の実現やがれきの広域処理に協力を求めたのに対し、地方側も協力意向を示した上で、国もこれまで以上に住民への説明などに取り組むよう求めた。自治法改正では議会三団体を中心に早期成立を要請し、山田啓二全国知事会長(京都府知事)は拘束的住民投票の導入について協議の場の分科会などで議論するよう提案。政府は改正案の成立に全力を挙げる考えを示す一方、住民投票については川端達夫総務相が引き続き議論する意向を示すにとどめた。


2012年04月27日発行(第3634号)

地域主権改革、総理のリーダーシップで決断・実行を―全国知事会特別委員会
政府の夏の「推進大綱」に向け提言案、第三次一括法早期成立で決議も

 全国知事会の地方分権推進特別委員会(委員長・古川康佐賀県知事)は一九日、都内で会合を開き、政府が今夏にも策定する「地域主権推進大綱」(仮称)に反映させるための提言案を大筋了承した。これまでの改革のうち、国と地方の協議の場の法制化などを評価する一方、自由度拡大の面などは「まだ不十分」だとし、総理のリーダーシップによる改革の決断・実行や、「協議の場」の積極活用を要請。義務付け等見直しや権限移譲、出先機関の原則廃止などを巡り、①条例による本格的な法令の上書き権②国と地方の協議の場を踏まえた毎年度の地方財政対策と税制改正―などを求めた。併せて、三月に国会提出された義務付け等第三次一括法案の早期成立を求める決議を決め、第四次見直しに向けた検討の進め方も確認。第二次までに見直された項目の条例制定事例もまとめた。提言は五月の連休明けに政府に提出する。

2012年05月04・11日発行(第3635・6号)

出先機関改革、国の関与強化へ特例的な法定受託事務を創設
政府地域主権戦略会議、改革の基本構成案決定

 政府の地域主権戦略会議(議長・野田佳彦首相)は四月二七日、出先機関改革の基本構成案を決めた。当面地方整備局など三出先機関を対象に、関西、九州、四国に原則「丸ごと」移管する。なお、移譲事務に対する国の関与担保のため、新たに「特例的な法定受託事務」を設けるほか、(1)受け皿は出先機関の「管轄区域を包括」する(2)災害時には国が連合長に指示できる「手当て」を講じる―とした。さらに、現在の出先機関の要員はそのまま移管するが、財源については「必要な措置を講じる」との記述にとどめた。政府は、今通常国会に法案を提出する方針だが、移譲事務の選別や地方団体間の調整などなお課題も多い。

2012年05月18日発行(第3637号)

消防職員に団結権と協約締結権付与を明記―総務省
地方公務員制度改革で素案、民間給与調査主体は人事委員会に

 総務省は一一日、新たな労使関係の構築など地方公務員制度改革の「素案」をまとめ、民主党の公務員制度・総人件費改革プロジェクトチーム役員会に提示した。一般職に協約締結権を付与し、人事委員会勧告制度を廃止するが、焦点となっていた消防職員について、団結権と協約締結権を付与する考えを初めて明示。また先送りしてきた民間給与実態の調査・把握主体を人事委員会とした。同省は今国会への関連法案提出を目指すが、全国知事会などは国と地方の協議の場の開催を求めるなど拙速な改革に反発を強めており、先行きは不透明だ。

2012年05月25日発行(第3638号)

地方公務員制度改革「素案」、「地方無視」で反対と決議―全国知事会
出先改革事務移譲法案は今国会で成立を、臨時知事会議で2件の決議

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は一八日、都内で臨時の知事会議を開き、国の出先機関事務移譲法案の今国会成立を求める決議と、消防職員も含めて地方公務員に協約締結権を付与するなどの総務省の改革「素案」は地方の意向を無視したもので反対だとする決議をそれぞれ決めた。また、①指定都市が主張する「特別自治市」構想を否定するなどの地方行政体制特別委員会の中間取りまとめ案②地方消費税の税率等を地方が決めるなどの課税自主権の拡大に関する検討取りまとめ③日本のグランドデザイン構想の中間取りまとめ骨子案―も報告。このほか、①各党の政権公約に向けた要請活動案②二常任委員会の新設など知事会組織再編の最終報告―も了承した。

2012年06月01日発行(第3639号)

消防職員への協約締結権等の付与、地方無視で反対―全国市長会
消防長会も極めて遺憾で断固抗議すると除外を要望

 消防職員も含めて地方公務員に協約締結権を付与するなどの総務省の改革「素案」を巡り、全国市長会(会長・森民夫長岡市長)は五月二五日、これまでの市長会の意見が反映されず、疑問や懸念が依然払拭されないと事実上反対する意見書を川端達夫総務相あてに提出した。特に消防職員への付与については、極めて慎重であるよう求めてきた同会の意見などを「全く無視」したもので、「十分かつ慎重な検討が必要」だと強調。また、全国の消防長で組織する全国消防長会も同日、素案について、消防職員に対しこれまで全く議論されてこなかった協約締結権まで唐突に付与するなど「極めて遺憾」で、断固抗議し除外を強く求めるとする意見書を同相あてに申し入れた。

2012年06月08日発行(第3640号)

地域が実情に応じ選択可能な大都市制度に―全国知事会等
周辺自治体にも留意を、地制調小委が大都市制で六団体ヒア

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は五月三一日、総務省内で会合を開き、大都市制度見直しの論点案について地方六団体からヒアリングするとともに、前回までの意見を踏まえて修正した論点案を審議した。ヒアリングで全国知事会などは地域が実情に応じて選択可能な大都市制度を求め、知事会は指定都市が主張する特別自治市構想を「賛成意見は全くない」と否定する一方、東京以外に特別区を置く制度は「問題ない」と評価。一方で都道府県から指定市への権限移譲については現行の事務処理特例の活用などで対応する考えを示した。また、全国市長会などは大都市制度見直しに伴う周辺自治体への影響に留意し、検討するよう要請。全国町村会などは小規模自治体等のあり方も議論が必要になる点を強調し、住民目線での議論を求めた。



2012年06月15日発行(第3641号)

出先機関改革法案、市町村の意見反映へ県と「協議の場」
政府地域主権戦略会議・アクションプラン推進委員会が了承

 政府の地域主権戦略会議・アクションプラン推進委員会(委員長・川端達夫総務相)は八日、国の出先機関事務の特定広域連合等への移譲法案を了承した。法案は、出先機関の管轄区域を包含する特定広域連合等に対し、地方整備局、経産局、地方環境事務所の三機関の事務等を移譲することを明記。併せて、地震等の非常事態の際には国が同連合に職員派遣などの協力を「要請」できるとともに、同連合には協力の応諾義務を課した。さらに、行政効率化のため同連合の構成自治体に事務権限の「持ち寄り」の努力義務も課した。一方、市町村の意見反映では、同連合が「事務等移譲計画」を策定する際に「あらかじめ市町村の意見を聴く」ことを法制化。さらに、政府が同連合と市町村関係者による「協議の場」設置を要請するとしている。政府は一五日の閣議決定を目指したが、与党の反発を受け引き続き調整する。



2012年06月22日発行(第3642号)

自動車取得税、重量税は消費税率8%への引上げ時までに抜本見直し
社会保障と税の一体改革関連法案修正で合意―民主、自民、公明3党

 民主、自民、公明三党は一五日、消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の修正について合意した。三党実務者が都内で税制と社会保障の分科会をそれぞれ開き、政府提出七法案と、自民党が社会保障制度改革の対案として示した法案の修正で確認書を交わし、協議は決着。消費税率(国・地方)を二〇一四年四月に八%、一五年一〇月に一〇%に引き上げ、五%増税分の国と地方の配分割合を国三・四六%、地方一・五四%とするなどの消費税率・地方消費税率などに変更はない。ただ自動車取得税と自動車重量税は八%への引上げまでに抜本的に見直すとした。また、社会保障部分は民主党が目指した総合こども園の創設を見送るなど子ども・子育て関連法案を大幅に修正。民主党がマニフェストに掲げた後期高齢者医療制度の廃止についても、自民党が提案した「社会保障制度改革国民会議」で結論を得ると棚上げされた。



2012年06月29日発行(第3643号)

条例制定着手済み自治体の56%が独自基準を設定、基準別で取組みに濃淡も
義務付け・枠付け見直しの条例委任施行で内閣府が調査

 義務付け等見直しの一次、二次一括法等により、今年四月から保育所の設備・運営基準など「施設・公物設置管理基準」等が条例委任されたが、条例制定に着手した団体のうち、五六%が国の示す基準と異なる地方独自の基準を制定したことが二五日、内閣府のまとめで明らかになった。ただ、都道府県、指定都市、中核市では七〇~九五%が独自基準を定めていたのに対し、一般市町村では五五%にとどまる。また基準別でも、独自基準を定める団体の割合が「公営住宅入居基準」で六六%、「保育所設備・運営基準」で六二%と比較的高い一方、「一般廃棄物処理施設の技術管理者資格基準」などの四基準では三~一一%にとどまるなど取組みに濃淡も出ている。

2012年07月06日発行(第3644号)

大阪都構想実現新法案、共同提出で大筋合意―与野党5党
都以外でも特別区設置可能に、「税源配分」など3項目は国との事前協議義務付け

 民主、自民、公明、みんな、国民新の与野党五党は六月二八日、橋下徹大阪市長の掲げる「大阪都」構想の実現に向けた新法案を今国会に共同提出することで大筋合意した。東京都以外の道府県に特別区設置を認め、税源配分など三つの項目に限定して国との事前協議規定も設ける。ただ、特別区への再編対象となる市町村域は、指定都市を含め総人口二〇〇万人以上としていたが、三日の協議では、指定市と隣接していない市町村も対象に含めるかなどで合意できなかった。対象範囲などを詰めた上で近く正式合意を目指す。一方、第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は六月二七日、大都市制度の今後の論点を決めるとともに、指定市制度などを審議。各市の行政区長への事務委任状況や住民自治組織の設置状況などが報告された。

2012年07月13日発行(第3645号)

地方法人特別税、「廃止等を基本として検討」―全国知事会地方税財政特委
地方税財政有識者研究会を設置、共有税や財源調整検討へ

 全国知事会の地方税財政特別委員会(委員長・石井隆一富山県知事)は五日、社会保障と税の一体改革関連法案の今国会での成立などを求める「地方税財源の確保・充実等に関する提言案」を概ねまとめた。一九、二〇日に香川県で開く全国知事会議で決定する。暫定的に地方税を一たん国税化し、地方に再配分している「地方法人特別税」については、偏在が少なく安定的な地方税体系が確立された際に、その廃止等を基本に検討すべきとの表記にとどめた。一方で、地方法人課税の見直しにより税源偏在を是正すべきとし、「地方共有税」の創設や、地方税を地方の共通財源として調整する仕組みの検討も提言した。いずれも東京都などが反対したが、石井委員長が「大局的判断」を要請。また、同委の下に、それらを検討する有識者研究会を置く提案にも、東京都が共有税などを最初から検討事項に掲げることに反対したが、税財政研究会として設置することになった。委員五名程度で、今年度は法制上の課題を検討。来年度に提言をまとめる予定。

2012年07月20日発行(第3646号)

協議の場、税財政など分野別分科会を―全国知事会

 全国知事会の地方分権推進特別委員会(委員長・古川康佐賀県知事)は一二日、政府が今夏に策定予定の「地域主権推進大綱」(仮称)への提言案をまとめるとともに、義務付け・枠付けの第四次見直しに向けた七〇条項の提案事項を概ねまとめた。一九、二〇日に香川県で開く全国知事会議で決定。提言案では、大綱の策定は「国と地方の協議の場」を経るよう求め、大綱策定後は政治主導で改革を推進するよう求めた。併せて「協議の場」について地方税財政や社会保障などの分野別分科会を設置することも提案した。一方、義務付け等見直しの提案は、四割弱がこれまでの地方要望の積み残し等で、都市計画区域整備方針等の大臣協議廃止や農地転用の権限移譲などを改めて盛り込んだ。


2012年07月27日発行(第3647号)

復興、防災、円高・経済・雇用、地域主権などで提言、決議
原発提言は議論百出再調整へ
香川県で全国知事会議開催

 全国知事会議が一九、二〇の両日、「日本再生」をテーマに香川県内で開かれ、(1)東日本大震災からの復興促進(2)地方税財源の確保・充実(3)一括交付金の来年度制度設計(4)子ども・子育て支援施策充実―を求める四本の提言や、(1)地震・津波防災対策の充実強化(2)計画停電の回避―を求める二本の緊急提言を決定。一括交付金では、経常補助金は対象外とするよう明確に求めた。併せて、(1)地域主権改革について、国と地方の協議の場の分科会活用などを求める要請(2)日本再生デザインの中間報告(3)総選挙を睨み各政党の政権公約への評価基準となる「日本再生十二箇条」―の三点もまとめるとともに、(1)円高・地域経済・雇用対策(2)今後の医療保険制度のあり方(3)地球温暖化防止に向けた森林吸収源対策の推進―に関する三つの決議も決定。また、当初予定になかった(1)「オスプレイ」の配備・飛行訓練(2)拉致問題の早期解決―に関する二件の緊急決議も決めた。ただ、原子力発電所について「原子力規制委員会」の早期設立などを求める提言案を巡っては、廃炉の工程表を求める意見など議論百出で、大筋了承されたが改めて決定することになった。

2012年08月03日発行(第3648号)

義務付け等第4次見直へ具体的提案を提出―全国知事会、市長会、町村会、町村議長会
政府、近く各省に検討を正式要請、秋に地域主権戦略会議に報告へ

 全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国町村議会議長会は七月二四日、義務付け・枠付けと権限移譲の第四次見直しに向けた具体的提案を内閣府に提出した。昨年一一月の閣議決定で、今回の見直しは地方の提案を受けて検討するとされたことを受け、四団体は提案項目でみても、教育委員会の設置選択制など延べ一百数十項目を提案。新規提案も少なくないが、都市計画決定の関与廃止や農地転用許可権限の移譲など従来から要請している項目も目立つ。政府はこれを受けて近く各省に正式に検討を求め、調整・議論を経て今秋の地域主権戦略会議に報告する方針。

2012年08月10・17日発行(第3649・50号)

権限移譲、第三者判断可能な制度を問題提起―斎藤誠東大教授
第30次地制調小委が都区制度で「検討の視点」 

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は三日、大都市制度のうち、都と特別区制度について、「検討の視点」に基づき審議した。「検討の視点」では、特別区の区域のあり方や都区財政調整制度の有効性などを提示。委員からは財政調整など現行都区制度は限界にきているとし、抜本的に検討すべきとの意見や、二三区の自主的再編を促進する方策を検討すべきとの提案も出た。また、都から単体の区への権限移譲について、区の申請を要件に第三者的判断が可能な制度も問題提起された。

2012年08月24日発行(第3651号)

社会保障と税の一体改革法が成立
15年10月に消費税率5%引上げ、その1・54%相当を地方に  

 消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連八法は一〇日の参院本会議で、与党と自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。関連法は民主、自民、公明三党が修正合意したもので、現在五%の消費税率を二〇一四年四月に八%、一五年一〇月に一〇%に引き上げ、五%増税分の地方の配分割合を一・五四%とする。後期高齢者医療制度の廃止などの社会保障制度改革は民・自・公三党の修正合意により、新設する国民会議の議論に委ねられた。ただ、これに先立つ八日、三党党首は法案成立後、「近いうちに国民に信を問う」ことを確認。関連法附則では「経済状況の好転」が増税条件とされている。地方六団体は成立を受けて一〇日、成立を評価する一方、国民会議への意見反映や国と地方の協議の場での議論を求める声明を発表した。



2012年08月31日発行(第3652号)

改正自治法、大都市特別区設置法が成立
政務調査費の名称変更・使途拡大、「都構想」実現は難航も 

 専決処分の見直しなど地方自治法改正案と、大都市地域の特別区設置法が二九日の参院本会議で、民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決、成立した。自治法改正は、民主党政権発足以来の抜本見直し議論が結実したもので、阿久根市などでの混乱への対応策が中心だったが、自民党がまとめた政務調査費の名称変更・使途拡充などが与野党修正案として盛り込まれた。大都市特別区法は、一〇指定都市が対象となるが、実質は「大阪都」構想を実現するための手続きを定めたもの。これを受けて、大阪府・市では「都構想」の具体化に向け作業を加速するが、特別区の区割りをはじめ大阪府・特別区の事務権限配分、財政調整などで難航も予想される。(3、4面に関連記事)

62012年09月07日発行(第3653号)

地方交付税執行抑制、市町村に配慮を―山田全国知事会長
社会保障や地域主権等巡り国と地方の協議の場

 「国と地方の協議の場」が八月三〇日、首相官邸で開かれ、社会保障制度改革や地域経済・雇用対策、地域主権推進大綱を巡り政府と地方六団体代表が意見交換した。六団体は地域主権推進大綱の早期策定を求める要請書や、雇用創出基金の継続などを求める要請書を提出。協議でも、社会保障制度改革国民会議への参加などを求めるとともに、特例公債法案未成立に伴う地方交付税の執行抑制について、財政力の弱い市町村等への配慮を求めた。政府側は推進大綱の素案作成作業に入る考えを示すとともに、執行抑制については安住淳財務相が、交付税も対象となるものの、財政運営に配慮する考えを示した。


2012年09月14日発行(第3654号)

地方共同税、地方共有税、消費税と地方法人課税の税源交換を検討―全国知事会
有識者研究会を発足、山田会長は共同税に意欲

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は七日、地方の税源偏在是正方策を検討するため、有識者らによる「地方税財政制度研究会」の初会合を開いた。社会保障と税の一体改革関連法などを踏まえ、①国の消費税と地方法人課税の税源交換②国の一般会計を通さず特別会計に直入する「地方共有税」③地方税の一部を地方の共通財源として調整する「地方共同税」―などを検討。今年度は法制上の課題を中心に中間報告を、来年度中に報告を取りまとめる。山田会長は会合前の記者会見で、税源偏在是正を「交付税に頼っている時代ではない」と述べた上で、共同税構想を検討・打ち出し、国に求めていく決意を表明した。




2012年09月21日発行(第3655号)

国と地方の協議の場、法案提出前に必要だが開催時期一致せず―総務省
臨時国会への法案提出改めて言明―川端総務相
地方公務員の労働基本権で有識者会議発足

 総務省は一二日、地方公務員の自律的労使関係制度に関する会議(座長・渡辺章(財)労委協会理事長)の初会合を同省内で開いた。執行三団体の反対などで通常国会に法案提出できなかった非現業職員に協約締結権を付与するなどの改革について、自治体労使の意見も改めて聴きながら有識者で議論し、成案を得るため設置した。川端達夫総務相は会合で、一〇月にも召集される臨時国会への法案提出を目指す考えを改めて言明。執行三団体が求める企画立案段階からの「国と地方の協議の場」については、三輪和夫公務員部長が、法案提出前には開催が必要との認識を示す一方、開催時期については地方側の要請も具体的ではなく、一致していないと説明した。



2012年09月28日発行(第3656号)

税源偏在是正へ地方法人課税見直し、地方法人特別税は廃止含め検討
1年以内に結論、総務省が有識者検討会初会合

 総務省は二〇日、「地方法人課税のあり方等に関する検討会」(主宰・神野直彦地方財政審議会会長)の初会合を開いた。社会保障と税の一体改革関連法などを受け、税源偏在を是正する地方法人課税の見直しとともに、偏在是正の暫定措置として法人事業税の一部を国税化・地方に再配分している地方法人特別税は廃止を含めて見直す。川端達夫総務相は消費税率が八%に引き上げられる二〇一四年四月までに見直し案を明らかにする必要性を強調。神野会長は同月から見直しが実施できるよう、一年以内をめどに取りまとめを行う考えを示した。

2012年10月05日発行(第3657号)

大阪府区の財政調整原資に「交付税追加」などを問題視―辻委員ら
大阪に特別区設置した場合の「検討の視点」を審議―地制調

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は九月二六日、先に成立した大都市地域特別区設置法を踏まえ、仮に大阪に特別区を設置する場合の「検討の視点」を審議した。同「視点」では、大阪府と特別区の事務分担や税源配分・財政調整などを提示。地方交付税算定を現行の都区合算制度と同様にするのかや、財政調整の原資として東京における「調整三税」以外に何らかの財源を必要とするのかなどが示された。なお、大阪府・市による協議では調整三税以外に交付税、事業所税、都市計画税を加えることも検討されているが、委員からは交付税を調整財源とすることや、基準財政需要の増加を問題・疑問視する指摘が出た。


2012年10月12日発行(第3658号)

関連法案、「地方との合意ない限り閣議決定は行えない」―全国知事会の石井委員長が表明
総務省の地方公務員の自律的労使関係会議が知事会からヒア

 総務省の地方公務員の自律的労使関係制度会議(座長・渡辺章(財)労委協会理事長)は三日、同省内で会合を開き、地方公務員への協約締結権付与などの政府案について全国知事会からヒアリングした。知事会は改めて、地方の意見を反映した改革案としなければ反対だと表明。企画立案段階から国と地方の協議の場で協議するよう求め、知事会など地方との「合意がない限り関連法案の閣議決定は行えない」との認識を強調した。有識者委員からは協約締結権を付与しても「それほど混乱しないのでは」など首長の反発を杞憂とする指摘が多く出た一方で、地方財政制度の改革とセットで考えるべきとの意見も出た。



2012年10月19日発行(第3659号)

当面は実質特別市、指定都市制度改革で県との調整協議会、新裁定制、区の権限強化など提案―地制調小委が取りまとめ案を審議

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一五日、都道府県から指定都市を独立させる「特別市」(仮称)と、指定市、中核市・特例市制度の「とりまとめに向けた考え方」案を審議した。特別市については二重行政完全解消の意義を認めた上で、住民自治などの課題をさらに検討する必要があり、当面は事務・税財源の移譲により実質的な特別市を目指すべきだと提案。指定市制度については二重行政解消のため①県費負担教職員は指定市に一元化など事務等を可能な限り県から移譲②県との事務調整のため首長・議長らによる「協議会」を設置、調停・裁定の仕組みを検討―とした。また、住民自治強化のため、指定市の区について、①区長を特別職化、人事・予算権限を付与②区教育委員会の設置を可能に③市議会に区を単位とする常任委員会を設置―なども提案。中核市・特例市については両制度の統合や選挙区設置の制度化を打ち出した。



2012年10月26日発行(第3660号)

「推進大綱」、地方と協議の上、政治主導で策定を―全国知事会
地域主権改革推進で樽床総務相、細野民主党政調会長に申入れ

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は一八日、「『日本再生』に向けた地域主権改革の推進」を求める要請書をまとめ、古川康地方分権推進特別委員長(佐賀県知事)が総務省内で樽床伸二総務相に、議員会館で民主党の細野豪志政策調査会長にそれぞれ会い、手渡した。要請では、国と地方の協議の場の積極活用などを盛り込んだ「地域主権推進大綱」を地方との協議の上で政治主導により策定するよう提言。「質」の充実を伴う義務付け・枠付けの見直しも盛り込むよう求め、特に教育委員会の選択制や暴力団排除の条例委任を強調した。

2012年11月02日発行(第3661号)

消防職員含め協約締結権付与を肯定―総務省有識者会議
地方公務員の自律的労使関係で報告書案
政府、臨時国会に関連法案提出へ

 総務省の地方公務員の自律的労使関係制度会議(座長・渡辺章(財)労委協会理事長)は一〇月二六日、地方公務員に協約締結権を付与する政府の改革案について、付与が直接労使関係に「悪影響を与えるとは言えない」とする報告書案を概ねまとめた。地方側が強く反対する消防職員への付与も優秀な人材の確保などに資すると肯定。一方で首長らの不安に対応する努力を続ける必要性も指摘したが、地方団体が求める「国と地方の協議の場」への直接の言及はない。ただ、総務省も法案提出前には協議の場の開催が必要としているが、近く正式決定される報告書を踏まえ、臨時国会に関連法案を提出する方針。

2012年11月09日発行(第3662号)

特例公債法案、一日も早い成立へ決意―政府主催全国知事会議で野田首相
自動車取得税は地方財政に配慮、一般財源総額の確保も明言

 政府主催の全国知事会議が二日、首相官邸で開かれた。山田啓二知事会長(京都府知事)は国と地方がいがみ合っては日本再生はできないと強調し、国と地方の協議の場の活用を求めるとともに、特例公債法案について遺憾の意を表明した上で早期成立を要請。野田佳彦首相も日本再生に国と地方が車の両輪になって取り組むことが不可欠との認識を示し、地方公務員の自律的労使問題での協議の場の活用を約束するとともに、(1)特例公債法案の一日も早い成立に与野党知恵を出して結論を出す(2)二〇一三年度地方財政は社会保障の自然増分を含め一般財源総額を一二年度地方財政計画水準を下回らないよう確保する(3)自動車取得税等見直しは安定的財源を確保した上で地方財政へ配慮する―考えを表明した。



2012年11月16日発行(第3663号)

「政務活動費」で参考条例作成―議会三団体
使途、要請、陳情活動費にも拡大、透明性確保へ議長が収支報告書調査

 都道府県、市、町村の各全国議長会はこのほど、政務調査費から名称、使途などが改正された「政務活動費」について、各議会の参考となるよう、モデル条例をそれぞれまとめた。三団体のモデル条例はほぼ同様の内容で、使途に新たに、議員らが要請、陳情活動を行うための経費等を規定。議長が必要に応じて収支報告書の調査を行う規定なども盛り込んだ。


2012年11月23日発行(第3664号)

マイナンバー制度、導入スケジュール見直しへ―政府
関連法案が衆院解散で廃案に、近く計画変更通知

 政府は、社会保障や税分野などで新たな番号制度を導入する「マイナンバー」関連法案が衆院解散に伴い廃案となったことを受け、二〇一五年一月から番号利用を開始するなどのスケジュールを見直す方針を固めた。総務省の大石利雄総務審議官は全国市長会の会合で、全体スケジュールが一年程度遅れる可能性に懸念を表明。内閣官房の担当参事官も市長会会合で、民・自・公の三党が導入賛成のため法案内容に大幅な変更はないものの、提示済みの「導入に向けたロードマップ」を見直し、近く自治体に通知する方針を示した。


2012年11月30日発行(第3665号)

衆院選各党政権公約・マニフェスト評価へ申入れ―全国知事会
道州制など採点、実現可能性などで最大50点の減点も

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)はこのほど、衆院選に向けた各政党の政権公約・マニフェストについて(1)「国と地方の協議」の活用など六項目を柱とする要請書(2)配点など評価基準(3)道州制と六項目の考え方を明確にさせる各「確認事項」―をまとめ、各党への申入れを始めた。評価基準では、一〇〇点満点を復興に二〇点など各項目に配点する一方で、道州制を掲げる場合の実現可能性などにより最大五〇点の減点も行うとした。「確認事項」のうち、道州制では税財政制度を含めた一極集中防止・格差是正の具体策などを明確にするよう要請した。各政権公約と知事会への回答を担当特別委員会の委員知事が評価し、一二月二日に評価結果を公表する予定。

2012年12月07日発行(第3666号)

各党政権公約を採点・評価、自民がトップ、民主、公明、日本維新の順―全国知事会
自民は出先機関改革反対で減点も最大に

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は二日から三日にかけて、一二政党の衆院選政権公約の採点・評価結果を発表した。最高得点は自民党で、僅差で民主党が続き、公明党、日本維新の会などの順。自民は国の出先機関改革への反対が不安視され減点も最も大きかったが、災害対応や地域経済活性化で高評価。ただ道州制に関する回答の中で、基礎自治体の事務や組織を基礎自治体と協議の上で「道州において決定」する考え方を示した。日本維新については知事の間で評価が極端に分かれたという。山田会長は両日ともに声明を発表し、前回総選挙時よりも実現可能性の高い政権公約が示されたと評価。自民の出先反対に遺憾の意を表明した上で、各党に対し、選挙後も地方分権の推進に邁進するよう期待するとした。

2012年12月14日発行(第3667号)

地方法人特別譲与税を廃止、税で復元せずに交付税原資に―持田東大大学院教授
総務省地方法人課税検討会が有識者ヒア開始

 消費増税も争点となった衆院選が佳境を迎える中、地方法人特別税等の廃止も含めた見直しを進める総務省の「地方法人課税のあり方等に関する検討会」(主宰・神野直彦地方財政審議会会長)が有識者からのヒアリングに入った。有識者からは、地方法人特別譲与税を廃止し、地方税として復元せずに交付税原資とする提案が出たほか、地方消費税の充実、法人事業税の付加価値割の充実、地方法人二税全ての外形標準課税化などの考え方が示された。検討会は今後も全国知事会や学識者からのヒアリングを行い、同省は消費税率が八%に増税される予定の二〇一四年四月までに見直し案をまとめる考え。




2012年12月21・28日発行(第3668・69号)

事務処理特例制度、第三者機関的要素加味などルール化が必要―泉・明石市長
地制調小委、大都市制の中間報告素案で地方六団体ヒアリング

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一三日、年内にまとめる大都市制度の中間報告素案について、地方六団体からヒアリングした。素案で事実上先送りした特別市制度については、全国知事会と全国都道府県議会議長会が否定的見解を示す一方、指定都市市長会は引き続き検討するよう要請。全国町村会などもその意義を認める一方で、税収集中などによる周辺自治体への影響に懸念を示した。素案に盛った事務処理特例の活用を巡っては、全国市長会が都道府県と市町村は実質対等関係になく使いづらいと指摘し、第三者判断の要素を加味するなどルール化の必要性を強調した。


2013年01月04・11日発行(第3670・71号)

県から指定市への権限等移譲で実質「特別市」化、今夏の答申に盛込みへ
第30次地方制度調査会専門小委員会が大都市制度で中間報告

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は一二月二〇日、大都市制度の中間報告をまとめた。「素案」を概ね踏襲し、「特別市」創設は見送り、実質的に近づけるための指定都市への権限・財源移譲や、都道府県との間の協議会、裁定等の仕組みの創設、区長特別職化など区の権限強化策などを提案。道府県の特別区設置での留意点や中核市と特例市の統合なども掲げた。今夏にまとめる答申に盛り込む。

2013年01月18日発行(第3672号)

3セク等改革債、財政支援法人の半数が「方針未定」―総務省調査
財政負担リスク、8割が議会に説明せず

 経営悪化した第三セクター等の整理・再生を進めるため、二〇〇九~一三年度まで「第三セクター等改革推進債」の活用が可能だが、地方自治体が財政的支援を行っている約二千法人のうち、約半数は検討中など依然「方針未定」で、このうち財政リスクを含めて地方議会に説明しているのはその五%に満たない実態が総務省のまとめで分かった。「存続」など対応方針を決めている法人を含めても、全体の八割が財政リスクを議会に説明しておらず、責任問題回避のため改革を先送りしているとの指摘も出ている。三セク債の活用期限が迫る中、同省は改革を先送りせずに取り組むよう求めるとともに、財政負担のリスクなどを議会や住民に説明するよう各都道府県あてに通知した。

2013年01月25日発行(第3673号)

地方公務員給与削減を改めて要請、行革努力反映など三原則提示
新藤総務相、地方六団体との会合で

 総務大臣と地方六団体会合がニニ日、都内で開催された。その中で新藤義孝総務相は改めて、国の給与削減に合わせて地方公務員給与の削減に協力するよう要請、地方六団体側は、国を上回る地方の人件費削減努力を無視しているなどと批判した。新藤総務相は、(1)実現不可能なことは求めない(2)単なる国の財政再建のために実施しない(3)行革努力を反映する―との方針を示したが、自民党の政権公約「公務員総人件費の削減」を具体化するだけに地方の給与削減は避けられそうにない。詳細は二七日の総務・財務両大臣折衝による地方財政対策で決着させる。



2013年02月01日発行(第3674号)

国並みの給与削減を7月から実施へ交付税配分額を0・4兆円減に―2013年度地方財政対策が決着
地方一般財源は59・8兆円で前年度微増を確保
給与費削減見合い額を地方歳出の特別枠に計上、「元気づくり事業」は行革努力反映し算定

 二〇一三年度の地方財政対策が一月二七日、新藤義孝総務相と麻生太郎財務相の閣僚折衝で決着した。焦点だった国並み(七・八%減)の地方公務員給与削減は、七月から同年度限りの措置として、地方公務員の給与費を約〇・八五兆円削減することで合意。これらの結果、交付税総額(出口ベース)は前年度比〇・四兆円減の一七・一兆円となった。交付税配分額が前年度を下回るのは六年振り。一方で、給与費削減に見合う〇・八五兆円の事業費を、地方財政計画の歳出に計上し、うち「地域の元気づくり事業費」(〇・三兆円)では、各自治体のこれまでの行革努力に応じて算定する。一般財源総額は地方税の増を見込むなどし、五九・八兆円と前年度比〇・二%増を確保した。(4面に関連記事、資料)

2013年02月08日発行(第3675号)

ラスパイレス指数を尺度に国並みの給与削減実施説明を
2013年度地方財政対策で都道府県等担当者説明会―総務省
給与削減の交付税影響額試算式や、行革努力反映の算定方法案も提示

 総務省は一月三一日、二〇一三年度の地方財政対策を巡る都道府県等の担当者への説明会を開き、国並みの給与削減要請についてラスパイレス指数を尺度に引下げを行うよう求めた。同時に、給与削減による各団体の基準財政需要額への影響額が試算できる簡易推計式を示すとともに、各団体のこれまでの給与削減など行革努力を反映させる「地域の元気づくり事業」について、地域活性化やラス指数、職員数削減の要素を加味して算定する考え方を示した。基準財政需要額(公債費・事業費補正除く)の推計参考伸率も示し、前年度当初算定比で道府県分は二・〇%の減、市町村分は〇・五%の減とした。(4面に資料)


2013年02月15日発行(第3676号)

国の給与削減反映したラスパイレス指数は107・0、100超え部分の引下げを―総務省
非反映指数も公表、削減の考え方説明で都道府県等総務部長会議開催

 国家公務員の時限的な平均七・八%の給与カットを反映した二〇一二年のラスパイレス指数は一〇七・〇で、九年振りに地方公務員給与が国を上回り、国の削減を反映しない場合の参考値九八・九との差は八・一ポイントであることが八日、総務省が公表した二〇一二年四月一日現在の地方公務員給与実態調査結果で明らかになった。ラス指数が一〇〇を超えた自治体は全体の九割弱に上る。同省は一三日に都道府県総務部長等会議を開き、給与削減要請の詳細を提示。ラス指数が一〇〇を超える部分について、参考値または一〇〇の水準まで引き下げるよう求めた。


2013年02月22日発行(第3677号)

方針決定など進捗状況を随時調査・公表、減額実施確認調査も検討―総務省
ラス指数100未満の減額求めない方針も明示、公務員給与削減で総務部長会議開催

 総務省は一三日、省内で地方公務員給与削減要請に関する都道府県等総務部長会議を開き、七月から国に準じた給与減額を行うよう改めて求めるとともに、削減要請の詳細を示す「基本的な考え方」を示した。国の給与削減を反映した二〇一二年度のラスパイレス指数一〇七・〇と、反映しない場合の参考値九八・九との差を解消する形での削減を求めたが、一〇〇を下回る部分の減額までは求めない考えを明示した。併せて、国に準じた各種手当の減額も要請。同省は二月以降、方針決定や条例提案など各団体の進捗状況を随時調査・公表する方針で、減額が実施されたかを確認するための給与水準調査も年度内に行う方向で検討していることも明かした。

2013年03月01日発行(第3678号)

道州制基本法案、今通常国会への提出、成立目指す―自民党道州制推進本部
野党との共同提案も視野、衆院選後初の総会で地方議員出身新人から慎重論も

 自民党は二月二一日、衆院選後初となる道州制推進本部(今村雅弘本部長)の総会を党本部で開いた。昨年まとめた道州制基本法案の骨子案に前文を追加。会合では、地方議員出身の新人議員らから慎重論も出たが、今村本部長は会合後の記者会見で、道州制導入に前向きな野党との共同提案も視野に、今通常国会への提出、成立を目指す考えを表明。出席議員には概ね推進すべきとの意見が強かったとの認識を示す一方で、今後、自治体関係者からのヒアリングを実施していく考えも示した。(4面に発言要旨)

2013年03月08日発行(第3679号)

基準財政需要額、個別算定経費は道府県分が3・0%減、市町村分は0・0%増―総務省
来年度予算で都道府県財政課長等会議、補正予算の元気交付金の活用要請

 総務省は四日、省内で全国都道府県財政課長等会議を開き、二〇一三年度の地方財政の見通し・留意点をまとめた事務連絡を示すとともに、佐藤文俊自治財政局長らが説明した。来年度の普通交付税について、基準財政需要額の伸び率は、個別算定経費では道府県分が三・〇%程度の減、市町村分は〇・〇%程度の増、包括算定経費はそれぞれ二・五%、三・五%程度の減となる見通しを提示。佐藤局長らは、国並みの給与減額により地方交付税が減少する一方で、一般財源を前年度同水準確保したことを強調したほか、今年度補正予算に計上した地域の元気臨時交付金の積極活用などを求めた。

2013年03月15日発行(第3680号)

義務付け・枠付け第4次見直しを閣議決定、4月に新一括法案提出へ―政府
全閣僚で構成する地方分権推進本部を設置、近く有識者会議も発足

 政府は一二日の閣議で、義務付け・枠付けの第四次見直しを決定した。八日の閣議で、安倍首相を本部長に全閣僚で構成する「地方分権改革推進本部」の設置を決めるとともに、同日開いた初会合で、同見直しを決めていた。併せて、初会合後に記者会見した新藤義孝総務相は、近く同相の下に学識者や自治体関係者による「有識者会議」を設置し、今後の地方分権の進め方などを議論する方針も明らかにした。第四次見直しには、地方青少年問題協議会の委員資格要件の廃止や、県費負担教職員給与の指定都市への移譲検討など五七項目を盛り込んでおり、政府は、衆院解散で廃止となった第三次見直し分と併せて新一括法案を四月に国会提出する方針だ。


2013年03月22日発行(第3681号)

地方交付税合併算定替え、「さらなる延長は困難」―新藤総務相
衆院本会議で明言、消費税の地方税化には「極めて慎重な検討必要」

 新藤義孝総務相は一四日の衆院本会議で、平成の大合併を推進するための地方交付税の合併算定替えを巡り、来年以降特例期間が終了する市町村が出てくることについて、「さらなる延長は難しい」と明言した。日本維新の会などが主張する消費税の地方税化については、地方に社会保障の大きな負担と地域間格差を生じさせかねず、慎重な検討が必要とした。地方交付税を巡る巨額の特別会計借入金と臨時財政対策債残高については、抑制や償還に努力する考えを示すにとどめ、二〇一四年度以降の財源不足対応についても「改めて検討する」と述べるにとどめた。


2013年03月29日発行(第3682号)

「臨時特例企業税条例は違法で無効」、全額返還を命令―最高裁
神奈川県が逆転敗訴、約1700社に635億円返還へ

 神奈川県が二〇〇一年に独自に制定した臨時特例企業税条例は地方税法に違反しているとして、いすゞ自動車(東京都品川区)が納付済みの特例企業税など計約一九億円の返還を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は二一日、課税は違法・無効と判断し、県側勝訴とした東京高裁判決を破棄、いすゞに全額を返還するよう命じた。自治体の法定外税について、最高裁が違法と判断したのは初めてとみられる。判決を受けて同県は、返還対象となる約一、七〇〇社から徴収した約四八〇億円に、利息を加えた六三五億円を「速やかに返還」する方針。黒岩祐治知事は同日、県庁内で記者団に対し、地方分権の流れに逆行する判断だと強く批判、他県の知事からも同情の声が漏れた。

2013年04月5日発行(第3683号)

定住自立圏構想、法制化で手続き一本化、財政措置を拡充―総務省
地制調小委に検討要請、広域連携の「調整の仕組み」も論点に

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は三月二八日、基礎自治体の広域連携のあり方などを議論した。その中で総務省は、中心市と近隣市町村が協定を結び、圏域全体として必要な生活機能を確保する「定住自立圏」構想を巡り、地方自治法に位置付けて事務の共同処理手続きを一本化、財政措置を拡充する考え方などについて議論を求めた。委員からは財政措置を充実する場合には法制化が不可欠になるとの指摘の一方、国などの関与が強まり地方分権的特色を変質させるなどの懸念も出た。このほか同省は基礎自治体間の合意形成手続きや合意が実行されない場合の「調整の仕組み」なども論点に示し、委員からも勧告制度や調整手続きなどが提案された。


2013年04月12日発行(第3684号)

小規模町村、都道府県による垂直補完方式確立を―西尾地制調会長
基礎自治体のあり方で「論点」案審議、都道府県への委託柔軟化も

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は五日、基礎自治体のあり方に関する論点案を審議した。論点案では、(1)定住自立圏で共同処理事務ごとに別途規約を定めていること(2)事務の共同処理で自治体間の柔軟な連携を可能とする仕組みと、制度化する場合の調整の仕組み(3)都道府県による補完を促す手法―などを提示。西尾勝地制調会長(東大名誉教授)は小規模町村の事務処理等について、水平的補完で問題が解決されない場合には、都道府県による垂直補完以外に「方法はない」とし、補完方式を確立すべきだと指摘。その際、都道府県に処理体制がないから委託を受けないなどの考え方は捨てさせるべきとの認識を示した。


2013年04月19日発行(第3685号)

事務権限移譲、国の出先機関事務など対象に今夏に結論―政府方針
地方分権有識者会議が初会合、今後の分権改革の方向性は5月に中間報告

 政府は一二日、首相官邸で「地方分権改革有識者会議」(座長・神野直彦東大名誉教授)の初会合を開いた。首相を本部長に、全閣僚で組織する地方分権改革推進本部が「政策検討機能」を担い、九名の有識者から成る同会議が①地方分権改革の総括と今後のあり方②これまでの改革成果が国民に実感される方策③さらなる事務権限等の移譲―などの調査・審議を担う。同会議は、今後の分権改革の方向性について、政府が六月にもまとめる「骨太の方針」への反映を目指し、五月中旬にも中間報告。事務権限の移譲については、まずは国の出先機関事務などの都道府県への移譲について検討し、夏頃に一定の結論を得る方向となった。




2013年04月26日発行(第3686号)

道州制、基礎自治体や国の姿など明確化へ7月の愛媛知事会議で意見集約―全国知事会
全国市長会、全国町村会とも連携、知事会議で与党案にほぼ懸念一色

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は四月二二日、都内で知事会議を開き、新会長に山田会長を正式に再任するとともに、自民、公明両党が今国会への基本法提出を目指す道州制などを巡り協議した。知事会は一八日に自民党幹部に対し、道州制下の基礎自治体と国の姿を示すよう迫ったが、知事会議でも「市町村合併を隠している」などと批判や懸念が続出。これらを含めて道州制に関する知事同士の議論を深め、七月に愛媛で開く知事会議で意見集約する方向で一致した。山田会長は、市町村の再編などがぼやかされたままでは道州制の賛否は問えないと指摘し、明確化させるよう全国市長会や町村会とも連携していく考えを表明した。



2013年05月03・10日発行(第3687・88号)

産業・雇用などテーマごとに専門部会を設置―政府地方分権改革有識者会議
中間報告試案を議論、今月中旬に取りまとめへ

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は四月二六日、都内で第二回会合を開き、今後の分権改革の方向性を示す中間報告の試案を議論した。「ミッション」に「個性を活かし自立した地方をつくる」を掲げ、実現手法として、産業・雇用などテーマごとの専門部会での検討を提案。神野座長と試案をまとめた新藤義孝総務相も、実現性の観点から専門部会の意義を強調したほか、道州制に関する政府の新たな組織を検討していることも示唆した。中間報告は五月一五日の次回会合でまとめる予定。

2013年05月17日発行(第3689号)

道州制基本法骨子案に懸念、注文、慎重意見相次ぐ―地方六団体
議論の期限設定にも異論、自民推進本部がヒアリング

 自民党の道州制推進本部(今村雅弘本部長)は八、一五の両日にわたり、都内・党本部で役員と地方六団体との意見交換を行った。同党がまとめた基本法骨子案などに対し、六団体からは懸念や注文、慎重意見などが続出。党役員からは骨子案の修正も辞さない考えが示されたが、「検討着手に反対はなかった」とし、今国会への基本法提出を目指す考えも改めて示した。併せて、「強制合併ありきではない」との考えも言明された。

2013年05月24日発行(第3690号)

「雇用対策」と「地域交通」で専門部会―政府・地方分権改革有識者会議
今後の分権改革の基本的考え方(中間報告)も了承、権限移譲の各府省回答は8割で見直し方針

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東京大名誉教授)は一五日、「個性を活かし自立した地方をつくるために」と題する今後の分権改革の基本的考え方(中間報告)をまとめるとともに、重要テーマごとに具体的な議論を行う「専門部会」の設置を了承した。まずはハローワークなどの「雇用対策」と、自家用有償旅客運送などの「地域交通」の二部会を設け、今夏までに一定の結論を出す方針。また、事務・権限の移譲に関する各府省の回答結果も報告され、全体の八割程度で今後見直しを行うとされたが、農地転用など地方が特に移譲を要望した項目では「国に残す」との回答も目立った。


2013年05月31日発行(第3691号)

大都市制度改革と基礎自治体の行政サービス提供のあり方で素案―第30次地制調小委
「柔軟な連携」の仕組み提言、小規模団体等は都道府県による補完を

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は五月二四日、大都市制度の改革と、基礎自治体の行政サービス提供のあり方に関する答申素案を審議した。人口減少と少子高齢化が進む中で、これまでの事務の共同処理方式に加え、「自治体間の柔軟な連携を可能とする仕組み」の制度化を提言。小規模市町村などでは、この仕組みを活用し都道府県による補完を可能にすべきとした。このほか、(1)道府県から指定都市への事務移譲、協議会の制度化(2)人口二〇万で保健所を設置することにより中核市・特例市を統合(3)市町村合併による行政区域広域化を踏まえた財政措置―なども盛り込んだ。地方六団体の意見聴取を経て、六月にも答申をまとめる方針。

2013年06月07日発行(第3692号)

多様な自主選択を評価、垂直補完も容認、合併では削除要請も―地方六団体
地制調小委が答申素案でヒアリング

 第三〇次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・碓井光明明治大大学院教授)は三日、今月中にまとめる大都市制度改革と基礎自治体のあり方に関する答申素案について、地方六団体から意見聴取した。六団体は、素案が基礎自治体を巡り市町村合併や水平連携など多様な選択肢から自主選択可能としたことを総じて評価。ただ町村代表からは合併を「期待するような表現」があるとして削除、修正を求める意見も出た。都道府県による市町村事務の補完については、都道府県や町村代表も概ね容認。事務処理特例制度における第三者機関による裁定などについては、全国市長会が要請したものの、出席首長・議長には不要と示唆する意見も目立った。

2013年06月14日発行(第3693号)

地方財政、「健全化し自立を促進」―政府、「骨太方針」を閣議決定
地方歳出の「特別枠」解消を明記、行革と経済活性化反映の交付税新算定導入も

 政府は一四日の閣議で、経済再生と財政健全化の両立を盛り込んだ「骨太の方針」を決定する。六日の経済財政諮問会議に示した素案では、地方財政を健全化し自立を促進するとし、リーマンショック対応で創設された地方歳出の特別枠解消が必要だと指摘。一方で、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保を明記し、頑張る地方を支援するため地方交付税に行革努力と地域経済活性化の成果を反映させる新算定を一定期間導入することも打ち出した。併せて、地方分権改革の着実な推進も盛り込み、道州制について基本法案の動向を踏まえて必要な検討を進めると明記した。


2013年06月21日発行(第3694号)

大都市制度改革と基礎自治体の行政サービス提供体制で答申―第30次地方制度調査会
自治体間の柔軟な連携を可能にする仕組みの創設提言、都道府県による小規模市町村の事務代行も可能に

 第三〇次地方制度調査会(会長・西尾勝東大名誉教授)は一七日、都内で総会を開き、「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申」をまとめた。人口減少社会でも全国の基礎自治体が持続可能に行政サービスを提供していけるよう、自治体間の柔軟な連携を可能にする仕組みの創設を提言。定住自立圏施策の拡充や、これまで両者に消極論があった都道府県による小規模自治体の事務代行も可能にすべきと提言した。また大阪都構想や特別自治市などの提案があった大都市制度改革については、都道府県から指定市への三五事務などの移譲を進め、「二重行政」を解消する方策を提案。都道府県と指定市間の協議会や、新たな裁定の仕組みの創設なども求めた。このほか中核市と特例市制度の統合なども盛り込んだ。近く安倍晋三首相に提出、政府はこれらを盛り込んだ地方自治法改正案を早期に国会提出する方針。(4面に関連記事)


2013年06月28日発行(第3695号)

義務教育費国庫負担金、国の全額負担含め検討—自民党
参院選公約等を公表、地方行革の推進や総人件費抑制なども

 七月の参院選に向けた各政党の公約が出揃いつつある。衆参の「ねじれ」解消を目指す自民党は二〇日、「公約2013」と「J—ファイル2013—総合政策集」を公表。地方分権改革の断行や道州制の導入を掲げるとともに、(1)地方公務員給与は民間準拠を徹底、地方行革を推進し総人件費を抑制(2)地方公務員の一定の政治活動を規制する地方公務員法改正(3)地方議会議員の職責・職務を法制化—なども打ち出した。また、三位一体改革で国庫負担率を引き下げた義務教育費国庫負担金について、国の全額負担を含めて検討するとした。

2013年07月05日発行(第3696号)

道州制、拙速な導入に注視が必要で「評価できない」—全国知事会
各党の参院選公約を評価

 全国知事会の総合戦略・政権評価特別委員会(委員長・平井伸治鳥取県知事)は二日、参院選挙の各政党の選挙公約評価結果を公表した。今回は政権選択選挙ではないことなどから衆院選時のような点数評価は行わず、五月に行った「申入れ」をメルクマールに、評価できる・できない点などをコメント評価。地方分権改革の推進などを評価する一方、自民、公明、日本維新、みんなの各党が掲げた道州制については、国民的議論が十分行われないまま拙速な導入に至らないよう注視する必要があるとし、いずれも「評価できない」とした。また教育委員会の選択制を公約に掲げていない各党を評価できないとし、掲げたみんなの党を評価した。(4面に関連記事)


2013年07月12日発行(第3697号)

道州制基本法案への「意見」決定、中央省庁の解体再編や市町村が担う役割明示を—全国知事会
愛媛で知事会議、アベノミクス対応で国の行革要請など3本の決議

 全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は八、九の両日、愛媛県松山市内で知事会議を開き、道州制基本法案への「意見」をまとめた。基本法案には、中央省庁の解体再編を含む抜本改革であることや、市町村が担う役割などを最低限明示するよう求め、具体化の際には国会のあり方なども議論が必要になると牽制した。また、アベノミクスに対する「地方の協力の条件」(山田会長)として、①国に行政改革を求める決議②日本再生のための「人づくり」に重点投資を求める決議③地域経済再生の緊急決議—も採択。このほか、①地方分権改革推進の提言②地方税財源確保・充実の提言③原子力発電所の安全対策・防災対策の提言—なども決めたが、教育委員会制度見直しに関する意見案は「選択制」などに疑問が呈され、改めて議論することになった。


2013年07月19日発行(第3698号)

官民連携のプロジェクトモデルを調査・検討—総務省
「定住自立圏の今後」で研究会初会合、自治体の役割に応じた財政措置も検討

 総務省は九日、「定住自立圏構想の今後のあり方に関する研究会」(座長・後藤春彦早稲田大創造理工学部長)の初会合を省内で開いた。第三〇次地方制度調査会の答申で今後の広域連携の柱に据えられたことなどを背景に、各自治体の役割に応じた適切な財政措置の検討や、圏域の都市機能高度化に向けた官民連携によるプロジェクトモデルの調査・検討などを行う。このため今後求められる高次の都市機能などを聞く「中心市」対象のアンケート調査なども実施し、財政措置は来年度予算にも反映、一一月にも中間報告を、年度内に最終報告をまとめる方針。

2013年07月26日発行(第3699号)

都道府県による補完の対象事務や両者間の調整方法など検討—総務省研究会が初会合
地制調答申受け、「地方中枢拠点都市」が担う役割や財政措置なども検討

 総務省は一七日、省内で「基礎自治体による行政サービス提供に関する研究会」(座長・辻琢也一橋大大学院教授)の初会合を開いた。第三〇次地方制度調査会の答申で、超人口減少社会でも全国の基礎自治体が持続可能に行政サービスを提供していくため、「自治体間の柔軟な連携を可能とする仕組み」が提言されたことを受け、地方の中枢拠点都市の役割や財政措置などを検討。小規模市町村等が近隣と協議が調わない場合の広域連携促進方策や、都道府県による補完を行う場合の対象事務の考え方、市町村との調整方法なども検討する。中枢拠点都市や都道府県等からのヒアリングも経て年明けにも取りまとめを行う方針。

2013年08月02日発行(第3700号)

財務書類作成の新基準を策定、活用を要請へ—総務省方針
有識者研究会が中間取りまとめ、複式簿記と資産台帳整備も要請へ

 総務省は七月二五日、地方自治体の標準的な財務書類作成基準を新たに定め、活用を求めていく方針を固めた。現在は同省だけで二種類など複数の基準が存在するが、同省の有識者研究会(座長・鈴木豊青山学院大大学院教授)が同日、財務書類作成の基本部分は統一的扱いにすべきと提言するとともに、複式簿記の導入と固定資産台帳の整備が必要不可欠とする「中間とりまとめ案」を大筋了承。これを踏まえ、二つの作業部会で新基準や資産台帳の整備指針などを具体化、年度末をめどとする最終報告を受け、新基準の活用や資産台帳整備などを要請していく考えだ。

2013年08月09・16日発行(第3701・02号)

財政リスク「対応困難」で存続方針は「問題あり」—総務省が素案
方針未定、なお4割、三セク改革で最新調査結果を報告

 地方自治体が財政支援している第三セクター等のうち、抜本改革を行うか存続させるかなどの方針が定まっていない法人が、なお全体の四割弱あることが七月三一日、総務省の五月三一日現在の最新版調査結果(速報値)で明らかになった。今年度で期限が切れる第三セクター等改革推進債の延長要否などを議論する有識者研究会(座長・宮脇淳北海道大大学院教授)で報告した。昨年の調査時点から一定程度進展したものの、財政リスクに対応困難などとしながら存続方針とする法人も三・〇%ある。これを踏まえ同省は、財政リスクに対応困難としながらも存続を決めたりする法人を「問題あり」などと整理する今後の抜本改革の「素案」を示した。

2013年08月23日発行(第3703号)

中期財政計画と概算要求基準を閣議了解—政府
地方一般財源は前年度同水準に、歳出「特別枠」は解消を、消費再増税に布石も

 政府は八日、当面の財政健全化に向けた中期財政計画と、二〇一四年度予算の概算要求基準を閣議了解した。中期計画では、国・地方の基礎的財政収支(PB)の赤字を二〇一五年度までに半減させるなどの従来目標を維持。達成に向け、一四、一五年度の地方の一般財源総額を一三年度と実質同水準とする方針を示すとともに、リーマンショックの危機対応で創設された地方歳出の特別枠を解消するなど歳入・歳出両面の改革を進めるとした。併せて、二〇年度までにPBを黒字化させるため、社会保障は制度改革を含めた歳出入両面の取組みで財源確保を検討するとし、消費税再増税への布石も打った。

2013年08月30日発行(第3704号)

「早期実施すべき改革」に税源交換3試案—全国知事会研究会
税源偏在是正で報告書、地方共同税は水準超に

 全国知事会の「地方税財政制度研究会」(座長・植田和弘京都大教授)は二二日、地方税制の税源偏在是正方策の方向性を示す最終報告書を概ね了承した。税制抜本改革までの暫定措置として創設された地方法人特別税等について、税源偏在是正策を講じなければ廃止できないと指摘。「早期に実施すべき」是正策として、消費税と地方法人課税の「税源交換」を位置付け、具体策として法人住民税を原資に交付税や地方消費税で再配分するなどの三つの試案を提示。さらに、地方共同税などをナショナルミニマムを上回る部分の偏在是正策に位置付け、「引き続き検討すべき」是正策に整理した。知事会は九月中旬にも正式に公表される報告書を受け、政府に提言する方針。(4面に図表)

2013年09月06日発行(第3705号)

一般財源総額を確保、地方交付税は1・8%減に—総務省概算要求
歳出特別枠は前年度同額で積算、「地域の元気創造プラン」実現予算は大幅増

 総務省は八月三〇日、二〇一四年度予算の概算要求、重点施策集、来年度地方財政収支の仮試算をそれぞれ公表した。一般会計の要求総額は一七・五兆円で前年度比一・八%増だが、交付税(出口ベース)は一六・八兆円で一・八%減とした。歳出でリーマンショック対応の特別枠を前年度同額計上し、公務員給与減額を復元、社会保障の自然増を反映させる一方、歳入では地方税の二・二%増を見込んでおり、来年度の一般財源(水準超経費除き)は一・二%増の五九・七兆円と、中期財政計画に基づき前年度同水準を確保した。成長戦略推進のための「優先課題推進枠」には約四三〇億円計上し、うち「地域の元気創造プラン」の実施に前年度比七〇億円を超える増額を要求した。(4面に関連記事)

2013年09月13日発行(第3706号)

サービス、人員・運営基準などは市町村の裁量に—厚労省方針
国25%などの財源構成は変えず、介護保険「要支援」移行で見直し案

 厚生労働省は四日、「要支援者」への介護予防給付を市町村が行う新たな「地域支援事業」に移行させる見直し案を社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護保険部会で示した。政府の社会保障制度改革国民会議の提言を受けたもので、移行後も介護保険制度内のサービスとして財源構成も変えないとし、現在は法定されているサービス類型や人員・運営基準を市町村の裁量に委ねる方針を示した。併せて、現行の地域支援事業費の「上限設定」の見直しを検討するとともに、移行に一定期間を確保する考えも提示した。委員からは、最低限、現行予防給付と事業費を合わせた予算規模を確保することや、十分な移行期間を求める意見、市町村の力量により地域間格差が生じることへの懸念などが出た。

2013年09月20日発行(第3707号)

三セク債、年度内着手要件に経過措置—総務省研究会
三セクのあり方で中間まとめ、通常国会に地方財政法改正案提出へ

 総務省の「第三セクター等のあり方に関する研究会」(座長・宮脇淳北海道大大学院教授)は一七日、今年度で発行期限が終了する「第三セクター等改革推進債」について、年度内に存廃を含めた抜本的改革に着手することなどを要件に、経過措置を設けるべきとの「中間まとめ」を行った。時限措置であることなどを踏まえ期限を延長しないことが「妥当」とする一方で、林業公社など関係者が多く調整に時間がかかる場合もあるため、必要最低限の特例措置として容認することにした。具体の対象要件や経過措置の期間などは、先行団体との均衡にも配慮し、今後さらに詰める。同省は来年の通常国会を目指し、地方財政法改正案を提出する方針。

2013年09月27日発行(第3708号)

償却資産の固定資産税、堅持求め申入れ—全国市長会、全国町村会
与党、年末に結論持ち越し

 政府の経済対策等を巡り、償却資産に係る固定資産税の減免議論が強まったことを受け、全国市長会は一七日、全国町村会は一八日、同税の堅持などを求める意見・要望を与党幹部に申し入れた。市長会は、国の経済対策のために地方の基幹税を利用するような手法に明確に反対。町村会も地方財政に多大な支障が生じるとし、到底容認できない姿勢を強く訴えた。与党からは地方の要請に理解を示す考え方が多く示されたが、経済関係幹部からは財源補填するので減免を認めるよう逆要請される場面もあった。与党は二〇日までに、結論を年末に持ち越す方針を固めたが、市町村の税収減につながることなどを踏まえ調整を続ける。月内にまとめる税制改正大綱では「検討事項」として位置付ける見通しだ。

2013年10月04日発行(第3709号)

消費税8%と5兆円の経済対策策定を決定—政府
償却資産の固定資産税は年末に結論持越し

 政府は一日夕の閣議で、現行五%の消費税率を二〇一四年四月に八%に引き上げることを確認するとともに、景気の腰折れを避けるため総額五兆円規模の経済対策を一二月上旬に策定することを決めた。経済対策の柱となる一兆円規模の減税措置では、自民、公明両党が同日決めた「民間投資活性化等のための税制改正大綱」に、企業の設備投資を促進する税制の創設や、耐震改修した家屋(住宅除く)を対象とする固定資産税の減額措置創設などを盛り込んだ。併せて、自動車取得税・重量税を見直す方針も明記。償却資産に係る固定資産税の減免は「引き続き検討する」と結論を持ち越した。これに併せ、全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は、地域経済を活性化させる経済対策とするよう、公共事業の円滑実施を可能とする新交付金の創設などを求める「消費税率引上げに係る経済対策に関する要望・提案」を山田会長らが政府・与党の幹部に申し入れた。

2013年10月11日発行(第3710号)

農地転用など事務・権限移譲へ現行農地制度の「支障事例」—地方3団体
企業誘致の事前協議に2年、六次産業化、再生エネルギー推進も阻害

 全国知事会、市長会、町村会の地方三団体は二日、農地転用許可権限などの移譲を進めるため、現行農地制度による「支障事例」をまとめ、新藤義孝地方分権改革担当相あてに提出した。政府の地方分権改革有識者会議が、農地転用許可などを「引き続き検討」する事務・権限に位置付け、年末の見直し方針取りまとめに向けて検討することから、反映すべく自治体アンケートを実施。企業誘致のための農地転用で農政局との事前協議に二年を要し、計画中断が懸念された事例や、農業の六次産業化や再生可能エネルギーの活用など国が推進する施策でも支障が生じている事例などを列挙し、移譲の必要性を強調した。

2013年10月18日発行(第3711号)

今年度の引下げ協力状況、来年度以降の交付税新算定に反映
国・地方の給与比較のあり方、継続協議へ
地方公務員給与巡り意見交換会を開催—総務相・地方六団体

 地方公務員給与を巡る新藤義孝総務相と地方六団体代表による意見交換会が一一日、省内で開かれた。国が地方交付税を削減した上で給与減額を求めた今年度の措置を巡り、六団体側が今後のあり方に関する「検討の場」を求めていたことから設置されたもの。給与減額の来年度以降の取扱いや、国・地方の給与比較のあり方などを議論。地方側は消費税が八%に引き上げられても地域経済が元気になるよう、減額措置は今年度限りとすることを改めて要請した。新藤総務相は引き続き地方と意見交換していく意向を示すとともに、給与減額への地方の対応状況を来年度以降の交付税算定に反映する考えを表明した。

2013年10月25日発行(第3712号)

農地転用事務・権限の移譲で専門部会設置を了承—政府・分権改革有識者会議
地方六団体、農転権限や税財源移譲を提言、「総括と展望」でヒアリング

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は一六日、分権改革の「総括と展望」を行うため、地方六団体などからヒアリングするとともに、事務・権限の移譲のうち、農地転用などを集中的に検討する「農地・農村」専門部会の設置を了承した。六団体はヒアで、機関委任事務の全面廃止や義務付け・枠付けの見直し、国と地方の協議の場の法制化などのこれまでの改革を高く評価。一方で、農地転用など土地利用関係の権限移譲や税財源の移譲などの「残された課題」も指摘し、さらなる改革も求めた。農地・農村部会は今月下旬に議論を始め、一一月中に取りまとめを行う予定。政府が年内に決める「見直し方針」に反映させる。

2013年11月01日発行(第3713号)

現行農地制度の「支障事例」踏まえ、第一種農地でもコンビニ設置容認—農水省検討
農地転用許可主体は改正農地法附則で「2014年検討」
政府地方分権「農地・農村部会」が初会合

 政府の地方分権改革有識者会議は一〇月二九日、農地転用の事務・権限移譲を検討する「農地・農村部会」(部会長・柏木斉リクルートホールディングス取締役相談役)の初会合を都内で開き、農水省や知事・市町村長からヒアリングした。各首長は現行制度のスピード不足などを指摘し、転用許可権限などの移譲を求めた。農水省は既に地方分権に取り組んできたと主張する一方、自治体での転用問題事例から農地法改正で規制を厳格化したことを説明。地方の意見を踏まえ第一種農地でもコンビニエンスストアの設置を許可するなどの検討方針を示す一方、転用許可主体の検討は同法附則で二〇一四年を目途としていることを指摘した。柏木部会長は会合後、転用許可主体について現行制度に課題があるとし、新しい方向性を打ち出す考えを示した。

2013年11月08日発行(第3714号)

法人住民税一部の地方交付税原資化を提言—総務省検討会
地方法人特別税も存続、税源偏在是正で報告書

 総務省の「地方法人課税のあり方等に関する検討会」(主宰・神野直彦地方財政審議会会長)は一〇月三〇日、今回の消費増税でさらに広がる地方間の税源偏在・財政力格差を是正するため、偏在度の高い法人住民税の一部を地方交付税原資化すべきと提言する報告書をまとめた。既に法人事業税の一部を国税化し再配分している「地方法人特別税制度」について、異例で暫定的な措置だが単純に廃止する状況にないとし、消費税(交付税原資分)と法人住民税との税源交換を目標に、まずは今回の引上げに併せて都道府県・市町村の同税法人税割の一部を交付税原資化するよう提言。その偏在是正効果が不十分な場合には特別税制度も存続せざるを得ないとした。年末の来年度税制大綱の決定に向けて与党で議論されるが、税収を奪われる形の東京都などは猛反発しており先行き不透明だ。

2013年11月15日発行(第3715号)

税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に意欲—安倍首相
一般財源総額確保も明言、給与減額は今後判断—政府主催全国知事会議で

 政府主催の全国知事会議が八日、首相官邸で開かれ、地方税財政や地方分権改革などを巡り、安倍晋三首相や新藤義孝総務相ら閣僚と、山田啓二全国知事会長(京都府知事)ら出席知事が意見交換した。知事会側は、地方歳出の特別枠堅持など一般財源総額の確保や、法人住民税と消費税の税源交換、地方公務員給与の復元や農地転用事務・権限の移譲などを求めた。安倍首相は、交付税を含む必要な地方一般財源総額の確保や、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組む考えを示すとともに、農地転用権限の移譲について、「当たり前のことが当たり前に」できるように検討を進める考えを表明。公務員給与の減額については、国家公務員の検討と併せ、判断する考えを示すにとどめた。

2013年11月22日発行(第3716号)

地方公務員給与減額、来年度は「新たな」要請予定せず—政府
給与体系を抜本改革、定員純減含め総人件費を抑制へ

 総務省は一五日、来年度の地方公務員給与の「新たな」減額要請は行わない予定だとする総務副大臣名の通知を各都道府県知事・議長等あてに出した。同日の閣議で、国家公務員給与を平均七・八%減額している特例措置について、今年度末で終了する方針が正式決定されたことを受けたもの。政府は人事院勧告に基づかない給与減額の継続は法律上困難と判断したほか、安倍政権が民間企業に給与引上げを要請していることを踏まえて判断した。ただ消費税の引上げによる国民感情を踏まえ、地域民間給与の一層の反映や高齢職員の給与引下げなど「給与体系の抜本改革」や「定員純減」に取り組む方針も決めた。これを踏まえ通知では、地方でも給与や定員の適正化に取り組むことを要請した。(4面に関連記事)

2013年11月29日発行(第3717号)

地域の「成長中核圏」実現へ「政策要綱」、PFI促進で交付税算定に反映
経済財政諮問会議が社会資本整備や国土強靭化で議論

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は二〇日、社会資本整備や国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)を巡り議論した。民間議員は、地域の「成長中核圏」実現には、都市機能の集積と自治体間のネットワーク化が必要だと指摘。国が各府省の関連政策をパッケージ化した「政策要綱」を示し、自治体がそれに基づき圏域形成の「協定」締結や、政策選択ができる仕組みを提言した。併せて、PFIやPPPについて、地方交付税算定に導入状況を反映することや、公営住宅分野では導入検討を原則とするよう要請。自治体が社会資本マネジメントの「マスタープラン」を作成することなども求めた。

2013年12月06日発行(第3718号)

歳出特別枠の早期削減と、交付税別枠加算の解消を提言—諮問会議民間議員
新藤総務相、交付税新算定で人件費削減など「指標イメージ」

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は一一月二九日、地方財政や地域活性化を巡り議論した。リーマンショック後に導入された地方歳出の特別枠と地方交付税の別枠加算について、民間議員や麻生太郎財務相が削減・解消を求めたが、新藤義孝総務相は削減・解消できる「平時」状態まで回復していないと主張。安倍首相は危機対応状態から平時状態に「仕組みを切り替えていく必要がある」と述べた。新藤総務相は「頑張る地方」を支援する新たな交付税算定の指標として、人件費削減の取組みや、製造品出荷額などを示すとともに、公共施設の老朽化対策を進めるため自治体に計画策定を求める考えや、同計画に基づく施設の解体撤去には地方債発行を認める方針も示した。(4面に関連記事)

2013年12月13日発行(第3719号)

公共事業地方負担軽減へ「がんばる地域交付金」を創設—政府
5・5兆円の「経済対策」を決定、各種基金の増額・延長も

 政府は五日の閣議で、国費五・五兆円規模の「好循環実現のための経済対策」を決定した。二〇一四年四月からの消費税率引上げに伴う景気の腰折れを防ぐとともに、経済成長を確実にするのが狙い。東日本大震災からの復興や老朽インフラ対策など防災・安全対策の加速に三兆円超を措置。インフラ老朽化対策など公共事業の地方負担を軽減する「がんばる地域交付金」を創設し、財政力の弱い市町村に重点配分する。都道府県に設置している雇用創出や子育て支援などの各種基金も延長・積み増しする。

2013年12月20・27日発行(第3720・21号)

法人住民税法人税割6千億円規模を地方交付税原資化—与党14年度税制改正大綱
自動車取得税は廃止、軽自動車を増税、自動車税には「環境性能割」

 自民、公明両党は一二日、二〇一四年度与党税制改正大綱を決定した。地方間の税源偏在を是正するため、消費税が八%となる来年四月から法人住民税の一部を「地方法人税」(仮称)として国税化。特別会計に直入する形で交付税原資化するとし、交付税額を確保するための地方歳出計上も明記した。併せて、相応規模の「地方法人特別税」を法人事業税に復元。消費税一〇%段階ではさらに交付税原資化を進めて特別税を廃止、「他の偏在是正措置」も検討する。自動車取得税は消費税八%段階で二%引き下げるなどし、一〇%段階で廃止。代替税財源は、一五年度以降新規に取得する軽自動車の税率を引き上げ、消費税一〇%段階で自動車税に環境性能に応じた課税を導入するなどし、将来平年度化した時点で地方財政に影響を及ぼさない規模を確保する。償却資産の固定資産税減免は先送りし、ゴルフ場利用税の廃止等は見送った。

2014年1月03・10日発行(第3722・23号)

一般財源総額60・4兆円で1・0%増を確保—2014年度地方財政対策
交付税別枠加算は0・4兆円縮減、歳出特別枠は実質維持

 二〇一四年度の地方財政対策が一二月二一日、新藤義孝総務相と麻生太郎財務相の閣僚折衝で決着した。焦点の地方歳出「特別枠」は実質維持したが、地方交付税の「別枠加算」は〇・四兆円縮減。出口ベースの交付税は一六・九兆円と一・〇%減ったが、地方税等の三・八%増などで一般財源総額は六〇・四兆円と一・〇%増を確保。臨時財政対策債は約一〇%減らした。今年度は給与減額の見合いで措置された緊急防災・減災事業費と地域の元気創造事業費も増額確保した。

2014年1月17日発行(第3724号)

地方公営企業、「経営戦略」策定議論を本格化—総務省
投資、財政計画各ワーキンググループが初会合

 総務省は、地方公営企業の「経営戦略」策定議論を本格化させた。財務規定など公営企業法の適用範囲拡大を先行的に議論してきたが、今後の人口減少社会でも安定的に事業を継続するには同戦略の策定が必要だとし、昨年一二月に有識者研究会(座長・堀場勇夫青山学院大教授)を発足。当面、「投資計画」と「財政計画」の策定を支援する指針を作成することにし、昨年末から年初にかけて各ワーキンググループ(WG)を開いた。同省は①将来の更新投資を見据えた料金設定②営業収益に対する企業債残高は一定水準以下に抑制③小規模公営企業もストックマネジメントに取り組めるようスタートアップ支援の「要点」を取りまとめ—などの方向性を提起。広域化やPPPなどは来年度以降に検討予定とした。

2014年1月24日発行(第3725号)

財務規定など公営企業法、簡易水道、下水道事業にも段階的に適用—総務省研究会
報告書「素案」を議論、一般会計からの繰入れ容認も明示

 総務省の「地方公営企業法の適用に関する研究会」(座長・鈴木豊青山学院大名誉教授)は二一日、簡易水道事業や下水道事業に、財務規定などの同法適用を拡大した場合の課題に関する対応素案を議論した。素案は、現行では民間企業的な新会計基準が任意適用にとどまる両事業について、長期的な経営方針の策定などのため、段階的な法適用が必要だと指摘。このため「法適化マニュアル」を整備することや、都道府県を調整役とする「法適化支援チーム」(仮称)などの支援体制整備、財政支援の強化などを打ち出すとともに、一般会計からの繰入れが制限されるとの懸念について、法適用しても繰入れを認める考え方を明示した。二月の次回会合で報告書案を議論する。

2014年1月31日発行(第3726号)

合併算定替え終了で交付税算定見直し案—総務省
「支所経費」を加算、「標準団体」面積を拡大—来年度地方財政で都道府県財政課長等会議

 総務省は二四日、省内で都道府県財政課長等会議を開き、二〇一四年度の「地方財政見通し・予算編成上の留意事項」等を示した。来年度の基準財政需要額の伸び率(臨時財政対策債振替え前)は、個別算定経費では道府県分は〇・五%程度の増、市町村分は一・五%程度の減、包括算定経費は道府県分が六・〇%、市町村分が六・五%程度の減との見込みを示した。併せて、合併算定替え終了に伴う交付税算定の見直し案を提示。五年間かけて「標準団体」の面積などを見直すが、支所に要する経費の算定を来年度から先行的に行う。地方の行革努力や地域活性化の成果を反映する「地域の元気創造事業費」についても、人口を基本に、ラスパイレス指数など複数の指標により補正する交付税算定案などを示した。(3〜4面に発言要旨)
 

2014年2月07日発行(第3727号)

番号制度に併せ「自治体クラウド」導入促進—総務省検討会
電子自治体で新指針案、導入・非導入のコスト比較実施など要請

 電子自治体推進のための新たな指針を検討してきた総務省の「電子自治体の取組みを加速するための検討会」(座長・大山永昭東京工業大教授)は一月二九日、都内で会合を開き、番号制度の導入に併せて「自治体クラウド」の導入に取り組むよう促す「一〇の指針」案を取りまとめた。自治体クラウドを導入する・しない場合のコストシミュレーション比較や自治体が保有するデータに対する民間ニーズの把握、都道府県による市町村支援強化のため、県の計画に支援目標を設定することなどを盛り込んだ。今後、パブリックコメントを経た上で正式に決定する。

2014年2月14日発行(第3728号)

公共施設の解体・撤去で地方債充当可能に、特別交付税割合引下げは二年間再延期—政府、14年度地財計画、交付税法等改正案、地方税法改正案を閣議決定

 政府は七日の閣議で、二〇一四年度の地方財政計画、一四年度予算関連の地方交付税法等改正案、税源偏在是正や車体課税見直しの地方税法改正案を決定した。地財計画では歳入・歳出総額を八三・四兆円とし、地方税増を見込んで交付税を微減、臨時財政対策債を一割減らしつつも一般財源総額六〇兆円台を確保した。交付税法等改正では、地方の行革努力等を反映する「地域の元気創造事業費」を創設するほか、特別交付税の割合引下げを二年間延期。計画に基づく公共施設の解体・撤去に地方債を認める特例を創設し、第三セクター等改革推進債は条件付きで三年間延長する経過措置を設ける。

2014年2月21日発行(第3729号)

農地の総量確保策も検討、新たな仕組みを提言へ—地方六団体
農地転用権限は全て地方に移譲、農地制度あり方PTが初会合

 地方六団体の「農地制度のあり方に関するプロジェクトチーム」(座長・鈴木英敬三重県知事)は一三日、都内で初会合を開き、農地転用事務・権限の移譲などを実現させるための議論を開始した。政府が今年、農地法の改正に向けて農転許可主体のあり方などを検討することを受け、国に提言を行うための考え方を整理する。初会合では、農水省の懸念を払拭するため、農地の総量確保策についても検討・提言していく方針で一致。国が農地確保のマクロ管理を、地方がミクロ管理を担う仕組みを構築した上で、農地転用許可権限は全て地方に委ねる方向性が提起された。実務者による作業部会で検討を進めるとともに、改めて現行制度による支障事例調査なども行い、夏までに報告書を取りまとめる。(4面に座長説明要旨)

2014年2月28日発行(第3730号)

包括的特別交付税措置、中心市で倍増以上、近隣市町村は1・5倍に—総務省方針
首長の定期会合を義務付け、有識者研究会が今後のあり方で最終報告書

 総務省の「定住自立圏構想の今後のあり方に関する研究会」(座長・後藤春彦早稲田大創造理工学部長)は二五日、同構想を一層強力に推進するため、財政措置の拡充などを提言する最終報告書を概ね了承した。併せて「ガバナンス」も強化するため、圏域内の市町村長による定期会合を促す措置も求めた。これを受けて同省は、来年度から包括的財政支援の特別交付税措置を中心市で現行の倍増以上、近隣市町村でも五割増に拡大。定期会合も「定住自立圏推進要綱」を改正し来年度から義務付ける方針だ。

2014年3月07日発行(第3731号)

地方自治法と地方公務員法等改正案を閣議決定—政府
新たな広域連携制度と大都市制度改革、区常任委員会の必置は見送り

 政府は近く、地方自治法改正案と地方公務員法等改正案を閣議決定し今国会に提出する。両案は先月二六日の自民党総務部会(西銘恒三郎部会長)で了承された。自治法は第三〇次地方制度調査会の答申を受け、人口減少社会でも全国の市町村が引き続き行政サービスを提供できるよう、「連携協約」を結ぶことで柔軟な自治体間連携を可能とする仕組みの創設や、道府県と指定都市の二重行政解消策、指定市の住民自治強化、中核市と特例市の統合などが柱。当初盛り込む予定だった指定市議会に区常任委員会を置くようにする規定は、任意とするよう求める地方等の意見を踏まえ見送った。

2014年3月14日発行(第3732号)

当面、下水道と簡易水道事業で段階的拡大—総務省研究会
地方公営企業法の適用拡大で報告書、夏までにロードマップ提示へ

 総務省の「地方公営企業法の適用に関する研究会」(座長・鈴木豊青山学院大名誉教授)は一一日、同法の適用対象事業を拡大すべきとの報告書案を概ね了承した。インフラの大量更新などを控えて経営情報の的確な把握等が必要だとし、より民間的な新会計基準などの財務規定等は基本的に全ての事業に適用すべきだと指摘。当面は、特に必要性が高い簡易水道と下水道事業を対象に、小規模団体の負担を考慮し大規模団体から段階的に拡大すべきと提言した。このため、「法適用マニュアル」の作成や都道府県を中心とする支援チームの整備、財政支援の強化などの支援策を盛り込むとともに、法適用しても一般会計からの繰入れが容認されることなども明記。法制化に向けた「ロードマップ」を早急に示すよう求めており、同省は夏までに提示する方針だ。

2014年3月21日発行(第3733号)

財政的リスクを把握、存続前提条件あらかじめ明示を—総務省研究会
第三セクター等への関与等で報告書、損失補償は原則行わないよう明記

 総務省の「第三セクター等のあり方に関する研究会」(座長・宮脇淳北海道大大学院教授)は一三日、地方自治体の三セク等への関与や活用に関する報告書案を概ね了承した。三セク等が果たす役割の重要性を改めて指摘する一方で、自治体財政に深刻、決定的な影響を及ぼす財政リスクに対応するため、あらかじめ存続させる前提条件(ゴーイング・コンサーン)を明示することや、三セク等の債務に係る損失補償は原則行わず、行う場合は調書を調製し議会等の理解を得るべきだと指摘。総務省には、存廃など抜本改革を含む経営健全化に各団体が自らの判断と責任で取り組むための手順や留意点をまとめた実効性ある指針の作成も求めた。同省は二〇一四年度早期に策定する方針。

2014年3月28日発行(第3734号)

財務書類、全自治体対象の標準的作成基準を提示—総務省研究会、地方公会計で報告書
15年1月要請開始、準備期間「3年」基本に作成を

 総務省の「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」(座長・鈴木豊青山学院大名誉教授)は二四日、全ての地方自治体を対象とする新たな財務書類作成基準を盛り込んだ報告書案を概ね了承した。これまで複数あった作成手法について、住民への分かりやすい説明や財政運営等への活用、自治体間比較を容易にする観点から、標準的・統一的な基準を示すとともに、「必要不可欠」と位置付けた固定資産台帳と複式簿記の整備・導入手法も提示。同省は今後、財務書類の作成手引きなど「要領等の策定」などに取り組み、二〇一五年一月をめどに新基準による公会計整備の要請を開始。準備期間は三年を基本とし、一七年度までに一六年度決算についての財務書類を作成するスケジュールを想定している。

2014年4月04日発行(第3735号)

国家戦略特区第一弾で6カ所指定へ—政府
夏までに「事業計画」、被災地等追加指定も

 政府は三月二八日、国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、経済再興と岩盤規制改革の突破口とする同特区の第一弾として、東京圏、関西圏、新潟市、兵庫県養父市、福岡市、沖縄県の六カ所を区域指定する方針を示した。併せて、区域ごとの目標や政策課題、活用する規制改革などの「区域方針」案も提示。いずれも四月下旬までに関係政令を閣議決定する。具体的な事業計画は各区域で五月にも国、地方、民間による「区域会議」を立ち上げ、早ければ夏までに策定する。安倍首相は「安倍政権の規制改革に終わりも聖域もない」と岩盤規制打破の決意を強調し、「被災地を含め、大胆な規制改革提案があれば事業計画の深掘りや新たな地域指定につなげる」考えを表明した。

2014年4月11日発行(第3736号)

「提案募集方式」で概要案、事務・権限移譲と規制緩和を対象に—関連すれば税財政、自治体の組織等も
政府・地方分権改革有識者会議

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は二日、地方自治体等から地方分権改革の提案を募る「提案募集方式」の概要案について議論した。提案の対象は「事務・権限の移譲」と義務付け等見直しなど「規制緩和」としたが、内閣府は事務・権限や規制緩和に関連すれば税財政や自治体の組織等も対象となり得ると説明。提案は、内閣府を中心に各府省や提案団体等との調整・検討を重ね、特に重要な事項は同会議やその下の「専門部会」で集中議論し、年末までに対応方針を閣議決定するとした。政府は四月中に地方分権改革推進本部を開き「提案募集方式」の実施方針を決定する。

2014年4月18日発行(第3737号)

空き家対策で特措法案、立ち入り調査や除却等命令権、代執行も明記—自民党議連
固定資産税の軽減措置は年末の来年度税制改正議論に

 自民党の空き家対策推進議員連盟(会長・宮路和明衆院議員)は九日、同党の総務、国土交通合同部会で空き家対策推進特別措置法案を示し、了承された。防犯、衛生面などで問題がある空き家の増加に歯止めをかけるとともに、活用を促進するのが狙い。市町村が対策計画を策定できるようにし、立ち入り調査権限や、除去などの命令を出す権限を付与。所有者等が確知できない場合も含め代執行できることも明記した。空き家を自主撤去した場合の固定資産税の軽減措置は、党税制調査会との調整がつかず「必要な税制上の措置を講ずる」との表現にとどめた。公明党と調整し、野党にも働き掛けた上で今国会に議員立法で提出する方針。

2014年4月25日発行(第3738号)

農地制度見直しで臨時部会が初会合—全国知事会
農地転用権限の最終移譲先は、全国市長会、町村会等の意向前提に「原則市町村」で一致

 全国知事会は一七日、「農地・農村臨時部会」(部会長・鈴木英敬三重県知事)の初会合を都内で開いた。政府が今年、農地転用許可主体など農地制度のあり方を見直すことから、現在地方六団体のプロジェクトチームで提言を行うための報告書を検討中だが、同時並行で知事会内の議論を進めるもの。初会合ではPTの作業部会がまとめた「試案」を議論。「試案」は農水省が懸念する農地の総量確保のための新たな仕組みを構築した上で、農転権限は地方に移譲するよう求める方向だが、臨時部会では最終的な移譲先について、全国市長会、町村会の意向や農地確保の制度設計などを前提に、原則市町村とすることで一致した。六団体はPTの報告書を踏まえ、七月にも提言を取りまとめる方針。

2014年5月02・09日発行(第3739・40号)

自治体発注の公共事業、予算額、契約済み額、支出済み額を四半期ごとに調査・公表—総務省

 財政課長等会議を開催、税収増の地域活性化の取り組みなど要請

2014年5月16日発行(第3741号)

20〜39歳の若年女性人口、896団体では2040年時点で半減、消滅可能性も—増田元総務相らの「日本創生会議」が団体別人口推計
地域に戦略協議会設置や長期ビジョン、総合戦略策定も提言

 民間有識者らでつくる「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)は八日、大都市等への人口移動が収束しない場合、二〇一〇〜四〇年の間に「二〇〜三九歳」の女性人口が半減する市区町村が八九六団体に上るとの独自の団体別人口推計結果を公表した。これらの地域を、例え出生率が上がっても人口減少が止まらない「消滅可能性都市」と定義。うち、人口が一万人を切る五二三団体を「消滅可能性が高い」と指摘し、危機意識の共有を促した。その上で、地域にも自治体などが参加する戦略協議会を置き、各地の出生率目標や、拠点都市を中核とする自治体間連携の構想などを盛り込んだ地域版の長期ビジョン・総合戦略を策定することなどを提言した。(3、4面に資料、関連記事)

2014年5月23日発行(第3742号)

人口減少対応の地方行政体制や自治体ガバナンスのあり方等諮問—第31次地制調が発足
会長に畔柳氏、総会で道州制巡り議論

 政府は一五日、第三一次地方制度調査会(首相の諮問機関)を発足させ、第一回総会を首相官邸で開いた。会長には畔柳信雄三菱東京UFJ銀行特別顧問を互選し、安倍晋三首相が「個性を活かし自立した地方をつくる」ため、①人口減少社会に対応する三大都市圏・地方圏の地方行政体制のあり方②議会制度、監査制度など自治体ガバナンスのあり方—等を諮問した。専門小委員長には長谷部恭男早稲田大教授を選任。二八日に初会合を開く。総会では道州制を巡り推進・反対両論出され、新藤義孝総務相は国民的議論が必要だと指摘。畔柳会長は会合後、道州制の議論も「自然に出る」が、現実の人口減少に対応する地方団体のあり方について議論を深める考えを強調した。(4面に関連記事)

2014年5月30日発行(第3743号)

標準ソフトを開発・無償提供、日々仕訳ではモデル事業も実施へ—新藤総務相が財務書類の統一的作成基準で通知

 新藤義孝総務相は二三日、今後の地方公会計の整備促進について、全首長あてに通知した。有識者研究会が四月に示した財務書類作成の統一的新基準について、二〇一五年一月頃をめどに具体的なマニュアル等を示した上で、全自治体に原則三年間での新基準による作成を要請する予定だと説明。このため、標準的ソフトウェアを開発し、一五年度の早期に自治体に無償提供する考えを示すとともに、それまでの間は資産の棚卸しなど固定資産台帳整備の準備を進めるよう要請した。同相は同日の閣議後記者会見で、複式簿記で日々仕訳を採用する場合の実証モデル事業を行う方針も表明。マニュアル作成に向けては有識者らによる実務研究会(座長・鈴木豊青山学院大名誉教授)を発足させ、二八日に初会合を開いた。

2014年6月06日発行(第3744号)

地方議員の法的身分明確化など「重点検討」を要請—議会三団体
第三一次地方制度調査会専門小委員会が始動、諮問事項で地方六団体ヒアリングも

 第三一次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・長谷部恭男早稲田大教授)が始動し、五月二八日に初会合を、二日に第二回会合を開いた。初会合では人口減少に対応する地方行政体制や、自治体ガバナンスのあり方など諮問事項を巡り各委員が所見を述べた。二日には諮問事項について地方六団体からヒアリングし、議会三団体が地方議員の法的位置付けの明確化など五項目を「重点検討項目」として検討を要請。一方で全国市長会は議会の権限強化について慎重な議論を求めた。全国町村会は例えば出身地への投票権を認めるなど、若者の進学等「ライフステージ」の変化に応じた地方自治制度の検討なども提案した。

2014年6月13日発行(第3745号)

地方分権改革「総括と展望」で最終取りまとめ了承—政府有識者会議
「提案募集」や「手挙げ」方式、「常設体制整備」で今後の改革推進

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は六日、地方分権改革の「総括と展望」の最終取りまとめ案を了承した。衆参両院の分権推進決議から二〇年を経て、地方分権改革推進委員会の勧告事項も「一通り検討を行った」とし、これまでの改革を総括するとともに、今後の改革を展望。新たな改革推進手法として「提案募集方式」や「手挙げ方式」、常設体制の整備などを打ち出した昨年の「中間まとめ」を基本に、提案募集の実施方針や、手挙げによる移譲が一定程度進んだ場合には全国一律移譲を検討する考え方などを盛り込んだ。今月中に新藤義孝担当相に手交する。(4面に関連記事)

2014年6月20日発行(第3746号)

法人実効税率引き下げ、恒久財源確保を—地方六団体
国と地方協議の場で意見書、一般財源確保や人口減での総合対策も提案

 「国と地方の協議の場」が一一日、首相官邸で開かれ、安倍晋三首相や新藤義孝総務相ら政府と、地方六団体の代表が「骨太の方針」や地方分権改革を巡り協議した。安倍首相は「人口急減・超高齢化」の流れを変えるため「地域に根差した抜本的取り組み」を行う考えを表明。六団体は連名で今後の国・地方を通じた課題について意見書を提出し、人口減少に対応する総合的対策や、東京一極集中・地域間格差の是正、地方一般財源総額の確保を求めた。同時に、法人実効税率の引き下げでは恒久財源の確保を求め、法人事業税の外形標準課税拡大を提案したが、中小法人の対象化には慎重な検討を求めた。(4面に意見書全文)

2014年6月27日発行(第3747号)

骨太方針と改訂成長戦略を閣議決定—政府
地方創生へ本部設置、地方一般財源は必要総額確保

 政府は二四日、臨時閣議を開き、「経済財政運営と改革の基本方針2014」(「骨太の方針」)、改訂成長戦略、農業など規制改革の実施計画をそれぞれ決定した。経済再生等のため、国・地方の法人実効税率を来年度から数年で二〇%台に引き下げることを目指すとし、財源は「アベノミクスの効果」を含めて課税ベースの拡大等により恒久財源を確保すると明記。人口減少を克服するための「地域経済構造改革」なども打ち出し、政府一体で総合的政策を推進する本部(「地方創生本部」)の設置や、各地域の成長戦略を伴走支援するための地域再生法改正なども盛り込んだ。地方一般財源については「中期財政計画」に基づき、必要な総額を確保するとし、地方の税収動向等を踏まえ早期の財源不足解消を目指す方針も明示した。


2014年7月04日発行(第3748号)

農地確保の仕組みを提案、農地転用権限は市町村に移譲—地方六団体PT
ミクロ管理は都道府県関与も不要に、農地制度改革で報告書

 地方六団体の「農地制度のあり方に関するプロジェクトチーム」(座長・鈴木英敬三重県知事)は一日、農地制度改革の報告書をまとめた。今夏から議論が本格化する農地転用事務・権限の移譲を実現するため、農水省が懸念する農地の総量確保(マクロ管理)についても、①市町村から目標値を積み上げ②国と地方が実質的に議論できる枠組みを構築③国、都道府県、市町村それぞれで「実行計画」を策定—などの目標管理の新たな仕組みを提案。その上で、個々の農地転用許可(ミクロ管理)は大臣許可・協議を廃止し「市町村」に移譲、国、都道府県の関与は不要にすべきとした。各団体の了承を経て今月中に六団体の提言として取りまとめ、政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)に提案する。

2014年7月11日発行(第3749号)

一般職とすべき非常勤職員、特別職にするのは「避けるべき」—総務省
時間外勤務報酬、通勤費用弁償、適切支給を、臨時・非常勤職員で新通知

 総務省は四日、臨時・非常勤職員の任用等に関する新たな通知を公務員部長名で各都道府県知事等あてに出した。二〇〇九年に「適切な任用」などを求める通知を出していたが、任用の妥当性が疑われる例や報酬等を巡る誤解、国会審議や新たな判例などを踏まえ、改めて留意事項をまとめたもの。一般職とすべき非常勤職員を特別職とすることは避けるなど、制度的位置付けを踏まえた任用や、通勤費用弁償・時間外勤務報酬の適切な支給を求め、フルタイムも含めた「任期付職員制度」の活用も促した。

2014年7月18日発行(第3750号)

過疎等集落も「集約とネットワーク化」で—総務省
圏域で持続・活性化、今後のあり方で中間取りまとめ

 総務省の「過疎問題懇談会」(座長・宮口?廸早稲田大教授)は一一日、省内で会合を開き、今後の過疎集落等対策のあり方に関する中間取りまとめを概ね了承した。人口減少の中で、最も住民に近く、地域資源保持などに役割を果たす集落機能を持続可能にすることが日本全体にとっても重要だと指摘。生活機能や働く場の確保のため、基幹集落を中心に複数集落とネットワーク化して活性化させる「集落ネットワーク圏」の形成を提言した。圏域を支える自治会など地域コミュニティ組織の確立や、同組織による活性化プラン策定を提案。市町村には圏域の具体的範囲や活性化基本方針等の計画作成などを、国には推進方針の提示やモデル支援、人材確保などを求めた。一二月に最終報告をまとめる予定。

2014年7月25日発行(第3751号)

人口減少問題で「少子化非常事態宣言」—全国知事会議
資産移転税制等を提言、地方創生本部に地域代表参画を

 全国知事会議が一五、一六の両日、佐賀県で開かれ、人口減少問題に関して「少子化非常事態宣言」を採択するとともに、少子化問題の総合的対策を求める提言を決めた。高齢者から子・孫世代への資産移転促進税制創設などを盛り込んだ。同時に、①地方一般財源総額確保などを求める地方税財源の提言②農地転用権限の市町村への移譲などの地方分権改革の提言③「地方創生本部」等への地域代表の参画など地域経済再生の提言—を決定。併せて、①東日本大震災の復興加速化提言②原子力発電所の安全対策・防災対策の提言③国土強靭化対策推進の緊急提言④財政問題解決策の提示等を求める国民健康保険制度見直しの提言⑤介護人材確保の総合対策を求める提言⑥女性の活躍促進の提言—等も決めた。人口減少等を巡り新藤義孝総務相や増田寛也元総務相との議論も展開された。(4面に発言要旨)

2014年8月01日発行(第3752号)

給与減額時期など行革努力を反映—総務省、14年度の普通交付税大綱
市町村合併受け、支所経費算定も先行見直し

 新藤義孝総務相は七月二五日の閣議に、二〇一四年度の普通交付税大綱を報告した。普通交付税の総額は前年度比一・〇%減の一五・九兆円で、道府県が〇・三%増の八・五兆円、市町村が二・六%減の七・四兆円。行革努力等を反映する「地域の元気創造事業費」では、国からの給与減額要請に応じた時期などにより算定を行った。来年度以降、法人課税の偏在是正を財源にさらに増額させる方針。また平成の大合併を受けた算定見直しで、先行的に「支所に要する経費」を算定した。今年度から三年間で段階加算するほか、来年度以降は人口密度による需要割り増しなども行っていく。これらや景気回復の結果、今年度の不交付団体は五五団体と前年度より六団体増えた。(4面に表)

2014年8月08・15日発行(第3753・54号)

「提案募集」で地方創生関連など152件を「重点事項」に—政府地方分権有識者会議
専門部会立ち上げ合同会議を開催、年内の対応方針決定へ10月に中間まとめ

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は一日、「提案募集検討専門部会」との合同会議を開き、地方から分権改革の提案を募る「提案募集方式」について、今後の検討の進め方を議論した。地方が行った計九五三件の提案のうち、土地利用や地方創生、人口減少関連など一五二件を同専門部会で扱う「重点事項」に整理する「考え方」などを了承。今後、同部会で重点事項について提案団体や地方六団体、関係府省等からヒアリングを行うなどして検討を進め、一〇月下旬に中間取りまとめを、一二月に対応方針案をまとめる予定。これを受けて政府が年内に対応方針を決定する。

2014年8月22日発行(第3755号)

月給、ボーナスを7年ぶりに引き上げ勧告—人事院
給与制度総合見直しも勧告、民間反映で給料水準2%引き下げなど

 人事院(一宮なほみ総裁)は七日、二〇一四年度の国家公務員の月給を〇・二七%、期末・勤勉手当(ボーナス)を〇・一五カ月引き上げるよう国会と内閣に勧告した。月給とボーナスの引き上げはいずれも七年ぶり。同時に、地域間と世代間の給与配分に民間の実情をより反映するため、給料水準を平均二%引き下げるなどの「給与制度の総合的見直し」に、一五年度から三年間で取り組むよう勧告した。総合見直しの地方公務員での実施について、総務省は二〇日、検討会の中間取りまとめを公表。全国知事会、市長会、町村会の執行三団体は七日、総合見直しによる官民を通じた地域間給与格差の拡大に懸念を表明した。

2014年8月29日発行(第3756号)

地方六団体の農地制度提言に否定的見解—農水省
政府地方分権専門部会がヒアリング

 政府・地方分権改革有識者会議の「農地・農村部会」(部会長・柏木斉リクルートホールディングス取締役相談役)は二〇日、地方六団体がまとめた農地制度改革の提言について、農水省からヒアリングした。同省は提言に対する「考え方」を示し、農地の総量確保のため市町村からの目標積み上げによる新たな仕組みを構築すべきとの提案については、食料自給率目標達成のための農地確保の視点からは国の責務であり、十分適合した枠組みではないと否定。個々の農地転用権限は市町村に移譲すべきとの提言についても、「現場と距離を置いた判断ができる者」が行うべきだと否定した。一方で同省は農地確保での地方の役割等は重要だとし、距離を置いた判断ができる者には都道府県も含まれるとの見解も示した。部会構成員からは農水省からも新たな仕組みを提案するよう求める意見も出た。(4面に会合後説明要旨)

2014年9月05日発行(第3757号)

地方交付税は5・0%減、一般財源は微増確保—総務省2015年度概算要求
地方創生で事業枠、新交付金と併せ地財措置検討

 総務省は八月二九日、二〇一五年度の予算概算要求、重点施策、地方財政収支の仮試算等をそれぞれ発表した。一般会計の要求総額は前年度予算比ほぼ同額の一六・九兆円で、地方創生等の予算の「特別枠」には約四三五億円を要求。仮試算では地方税を六・二%増の三七・二兆円と見込んでおり、地方交付税は出口ベースで五・〇%減の一六・〇兆円としたが、一般財源総額は「中期財政計画」に基づき二・一%増の六一・六兆円とした。歳出では、地域経済対策の「特別枠」や地域の元気創造事業費を前年度同額計上としたが、内閣府が金額を示さない「事項要求」とする地方創生の新交付金に併せ、地方創生事業枠の計上を予算編成過程で検討。このため交付税の法定率引き上げを「事項要求」した。新藤義孝総務相はリーマンショック後の歳出特別枠等について地方創生事業枠への振り替えを目指す意向も示唆した。(4面に関連記事)

2014年9月12日発行(第3758号)

地方創生相に石破氏、総務相に高市氏、創生本部を設置—第2次安倍改造内閣
地方分権や道州制も創生相に権限集中、縦割り排除など7点の総理指示も

 第二次安倍改造内閣が三日、皇居での認証式を経て発足した。新設された地方創生担当相に石破茂氏が、総務相に高市早苗氏が就任。安倍首相は地方分権や道州制改革の権限も創生相に集中させたと説明した。同日の初閣議では、地方創生など七項目から成る内閣の「基本方針」や、首相を本部長に全閣僚で構成し、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」の設置等を決めた。政府は一二日にも初会合を開き、近く有識者会議を立ち上げる。秋の臨時国会に、国、地方の総合戦略策定等を盛り込む地方創生基本法案など関連法案を提出する方針。九日の閣議後には安倍首相が石破担当相と会い、地方創生に向けた短期・中長期の目標設定や各省縦割りの排除、税制・地方交付税制度改革の検討など七点を指示した。(4面に発言要旨等)

2014年9月19日発行(第3759号)

年内にも「長期ビジョン」と「総合戦略」策定へ—政府・地方創生本部が初会合
「基本方針」を決定、縦割り排除や地域間連携推進も明示

 政府は一二日、人口減少対策などの司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・安倍晋三首相)の初会合を首相官邸で開き、今後の進め方など「基本方針」を決めた。五〇年後に人口一億人を維持するための「長期ビジョン」と、二〇二〇年までの五カ年計画となる「総合戦略」を年内にも決定すると明記。各省縦割りやバラマキ型投資の排除、地方自治体の主体的取り組みや地域間連携などを進める姿勢も明示した。政府は同日、近く発足させる有識者らによる「まち・ひと・しごと創生会議」の委員も内定。石破茂地方創生担当相は同日の閣議後会見で、臨時国会に地方創生の基本理念などを定める「まち・ひと・しごと創生法案」など関連法案を提出する方針を表明した。(4面に資料)

2014年9月26日発行(第3760号)

分権提案、「真正面から受け止め強力に調整」—石破地方創生相
内閣改造後初の有識者会議、知事会は市町村移譲の56%許容

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は一八日、内閣改造後初の会合を提案募集専門部会と合同で開き、地方団体からの提案を巡る各省ヒアリングなど検討状況について報告を受けた。冒頭出席した石破茂地方創生担当相は、提案を真正面から受け止め調整を強力に進めると表明。検討状況では、「対応不可」が約八割だった各省一次回答から前進した項目もある一方で、農地転用はじめ「岩盤規制」では反対が根強いほか、全国知事会からは市町村への権限移譲提案のうち約五六%を受け入れる方針が示されたことなどが報告された。部会を中心にさらに検討、調整を進め、一〇月下旬にも中間取りまとめを行う方針。

2014年10月03日発行(第3761号)

地方創生で2法案を閣議決定—政府
地方も「総合戦略」、地域再生法に首相調整

 政府は九月二九日の臨時閣議で、人口減少対策や東京一極集中是正策の基本理念などを定める「まち・ひと・しごと創生法案」と、地域再生の取り組みを総合的に支援する地域再生法改正案をそれぞれ決定した。創生法案では、政府が人口の現状や将来見通しを踏まえ、目標や施策の基本方向を定める「総合戦略」を決定すると規定。これを踏まえ、都道府県や市町村がそれぞれ総合戦略を策定する努力義務も定めた。政府は年内に五〇年後の「長期ビジョン」と今後五年の計画となる「総合戦略」を閣議決定。地方版の人口ビジョンと総合戦略の策定を支援する。地域再生の改正案では、事業実施に当たり首相が各府省の調整、勧告を行うことなどを盛り込んだ。いずれも同日召集の臨時国会での成立を目指す。

2014年10月10日発行(第3762号)

「基本政策検討チーム」がヒアリング等開始—政府創生本部
テーマ別に7日間、少子化、移住、連携等

 政府の「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・安倍晋三首相)は二日から、年内に策定する「長期ビジョン」や「総合戦略」に向け、「基本政策検討チーム」でのヒアリング等を開始した。府省縦割りやバラマキ投資の排除のため、伊藤達也大臣補佐官らに創生会議有識者議員も交え、政策分野別にこれまでの各府省の関連政策や地方自治体の取り組み、提言などをヒアリングするとともに検証する。二日から一〇日まで計七日間にわたり、少子化や企業の地方移転、地方大学の活性化、地方移住、地域間連携などの各テーマで行い、長期ビジョンや総合戦略に反映する方針。

2014年10月17日発行(第3763号)

広域都市圏構想一本化を検討—政府
集落圏構想も統合、地方創生へ縦割り排除

 政府は地方創生に関し、「地方中枢拠点都市圏」など総務省や国土交通省等がそれぞれ打ち出している複数の自治体による広域都市圏構想について、一本化する方向で検討に入った。併せて、「小さな拠点」や「集落ネットワーク圏」など中山間地域での複数の圏域構想についても統合する方向で検討する。安倍政権が重視する省庁間の縦割り排除の一環で、二日から一〇日までヒアリングを重ねた「基本政策検討チーム」で、統一すべきなどの指摘が相次いだ。「まち・ひと・しごと創生本部」を中心に、来年度予算概算要求の関連事業見直しも視野に検討を進め、年末までに具体的な結論を出す。

2014年10月24日発行(第3764号)

企業移転等新税制創設、2015年度改正で実現を—地方六団体
国・地方協議の場で、大胆な規模の交付金も

 法定「国と地方の協議の場」が二一日、首相官邸で開かれ、地方六団体は(1)地方創生の推進(2)地方分権改革の推進(3)二〇一五年度予算概算要求—に関する要請書を提出した。人口減少などの構造問題を抜本改革する緊要性を強調し、(1)企業移転等の新税制の一五年度税制改正での実現(2)包括的交付金の創設(3)乳幼児医療費助成の国の制度化—などを提案。全国知事会提言の地方創生予算枠の創設は盛り込まなかった。安倍晋三首相は農地に言及した上で地方分権提案の最大限の実現に取り組む決意を強調した。山田啓二全国知事会会長(京都府知事)は円安が進む中での早期の経済対策も要請した。

2014年10月31日発行(第3765号)

「現実的な道州制」へ、国の出先機関と一緒になった「強い広域連合」を推進—自民・佐田本部長
自民本部役員会では「基本法ベース」を確認

 自民党の道州制推進本部(佐田玄一郎本部長)は二八日の役員会で、道州制の導入を目指す方針を確認した。佐田本部長が二四日、先の通常国会で提出を見送った「道州制推進基本法案」を棚上げし、複数都道府県や「国の出先機関が一緒」になった「強い広域連合」の構築に関する法案を検討する方針を明らかにしていた。佐田氏は現状での都道府県制度の廃止について非現実的との認識を示し、将来的な道州制や現行の道州制特区法を念頭に、まずは「中央と直結」した「強い広域連合」を推進する考えを表明。このため、来年の通常国会への提出を念頭に、広域連合の要件などに関する法案を検討するとしていた。(4面に発言要旨)

2014年11月07日発行(第3766号)

全体の23%、「重点事項」の43%を実現へ—地方分権改革有識者会議
石破担当相は農地で前進意向、提案募集で「当面の方針」

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は一〇月二九日、二〇一四年の地方からの改革提案に対する「当面の方針」を決めた。各府省の第一次回答は「対応不可」が八割を占め、「実施」は一%に満たなかったが、これまでの府省等との調整を踏まえ、(1)マイナンバー利用事務拡大(2)医療用麻薬譲渡に係る許可権限移譲(3)水道事業等の認可権限移譲—など、提案全体の二三・三%、「重点事項」の四三・〇%を実現する方向に分類した。しかし保育所等の「従うべき基準」見直しなど地方の要請が強い項目にはなお各省の反対も目立つ。ただ石破茂地方創生担当相は三一日、農地転用許可権限の移譲問題を前進させる意向を表明した。政府はさらに調整・検討を重ね年末の対応方針決定まで「提案の最大限の実現」を目指す。

2014年11月14日発行(第3767号)

インフラ等構造格差は地方創生と違う観点で—石破創生相
政府主催知事会議、首相は地方創生「二人三脚」に意欲

 政府主催の全国知事会議が七日、首相官邸で開かれ、地方創生等を巡り安倍晋三首相や石破茂地方創生相ら関係閣僚等と、山田啓二全国知事会長(京都府知事)ら出席知事が意見交換した。知事側は補正予算編成や来年度からの包括的交付金創設などを求めたほか、インフラなどの構造格差に関しナショナルミニマムへの対応も要請。安倍首相は地方創生は国と地方の「二人三脚」で初めて成果が得られるとし、農地転用許可権限移譲を地方の意見を踏まえ精力的に検討する考えや、交付金に関し効果検証等を前提に必要な支援を検討する方針を示した。ナショナルミニマムでは首相がパイを取り合うのではなく増やすことへの理解を求めたほか、石破担当相は地方創生とは違う観点から論じるべきとの認識を示した。

2014年11月21日発行(第3768号)

消費税率10%を18カ月延期、衆院解散・総選挙を表明—安倍首相
脱デフレへ 補正予算編成、17年4月は再延期せず確実に引き上げ

 安倍晋三首相は一八日、首相官邸で記者会見し、二〇一五年一〇月からと法定する消費税率一〇%への引き上げを一八カ月延期するとし、国民の信を問うため衆院を二一日に解散、総選挙を行う意向を表明した。マイナス成長となった七〜九月期のGDP速報値などを踏まえ、デフレ脱却を危うくすると判断。ただ一七年四月には延期条項を削除して確実に引き上げると断言し、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持する考えや地域経済等の回復に向け補正予算案を編成する方針も示した。地方創生関連二法案を成立させた上で解散し総選挙は一二月二日公示、一四日投開票の日程とする方針。首相は同日の経済財政諮問会議で経済対策の策定を指示した。

2014年11月28日発行(第3769号)

財政健全化法、3セク等への「年度またぎ貸付」等の諸課題「整理」—総務省研究会が初会合
老朽施設対応の財政分析手法も検討、地方債は届出制施行3年で国の関与のあり方見直し

 総務省は一一月二五日、「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会」(座長・小西砂千夫関西学院大大学院教授)の初会合を省内で開いた。財政健全化法の全面施行から五年が経過したことを踏まえ、「一般会計から第三セクター等への年度をまたいだ貸付」が健全化指標に反映されないなどの諸課題を「整理」するとともに、公共施設老朽化等の課題に対応し健全化法や公会計、決算統計の各指標を組み合わせた財政分析手法も検討。地方債制度は「届出制」施行後三年での見直し規定等を踏まえ、許可・協議・届出制の対象範囲など国の関与のあり方を検討する。自治体アンケート等を経て来年秋に報告書をまとめる方針。

2014年12月05日発行(第3770号)

地方創生推進へ交付金と特区創設(自民)、国・地方関係抜本改革法を制定(民主)
衆院選が公示、各党政権公約出揃う

 第四七回衆院選が二日公示され、各党の政権公約も出揃った。自公は脱デフレに向けた経済政策の推進や消費税率一〇%の延期・二〇一七年四月からの引き上げなどを掲げたが、民主など野党はアベノミクス批判を強調し、消費再増税は延期等としたものの引き上げ時期は明示しなかった。自民は地方創生に向けた交付金や特区の創設も盛り込んだが、民主は「ふるさと再生」を掲げ、「国・地方関係抜本改革推進法」の制定などを打ち出した。

2014年12月12日発行(第3771号)

自治体人事評価制度導入へ「規程」や「実施要領」例—総務省研究会
評価方式に2手法、2016年4月本格実施へ

 総務省は年明けにも、「地方公共団体における人事評価制度に関する研究会」(座長・辻琢也一橋大大学院教授)の会合を開き、年度内の報告書取りまとめに向けた議論を行う。自治体に人事評価制度を導入する改正地方公務員法の成立・公布を受け、同研究会は既に、導入に必要となる「規程」や「実施要領(運用の手引き)」等の例を中間報告として提示。評価方法には国同様の「評語付与方式」と、先進自治体も参考に「数値化方式」の二手法を示した。同省は試行を経て、二〇一六年四月から施行(本格実施)させる方針。

2014年12月19・26日発行(第3772・73号)

効率的・効果的事業運営に資する財政措置検討—総務省
下水道財政で研究会、人口減、老朽化、「汚水公費」導入10年で

 総務省は一〇日、都内で「下水道財政のあり方に関する研究会」(座長・宮脇淳北海道大大学院教授)の初会合を開いた。人口減少や施設老朽化等の環境変化、汚水公費導入など二〇〇六年度の地方財政措置見直しから一〇年近く経過したことを踏まえ、効率的・効果的な下水道事業の運営に資する財政措置のあり方等を検討する。同省は費用・収入構造の分析結果等を示し、補償金免除繰り上げ償還等による財政改善状況などを説明。委員からは経営改善が見られるものの、人口減少や老朽化を踏まえた財政措置や、使用料の維持・引き上げが必要とする意見などが出た。一五年五、六月をめどに取りまとめを行う予定。

2015年01月02・09日発行(第3774・75号)

交付税別枠加算、歳出特別枠の縮小等で地方創生事業費の取り扱い焦点に—15年度地方財政対策
補正予算には地方創生先行型交付金

 政府は九日にも二〇一四年度補正予算案を、一四日にも二〇一五年度当初予算案をそれぞれ閣議決定する。一五年度予算案決定に向けた地方財政対策では、中期財政計画により地方交付税など地方一般財源総額が前年度実質同水準確保される見通しの一方、リーマンショック後に措置された歳出特別枠と交付税別枠加算は縮小等が既定方針。概算要求時に総務省が打ち出した「地方創生事業枠」の取り扱いが焦点となる。経済対策の裏付けとなる補正予算案には地方が地方創生に向け強く求めてきた自由度の高い交付金が先行的に盛り込まれる。

2015年01月16日発行(第3776号)

地方一般財源、2・0%増の61・5兆円を確保—15年度地方財政対策
地方創生事業費に1兆円、特別枠、元気創造事業費を振り替え、純増0・5兆も

 二〇一五年度の地方財政対策が一二日、高市早苗総務相と麻生太郎財務相の閣僚折衝で決着した。焦点の「歳出特別枠」は一部振り替えたが実質前年度同水準を確保。特別枠の振り替え分等に、新規財源による「純増」分を加える形で、新たに地方創生事業費を一兆円規模で創設した。交付税の「別枠加算」は縮小したがなお必要額を確保し、交付税の法定率を安定化のため所得税割合を引き上げるなど見直した。この結果、来年度の地方一般財源総額は、地方税収の大幅増により交付税は微減とし、臨時財政対策債を大幅に抑制した上で、前年度比二・〇%増の六一・五兆円を確保した。


2015年01月23日発行(第3777号)

分権提案、全体の約5割、「重点事項」の約8割を「実現・対応」—政府・地方分権改革有識者会議が対応方針案了承
保育所面積基準特例を5年延長、農地転用権限移譲はなお調整

 政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は一五日、地方自治体からの分権提案に関する「対応方針」案を了承した。昨年一〇月段階では全体の約二割を実現する方向としていたが、同日時点で▽保育所面積基準特例の延長▽保育士定数への准看護師の算入▽企業立地促進基本計画の国の同意に係る事前審査・事前協議の原則廃止—など全体の約五割、「重点事項」に限れば約八割を「実現・対応」するとした。地方代表を含め委員からは「評価」の声が上がったが、今後の検討に委ねられたものもあり「中身の精査」が必要との意見も出た。政府はなお調整中とした農地転用権限の移譲等を含め月内にも対応方針を決定。二六日召集の通常国会に一括法案を提出する。



2015年01月30日発行(第3778号)

第3セクター等への年度またぎ貸付等把握へ—総務省検討会
全自治体対象アンケート案、地方債届出制の公的資金対象化も調査

 総務省は一月二三日、省内で「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会」(座長・小西砂千夫関西学院大大学院教授)を開き、全自治体対象の「アンケート調査」案を示した。第三セクター等への年度をまたいだ不適切な貸し付け処理(「オーバーナイト」)の実施状況や、「公有地信託」に係る損失補償状況などを調査。地方債については届出制度の対象を地方分権改革でも提案された公的資金に拡大することなどを聞く。当日の意見を踏まえ調査項目を固めた上で実施し、次回四月の会合で結果を報告する予定。

2015年02月06日発行(第3779号)

農地転用許可権限を地方移譲、「指定」市町村にも—政府
地方分権改革提案対応方針を決定、約6割を実現・対応

 政府は一月三〇日の閣議で、地方自治体等からの地方分権改革提案に関する「対応方針」を決定した。なお調整中だった農地転用許可権限については、総量確保のため市町村からも意見を聴く仕組みを創設する一方で、▽四ヘクタール超は大臣協議を付して都道府県に移譲▽四ヘクタール以下の大臣協議は廃止▽これらを農水相が「指定」する市町村にも移譲—するとした。この結果、提案全体の約六割、地方創生など「重点事項」に限れば八割以上を「実現・対応」するとし、政府は必要な一括法案を三月中にも今通常国会に提出する方針。地方六団体は実現等に分類されながら今後検討するとされた項目のフォローなどを求める一方、農地転用権限の移譲を「特筆すべき決断」と高く評価した。(4面に関連記事・資料)

2015年02月13日発行(第3780号)

全公営企業の経営把握「指標」を作成・公表へ—総務省
分析等結果も公表、経営戦略研究会で方針提示

 総務省は九日、地方公営企業の経営状況を把握するための「指標」を選定し、決算統計情報等を活用して全団体の指標を作成・公表する方針を「公営企業の経営戦略の策定支援と活用等に関する研究会」(座長・堀場勇夫青山学院大教授)に示した。その指標を基に各団体が経営分析等を行い、分析結果も同省で取りまとめて公表するとした。併せて「投資の合理化」を行う上での「フローチャート」案も示し、いずれも方向性が了承された。研究会が三月までにまとめる報告書に盛り込まれる。


2015年02月20日発行(第3781号)

20年度のPB目標、対GDP比改善指標を提案—諮問会議民間議員
夏の財政健全化計画議論、「頑張る自治体」へのインセンティブ構築を強調

 政府は一二日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、今夏に策定する新たな財政健全化計画を巡り議論した。二〇二〇年度に国・地方の基礎的財政収支(PB)を黒字化させる目標に関し、内閣府は経済成長が続いた場合でも二〇年度に九・四兆円の赤字が残るとの試算を提示。民間議員は経済成長と両立する姿勢を示すため、経済規模の拡大でも改善されるPBの対GDP比を三・三%程度改善させる指標を提案し、「頑張った自治体へのインセンティブ」構築などを強調した。



2015年02月27日発行(第3782号)

地方創生、財源増も「厳しい立場」自覚し積極対応を—総務省
財政課長等会議を開催、財政マネジメントは強化前提に財政措置

 総務省は一八日、都内で全国財政課長等会議を開き、来年度地方財政の見通し・留意事項を説明するとともに、「事務連絡」を示した。個別算定経費の伸び率等を示すとともに、一兆円の地方創生事業費創設等を説明。創生財源を継続的に確保する方針を示す一方で、財源増に漫然とすることなく「意欲と知恵が試される厳しい立場」を自覚し、積極的に取り組むよう要請した。同時に、公会計整備など財政マネジメント強化に取り組むよう求め、財政措置も取り組みを前提に考える方針を強調した。(3〜4面に発言要旨)

2015年03月06日発行(第3783号)

「日本版CCRC」で有識者会議発足—政府
移住へ地域共同体、5月素案、夏に中間報告

政府は二月二五日、地方創生に向けた「日本版CCRC構想有識者会議」(座長・増田寛也東大大学院客員教授)の初会合を都内で開いた。東京等在住高齢者らの希望を踏まえ、健康時から地方に移住し、「継続的なケア」環境の下で自立した生活を営める地域共同体(CCRC)を構築する上での課題等を検討する。論点には関連制度や地方創生特区等による政策支援も挙げた。最後まで出席した石破茂地方創生相は五月に素案を、夏に中間報告をまとめるよう要請。報告を受け政府は二〇一六年度予算概算要求等に反映する方針。

2015年03月13日発行(第3784号)

自由度高い包括的交付金で「システム支援」—総務省研究会
「地域運営組織」で報告書、法人形態は認定NPOが適合的

総務省の「暮らしを支える地域運営組織に関する研究会」(座長・小田切徳美明治大教授)は六日、報告書を概ね取りまとめた。地域の人々を中心に、暮らしを守るため活動する「地域運営組織」の持続的運営を可能にするため、▽法人化▽資金確保▽人材確保・育成—の三つの観点から方策を検証し、法人形態については認定NPO法人が最も適合的と整理。資金確保では民・共・公の三領域からバランスよく獲得する必要があるとし、事務局人件費を含め使途の自由度が高い包括的交付金の交付を提言した。報告書は同日の議論を踏まえ今月中に公表される予定。



2015年03月20日発行(第3785号)

分限処分への活用、「一定基準」を例示—総務省研究会
人事評価制度導入で報告書、国参考に給与等に反映を

総務省の「地方公共団体における人事評価制度に関する研究会」(座長・辻琢也一橋大大学院教授)は一七日、改正地方公務員法で義務付けられる人事評価制度の導入に関する報告書をまとめた。昨年示した「実施規程」等の例に加え、導入の留意点や任用・給与等への活用の考え方を提示。国を参考に評価結果を昇給・勤勉手当等に反映することや、分限処分への活用に当たり一定の基準を設けることなどを促した。同省は二〇一六年度からの本格実施(施行)に向け、来年度も研究会で導入・運用の課題を検討する方針。




2015年03月27日発行(第3786号)

農地転用権限移譲など「第5次地方分権一括法案」を閣議決定—政府
15年の「提案募集」で方針、「事前相談」必須に

政府は二〇日、地方自治体の提案を踏まえ、農地転用許可権限の地方移譲など権限移譲や義務付け等の見直しを行うため、一九法律を一括改正する「第五次地方分権一括法案」を閣議決定した。農地確保の新たな仕組みを創設する一方で、大規模農地の転用権限を国が「指定」する市町村も含めて自治体に移すのが柱。今国会での成立を目指す。併せて、二三日から二〇一五年の提案募集も開始。開始時期を昨年より約二カ月早めるとともに、実現性を高めるため内閣府との「事前相談」を必須とする。一二月中旬に対応方針を決定する予定。

2015年04月03日発行(第3787号)

投票率向上へ公職選挙法等改正へ—総務省
投票区外投票可能に、期日前投票時間も弾力化

総務省は三月二七日、「投票環境の向上方策等に関する研究会」(座長・磯部力國學院大法科大学院教授)の中間報告を発表した。国政選挙・地方選挙を通じて低投票率傾向にある中で、マイナンバー制度など情報通信技術の進展等を踏まえた投票率向上方策を提言。選挙当日に投票区にとらわれずに投票可能とする投票区外投票の検討や、期日前投票の投票時間弾力化、選挙人名簿制度の見直しなどを盛り込んだ。同省は今後さらに検討を進め、公職選挙法など関係法令を改正する方針。高市早苗総務相は三一日の閣議後記者会見で可能なものは来年の参院選からの適用を念頭に、「秋の臨時国会などで制度化」を目指す考えを表明した。


2015年04月10日発行(第3788号)

6月目途に15年版地方創生基本方針策定—政府
新型交付金や地方版総合戦略等支援など明記へ

政府は三日、「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・安倍晋三首相)を首相官邸で開き、六月を目途に二〇一五年版の地方創生基本方針をまとめるなどの今後の取り組み方針を決めた。安倍首相は、一六年度からの地方自治体向け新型交付金の本格導入を検討し、基本方針に明記することなどを指示。基本方針には地方版人口ビジョン・総合戦略の策定支援なども盛り込む。このため総合戦略策定の際の検討チームを基本方針検討チームに改め、具体的な検討に取り組む。


2015年04月17日発行(第3789号)

基礎的な医療・教育、「ナショナルミニマム」として国が責任—全国市長会
骨太指針や立法措置要請、少子化対策等で報告書

全国市長会の「少子化対策・子育て支援に関する研究会」(座長・田中俊行三重県四日市市長)は八日、報告書と提言を概ね取りまとめた。国と都市自治体の役割と責任を整理し、基礎的な医療・教育はナショナルミニマムとして国が責任を持つ必要があると指摘。国にはマクロの視点からの骨太の指針や立法措置、子ども医療費の無償化を全国一律で実施するなど国と地方の役割に応じた財源配分などを求めた。


2015年04月24日発行(第3790号)

地方創生、新型交付金と交付税の関係整理、提言へ—全国知事会
会長に山田京都府知事3選、大震災やマイナンバーで提言、要請も 

全国知事会議が二〇日、都内で開かれ、次期会長に山田啓二京都府知事を正式に再任(三選)するとともに、地方創生を巡り各都道府県にアンケート調査を行った上で五月に提言を行う方針を確認した。新型交付金と地方交付税との関係整理などを論点に挙げた。会議では、農地転用許可権限の地方移譲に伴い「適正運用」などを確認する「申し合わせ」を概ね了承したほか、▽東日本大震災の集中復興期間延長等の緊急提言▽マイナンバー制度の要請—も決めた。

2015年05月01・08日発行(第3791・92号)

地方創生事業費、5年間、継続的に1兆円程度を安定確保—総務省方針
歳出は重点・効率化、財源不足を早期解消 

総務省は四月二四日、二〇一五年度政府予算の成立を受けて全国都道府県財政課長等会議を都内で開き、今年度地方財政計画に計上した一兆円の地方創生事業費について、少なくとも五年間、継続的に一兆円程度の額の安定確保に努める方針を明らかにした。政府が今夏に計画策定する財政健全化では、必要な一般財源総額確保に取り組む考えを示す一方、国に合わせ歳出を重点化・効率化する必要性を指摘し、経済財政諮問会議の議論に留意を要請。早期に財源不足を解消し新規の臨時財政対策債をなくす方針を示したほか、公共施設老朽化対策や地方公会計整備など財政マネジメントの強化も求めた。

2015年05月15日発行(第3793号)

地方歳出水準等、18年度中間指標を提案—諮問会議民間議員
財政健全化で「論点整理」目標はPB黒字化等複数併記

政府は一二日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、今夏の財政健全化計画策定に向けて議論した。民間議員がたたき台となる「論点整理」を示し、経済と財政の一体改革により二〇二〇年度に国・地方の基礎的財政収支(PB)黒字化を実現するなどの複数目標を併記。当初三年を「集中改革期間」とし、一八年度時点の中間指標としてPB赤字のGDP比を一%前後にすることや国・地方の達成すべき歳出水準等を設定することを提案した。進捗評価の専門調査会を設け、地方への財政移転を伴う補助金等は自治体に成果指標の設定を求めることや、地方交付税のインセンティブ改革も盛り込んだ。安倍首相は「経済再生なくして財政健全化なし」だと強調し、経済・財政一体改革による達成計画を六月の骨太の方針に盛り込むよう指示した。

2015年05月22日発行(第3794号)

「大阪都」住民投票、僅差で反対多数
橋下市長引退表明、「総合区」に前進意向 

「大阪都」構想の賛否を大阪市民に問う住民投票が一七日投開票され、反対票が僅差で賛成票を上回り、過半数を占めた。大都市地域特別区設置法に基づく住民投票で、結果は投票率にかかわらず法的拘束力があり、二重行政解消のため大阪市を廃止し広域行政を府が、身近な行政を新たに設ける五つの特別区が担う構想は頓挫、大阪市の存続が決まった。投票率は六六・八三%。都構想を推進した橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)は記者会見で、一二月の任期満了で政界を引退すると明言。他党が対案に掲げた改正地方自治法で創設される「総合区」制度等を前進させる意向を表明した。



2015年05月29日発行(第3795号)

憲法の地方自治課題を検討、国に提起へ—全国知事会
日本再生デザインも創生観点でブラッシュアップ

全国知事会の「総合戦略・政権評価特別委員会」(委員長・飯泉嘉門徳島県知事)は二〇日、憲法改正に関し地方自治規定の課題を検討していく方針を決めた。徳島県の改正草案等を参考に改正内容を具体的に議論し国に提起する。併せて、二〇一三年にまとめた「日本再生デザイン」を地方創生の観点からブラッシュアップし、日本創生へ展開するための検討を行う方針も了承。アンケート調査で意見を募り七月上旬の次回会合までに論点を整理し、下旬に岡山で開く知事会議前に検討結果を山田啓二会長(京都府知事)に報告する。

2015年06月05日発行(第3796号)

地方交付税算定、自治体クラウドや実効的徴税率反映—高市総務相
財政力指数10%以上向上等目標には慎重、首相「メリハリ」支援指示

高市早苗総務相は一日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、地域経済の再生と財政健全化を両立させる地方行財政改革方針を提示した。地域経済の好循環を拡大しGDPを〇・三〜〇・四%程度押し上げる目標を明示。自治体業務改革や地方財政の見える化を進めるとし、地方交付税については、自治体クラウドなどの歳出効率化や、実効的な地方税徴収率を標準として算定に反映する考えを示した。一方で民間議員提案の財政力指数を一〇%以上向上させる等の目標については「検討が必要」と慎重姿勢を滲ませた。安倍首相は同相に対し、一八年度までに「見える化」を徹底して進めるよう指示。インセンティブ改革等が進むよう、「交付税制度はじめ、メリハリのついた地方行財政上の支援の仕組みを考えてほしい」と求めた。

2015年06月12日発行(第3797号)

東京圏高齢化問題、地方移住等提言—日本創成会議
「CCRC」に期待、「移住候補地」に41圏域提示

有識者でつくる日本創成会議の首都圏問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)は四日、「東京圏高齢化危機回避戦略」を発表した。一都三県で高齢者が急増し、二〇二五年に介護施設が約一三万床不足すると推計。東京圏のコスト高や人材流入による「地方消滅」加速を強調し、▽「日本版CCRC」等による東京圏高齢者の地方移住促進▽一都三県連携の総合プラン策定▽空き家活用等による高齢者集住化▽外国人受け入れなど医療・介護サービスの構造改革—等を提言した。同時に、独自指標により医療・介護余力があると評価した別府市などの四一圏域を「移住候補地」として示した。過疎地域型は利便性から除かれた。(4面に資料)


2015年06月19日発行(第3798号)

中間評価指標、PB赤字改善度「など」—政府
財政健全化計画等で骨子案、「歳出水準」焦点に

政府が今月中に策定する財政健全化計画を含む「骨太の方針2015」等を巡り、高市早苗総務相と地方六団体代表の意見交換会が一六日、同省内で開かれた。一〇日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)では政府が、骨太方針の骨子案を提示。健全化計画については、目標に二〇二〇年度の基礎的財政収支(PB)黒字化などを掲げ、一八年度の中間時点でPB赤字をGDP比一%程度とするなどの指標により進捗状況を評価するとした。歳出改革はインセンティブ改革などによりこれまでの取り組みを強化、地方も国と基調を合わせて改革を進めるとし、頑張る地方が報われる地方交付税改革などを挙げた。中間指標を巡り諮問会議では国・地方の歳出水準の設定が議論になった。

2015年06月26日発行(第3799号)

中間評価指標、国・地方歳出目安も設定—政府
骨太方針等で素案、地方は一般財源「実質同水準」で

政府は二二日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、「骨太の方針2015」の素案を示した。財政健全化計画では二〇年度の基礎的財政収支(PB)の黒字化等に向け、一八年度時点で中間評価する指標として、PB赤字の改善度に加え、国・地方の歳出水準の目安を設定。地方については、過去三年間の伸びを目安とする国の歳出の取り組みと基調を合わせつつ、一八年度までは一般財源総額を今年度の地方財政計画の水準と「実質的に同水準」にするとした。与党協議を経て今月中に閣議決定する。

2015年07月03日発行(第3800号)

地方移住や街なか居住へ日本版CCRC—政府
地方創生基本方針を決定、年内に「地方創生人材プラン(仮称)」策定

政府は六月三〇日の臨時閣議で、「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」を決めた。来年度予算編成や税制改正、年末の「総合戦略」改訂に向け今後の取り組み方向を示すもので、地方創生の「深化」によりローカルアベノミクスを実現させると強調。来年度からの新型交付金創設を明示するとともに、年末までに「地方創生人材プラン(仮称)」を策定するとした。同時に、高齢者らの地方移住や街なか居住のため来年度までに「日本版CCRC」のモデル事業を展開するとしたほか、▽東京圏の医療・介護問題等対応のための一都三県と国による連携▽観光地域づくりの推進主体「日本版DMO」の形成—などを盛り込んだ。

2015年07月10日発行(第3801号)

高齢者移住の費用負担、調整交付金の配分見直しで対応—厚労省
住所地特例拡大提案に否定的見解、負担「押し付け合い」強調

厚生労働省は三日、都会の高齢者らの地方移住等の受け皿となる「日本版CCRC」を巡り、転居者の介護費を転居前の自治体が負担する仕組みづくりに関し、介護給付費財政調整交付金の配分方法見直しで対応する方針を示した。一方で、特別養護老人ホーム等に直接転居した場合に移転前の自治体が負担する「住所地特例」の拡大については、例外措置であり負担・責任の押し付け合いになるとし、否定的見解を示した。同日の「日本版CCRC構想有識者会議」(座長・増田寛也東大大学院客員教授)で明らかにしたもので、内閣官房幹部によると、石破茂地方創生担当相はじめ出席者から異論は出なかったという。

2015年07月17日発行(第3802号)

庁内LANとインターネットの分離が効果的—総務省
情報セキュリティ抜本検討チームが初会合

総務省は九日、日本年金機構の個人情報流出問題を受け、自治体の情報セキュリティ対策を抜本的に見直す検討チームの初会合を省内で開いた。学識者や自治体委員らで構成し、庁内LANからインターネットを分離することや、セキュリティ対策の観点から自治体クラウドを加速することなどを検討する。高市早苗総務相は冒頭、抜本対策の早急な構築を要請。同省は「論点」として分離する場合のインターネット環境の構築や、マイナンバー制度を見据えた時間軸の設定などを挙げた。今月下旬に都道府県等を集めて全国会議を開くなどした上で、八月中に中間取りまとめを行う予定。

2015年07月24日発行(第3803号)

「団体規模に応じた議会」など論点に—政府31次地方制度調査会小委
多様な議員確保方策等も、選挙制度も「当然」議論

第三一次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・長谷部恭男早稲田大教授)は一五日、ガバナンスのあり方のうち、議会制度に関する「今後検討すべき論点」を審議した。論点には既存制度の積極活用を掲げる一方、団体規模に応じた議会のあり方や、議員の多様性確保・成り手不足解消の方策などを挙げた。委員からも事務局共同設置など既存制度が活用されていないとの認識や、団体規模に応じた制度・議員のあり方を考える必要性が指摘されたほか、成り手不足解消等のため選挙制度を議論すべきなどの意見が出た。

2015年07月31日発行(第3804号)

地方債発行届け出制の対象拡大—総務省方針
協議不要基準を緩和、特別転貸債等の対象化も問題なし

総務省は二三日、二〇一二年度に導入された地方債発行の届け出制度について、対象団体を拡大する意向を明らかにした。同日の「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会」(座長・小西砂千夫関西学院大大学院教授)で地方債制度見直しの「論点」を提示。公的資金も届け出制度の対象とすることや、実質公債費比率等による届け出等対象団体の基準を論点に挙げ、全額公的資金の特別転貸債等についても対象とする上で配分調整等の問題はないとの認識を示した。一一月に報告書を取りまとめる。

2015年08月07・14日発行(第3805・06号)

新型交付金、概算要求で1000億円—政府方針
地方負担で2000億規模に、府省裁量経費削り財源捻出

政府は四日のまち・ひと・しごと創生本部で、二〇一六年度に創設する地方創生の新型交付金に関する「統一的方針」を決定した。来年度概算要求で各府省の地方創生以外の裁量経費等から財源捻出して一千億円超を要求し、同額の地方負担と合わせ事業費ベースで二千億円超とする。石破茂地方創生担当相が七月二八日の全国知事会議で同方針を表明。昨年度補正予算の先行型交付金を大幅に上回る額を求めてきた知事会からは当初予算化等を評価する一方、規模感への不満が出た。同相は事業費ベースで先行交付金規模を上回ることを強調し、地方側にも財源確保につながる新たな取り組みを提案するよう求めている。

2015年08月21日発行(第3807号)

指定市町村、公共転用や農用地区域除外状況等で判断—農水省
農地転用権限移譲で指定基準検討会が初会合

第五次地方分権一括法により農地転用許可権限等が都道府県同様に移譲される「指定市町村」の具体的な指定基準を検討するため、政府の有識者検討会(委員長・楜澤能生早稲田大教授)の初会合が一七日、農水省内で開かれた。同省は、許可が不要な公園などへの公共転用状況等を判断基準とすることや、毎年転用許可状況等を報告させること等を提案。地方団体からは「我々を信頼していない」などの声や活用可能な制度とするよう求める意見などが出たが、同省も分権推進と農地確保のバランスの中で極力指定できる基準とする意向を示した。地方側が今後、今回示された論点に対する意見を文書で提出することを提案し、了承された。検討会は来年四月の施行に向けて一一月上旬までに取りまとめを行う予定。


2015年08月28日発行(第3808号)

全国的監査支援共同組織を構築—政府
地制調小委に監査制度で論点提示

政府は二〇日、第三一次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・長谷部恭男早稲田大教授)を総務省内で開き、ガバナンス関係のうち監査制度に関する「今後検討すべき論点」を提示した。地方分権や人口減少などを踏まえ、全自治体共通の統一的監査基準を自治体共同で策定すべきとしたほか、包括外部監査の回数や頻度を条例で定めることや、議員選出監査委員を置かないことの可能化を提起。監査基準の作成などを担う全国的な監査支援共同組織の構築などが必要とした。

2015年09月04日発行(第3809号)

財政健全化計画により地方一般財源微増—総務省16年度概算要求等
地方交付税は2%減に、歳出特別枠は同額仮置き

総務省は八月二八日、二〇一六年度予算の概算要求、重点施策、地方財政収支の仮試算等をそれぞれ発表した。一般会計要求総額は一・〇%増の一六・四兆円で、地方創生等予算の「特別枠」では約四二四億円要望した。仮試算では、歳出はいわゆる特別枠と地方創生事業費は同額で仮置き、社会保障費や給与関係費の増を計上。歳入は、地方税を三・六%増の三八・九兆円と見込み、地方交付税はリーマンショック後の「別枠加算」を〇・一兆円にとどめ出口ベースで二・〇%減の一六・四兆円、臨時財政対策債を二・一%減の四・四兆円とした上で一般財源総額は「財政健全化計画」に基づき交付団体ベースで〇・六%増の六〇・六兆円とした。

2015年09月11日発行(第3810号)

ハローワーク特区等の成果と課題検証—政府・地方分権改革有識者会議
「雇用対策部会」を再開、石破担当相ら政務も見直し意欲

政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)は二日、提案募集検討専門部会との合同会議を開き、ハローワークの地方移管について、これまで実施してきた「特区」等の成果と課題を「雇用対策部会」を再開し検証・検討する方針を決めた。今年一月に閣議決定した「対応方針」で成果と課題を検証するとしていたが、六月の会議で全国知事会が先駆けて検証結果等を報告。国にも検証等を求めた上で改めて地方移管を要請していた。石破茂担当相は会議で求職・求人側にとって何が最良かの観点から結論を出していく方針を表明。平将明内閣府副大臣は地域産業政策との一体運用に向けた見直しに意欲を示した。


2015年09月18・25日発行(第3811・12号)

首長は「内部統制」体制の整備・運用に責任—政府
監査支援で共同組織、自治体ガバナンスで地制調小委に論点

政府は一〇日、第三一次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・長谷部恭男早稲田大教授)に、諮問事項のうち自治体ガバナンスに関する「今後検討すべき論点」を示した。人口減少下では各主体が役割分担してガバナンスを確保すべきと指摘。首長に「内部統制体制」の整備責任があることを明確化する一方、監査委員は内部統制では対応できないリスクの高い分野等に監査を重点化させ、このため統一的監査基準を作成するなどの監査支援共同組織の構築を提案した。議会については、これらをチェックするなどの監視を重点的に行い、議員選出監査委員について選択制にすることも提起。一方で住民訴訟での首長や職員への損害賠償責任については、委縮効果も指摘されているとし、故意・重過失に限定することが必要とした。

2015年10月02日発行(第3813号)

「単コロ」等将来負担比率に反映、地方債届け出制の対象拡大—総務省
健全化法と地方債発行への国の関与等で見直し案

総務省は九月二九日、自治体財政健全化法と、地方債発行への国の関与等見直し案を有識者研究会(座長・小西砂千夫関西学院大大学院教授)に示した。一般会計から第三セクター等への年度をまたいだ「単コロ」などの不適切貸し付けについて、現行の三セク損失補償の反映スキームを参考に将来負担比率に反映することや、同省が公表する「財政状況資料集」に資産老朽化比率等の新指標を加えることなどを提案した。地方債発行では許可基準は変更しないが、協議不要基準を緩和(届け出対象を拡大)。公的資金は引き続き届け出制度の対象外とするが、全額公的資金の特別転貸債等について新たに届け出制度の対象とする方針を示した。一一月予定の取りまとめの議論を経て、早ければ来年の通常国会に関連法改正案が提出される。(4面に図)

2015年10月09日発行(第3814号)

統一監査基準作成等で全国共同組織—政府
「内部統制」制度化、自治体ガバナンスで総括論点案

政府は二日、第三一次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・長谷部恭男早稲田大教授)に自治体ガバナンスに関する「総括的な論点整理」案を示した。人口減の中で事務処理の適正性を確保するなどのガバナンスの仕組みを首長、議会、監査委員、住民が連携・役割分担して確保することが重要と指摘。「内部統制」に関する基本方針の作成など体制整備の責任と権限が首長にあることをまずは都道府県等から制度的に明確化すべきとした。監査委員は専門性の高い監査に重点化するとし、統一監査基準の作成等を担う全国的共同組織の構築や議員選出監査委員の選択制を提案。首長等への損害賠償請求による萎縮効果低減のため住民訴訟制度の見直しも必要としたが、議会制度については事務局共同設置など現行制度の活用を強調した。


2015年10月16日発行(第3815号)

KPI例に交付税「トップランナー」効果等—政府
財政健全化計画工程表等で中間整理

政府の「経済・財政一体改革推進委員会」(会長・新浪剛史サントリーホールディングス社長)は一三日、「財政健全化計画」を実行するための改革工程表とKPI(重要業績評価指標)に関する「中間整理」を概ね了承した。地方行財政改革では、KPI例に、他団体のモデルとなる歳出効率化の取り組みを地方交付税の基準財政需要額算定に反映する「トップランナー方式」の導入効果や、窓口業務のアウトソーシング等に取り組む市町村数倍増などを挙げ、経済財政諮問会議で議論が必要な「重点課題」に「トップランナー方式」等を位置付けた。近く経済財政諮問会議に報告し、政府は年内に工程表・KPIを策定・設定する方針。



2015年10月23日発行(第3816号)

民間議員、交付税改革等で金額等セミマクロ指標提案—諮問会議
高市総務相、効果額指標等に反論、国の設定前提と牽制

政府は一六日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、「財政健全化計画」の工程表やKPIを巡り議論した。民間議員は専門調査会がまとめたKPI等に関する「中間整理」を踏まえ、国・地方の基礎的財政収支(PB)黒字化等の目標達成に向け、▽歳出効率化等のモデル的取り組みを地方交付税算定に反映する「トップランナー」方式▽自治体等サービスのコスト、政策効果等の徹底した「見える化」—などを「重点課題」とし、進捗効果を金額ベースで計る「セミマクロ指標」を明確化するよう提案。高市早苗総務相は「トップランナー方式」や地方公会計整備等への取り組み方針、窓口業務等アウトソーシング市町村を倍増させるなどのKPI候補を示す一方、セミマクロ指標については、議論が不十分で国の歳出への設定が前提だと牽制。交付税改革で歳出や基準財政需要・収入額への効果額を指標とするのは不適当などと反論した。



2015年10月30日発行(第3817号)

複眼型中枢市や中枢都市圏以外の広域連携も後押し—政府
行政体制とガバナンスで総括論点案、地方独法活用に両論

政府は二三日、人口減少下の地方行政体制と自治体ガバナンスに関する「総括的な論点整理」案を第三一次地方制度調査会の専門小委員会(委員長・長谷部恭男早稲田大教授)に示した。行政体制のうち地方圏では、広域連携が可能な地域で地方中枢都市圏等の形成を進める一方、困難な地域では都道府県による補完が有用だと整理。窓口業務など公権力の行使を含む包括的業務を処理させるための地方独立行政法人の活用を提案した。さらに中枢都市について、山口・宇部市を例に、隣接する二つの市が核となる複眼型を容認するほか、京都府北部を例に中枢都市圏以外の広域連携も後押しする姿勢を打ち出した。ガバナンスでは、内部統制の制度化、統一的監査基準作成等を担う全国共同組織の構築、四号訴訟など住民訴訟の見直しなどを盛り込んだ。来年前半までにまとめる答申を受け、早ければ同年通常国会に関連法改正案が提出される見通し。

2015年11月06日発行(第3818号)

ハローワーク特区拡大、「指示権」踏まえさらに検討—内閣府
「一体的実施」等で充実対応案、地方移管には慎重姿勢

内閣府は一〇月三〇日、ハローワークに関する「特区」と「一体的実施」等の充実対応案をまとめ、地方分権改革有識者会議の「雇用対策部会」(部会長・小早川光郎成蹊大法科大学院教授)に示した。「一体的実施」と「特区」は機能しており事業を継続すべきと整理。充実策は全国知事会等の意見を踏まえ、「一体的実施」での就職実績情報の提供や、国の意思決定迅速化のための対応スキーム化等を挙げたが、特区の県内複数・全域での実施については具体的な要望等を聞いた上で対応する案を示すなど、今後の検討次第の対応案も目立った。現在二カ所にとどまる特区の実施箇所拡大についても、知事から国の出先局長への「指示権」の効果を踏まえさらに検討が必要とするにとどめ、移管と同様の実施体制で地方が業務を行うことについては、地方移管そのもので慎重検討が必要とし、移管への慎重姿勢を示した。

2015年11月13日発行(第3819号)

不適正公共転用、施設公益性も考慮—政府検討会
過去5年の転用等で判断、農転権限「指定市町村」で指定基準

農水省と内閣府共催の有識者等検討会(委員長・楜澤能生早稲田大教授)は一〇日、農地転用許可等の権限を都道府県同様に移譲する「指定市町村」の指定基準・指定手続き等案を了承した。▽優良農地確保目標を設定▽過去五年間に不適正な転用許可等がないこと▽原則二年以上の事務経験がある職員二名以上を継続確保—などを具体的な指定基準とし、現行では転用許可不要の公園等への公共転用については、「施設の公益性」を考慮しても著しく不適正な事案がないことを指定の判断基準とした。地方団体側は基準案を了承した上で、指定市町村が定める農地確保目標を尊重するなどの運用上の留意点を連名で要請。農水省は来年四月の施行に向けて、基準等を政省令に、それを補足する「考え方」等を通知に規定する作業等を進める方針。

2015年11月20日発行(第3820号)

不適切短期貸付等、「将来負担比率」に反映—総務省研究会
地方債発行、協議不要基準を緩和、健全化法等見直しで報告書

総務省の「地方財政の健全化及び地方債制度の見直しに関する研究会」(座長・小西砂千夫関西学院大大学院教授)は一三日、報告書案を概ね了承した。財政健全化法関係では、第三セクター等に対する不適切な短期貸し付けや、自治体負担の可能性がある公有地信託を新たに将来負担比率に反映するよう提言。統一基準の公会計で把握される新財政指標や指標組み合わせによる財政分析も求めた。地方債では許可基準は変更しないが、協議不要基準を緩和し、届け出制度対象団体を拡大。公的資金は引き続き届け出制の対象外とするが、全額公的資金の特別転貸債等を新たに届け出制度の対象にする。新発債四月条件決定分の届け出を可能とするなどの運用見直しも提言した。同省は早ければ来年の通常国会に関連法改正案を提出する。

2015年11月27日発行(第3821号)

ハローワーク、法に基づく「協定」で指示権同等の「要請」を全国化—政府分権部会
地方版ハローワークも創設、国職員派遣で雇用保険認定等も可能に

政府・地方分権改革有識者会議の「雇用対策部会」(部会長・小早川光郎成蹊大法科大学院教授)は二〇日、ハローワークの地方移管を巡り、地方が独自に設置する「地方版ハローワーク」を創設する一方、国のハローワークに対し、法律に基づく「協定」の締結により、現行の「特区」制度における「指示権」と同等の「要請」を全国的に可能にする改革案を盛り込んだ報告書を了承した。「地方版」では、現行でも国に届け出れば行える自治体による無料職業紹介に対する国の関与を廃止し、求人情報の提供を拡充、国の職員派遣等により雇用保険の認定等も可能にする。一方で、併存する国のハローワークには「指示権」同等の「要請」を行える地方から国への“関与”を設けることで、それぞれ実質的な地方移管状況を創出する。二六日の有識者会議に報告。年末の政府の対応方針決定等を経て、早ければ来年の通常国会に関連法案が提出される見通し。

2015年12月04日発行(第3822号)

交付税トップランナー方式、16年度から庶務業務など16業務で段階導入—高市総務相
「徴収率」も上位3分の1で算定、留保財源率検討期限には反論

高市早苗総務相は一一月二七日の経済財政諮問会議で、政府の「経済・財政再生計画」(財政健全化計画)の実行に向けた地方行財政改革の具体策を提案した。地方交付税改革では、基準財政需要額の算定に、歳出効率化のモデル的取り組みを反映する「トップランナー方式」について、二三業務を対象にし、二〇一六年度から庶務業務など一六業務に対し複数年かけて段階的に導入。残る窓口業務など七業務についても一七年度以降の導入を検討するとした。さらに基準財政収入額の算定に用いる地方税の「標準的徴収率」についても上位三分の一の団体の徴収率を段階的に反映する。同時に、行政改革や決算情報等の「徹底した見える化」も進めるとしたが、民間議員が求めた留保財源率の「集中改革期間中」(一八年度まで)の検討などには慎重な検討が必要だとし、期間を区切ること等に反論した。(4面に資料)

2015年12月11日発行(第3823号)

財政健全化でアクションプログラム原案—政府推進委
創生事業費「成果」配分、19年度から5割以上に、コンパクトシティ化で集住目標も

政府の「経済・財政一体改革推進委員会」(会長・新浪剛史サントリーホールディングス社長)は七日の経済財政諮問会議に、二〇二〇年度までの「財政健全化計画」を実行するアクションプログラム原案を示した。コスト等の「見える化」と、思慮深い歳出配分(ワイズスペンディング)を柱に、地方行財政などの歳出等改革について工程表やKPIを提示。交付税算定に歳出のモデル的効率化や上位の徴税率を反映することなどにより、▽地方創生事業費の「成果」配分を一九年度から五割以上▽窓口業務のアウトソーシングに取り組む団体を倍増▽クラウド導入団体を倍増▽システム運用コストを三割圧縮—などの目標値を示した。コンパクトシティによる集住目標や学校の小規模化対策などの目標も掲げた。年内に決定する。

2015年12月18・25日発行(第3824・25号)

税源偏在是正で「法人事業税交付金」創設—与党16年度税制改正大綱
車体課税、環境割で詳細制度、償却資産で時限的減税も

自民、公明両党は一六日、地方法人課税による税源偏在是正の拡充などのほか、消費税の軽減税率を含む二〇一六年度与党税制改正大綱を決めた。軽減税率については、二〇一七年四月の消費税率一〇%と同時に、「酒類、外食を除く生鮮食品と加工食品」等を対象に国・地方合計消費税率を八%とする制度を導入する。軽減税率による減収は一兆円規模で来年度末までに恒久財源を確保するとした。法人実効税率は二〇%台への引き下げを一六年度に前倒す一方、法人事業税の外形標準課税を拡大。消費税率一〇%に伴い、市町村への「法人事業税交付金」を創設するなど地方法人課税による税源偏在是正規模も拡大する。自動車取得税廃止と同時に、実質約二〇〇億円の減税ながら自動車税等に「環境性能割」を導入する詳細制度も盛り込んだ。さらに、新規償却資産の固定資産税を時限的に半減する制度も創設するとしたが、企業版のふるさと納税新設や市町村による森林整備財源新税の検討、地方の本社機能強化促進税制の拡充、耕作放棄地や空き家対策税制等も盛り込んだ。ゴルフ場利用税は維持された。

2016年01月01・08日発行(第3826・27号)

地方一般財源総額0・2%増の61・7兆円を確保—16年度地方財政対策
交付税0・3%の微減に、「重点課題対応」(仮称)歳出を創設

二〇一六年度の地方財政対策が高市早苗総務相と麻生太郎財務相の閣僚折衝で決着した。「財政健全化計画」に基づき、地方一般財源総額を前年度比〇・二%増の六一・七兆円確保。リーマンショック後に措置された歳出「特別枠」を四七・三%減の〇・四兆円としたが、情報システム改革や高齢者支援等に必要な経費を「重点課題対応分(仮称)」として、新たに地方財政計画の歳出に〇・二五兆円計上、公共施設老朽化対応経費も〇・一五兆円増額し実質同水準を確保。地方創生事業費は前年度同額の一兆円としたが、地方創生新型交付金の地方負担分を別に措置する。歳入は地方税の三・二%増等が見込まれることから、歳出特別枠に対応する交付税の別枠加算は廃止するが、交付税総額(出口ベース)は一六・七兆円と〇・三%の微減にとどめ、臨時財政対策債を一六・三%と大幅に減らし、一般財源の「質」も高めた。


2016年01月15日発行(第3828号)

女性活躍・人材活用推進室を新設—総務省
事業主計画等支援、「策定例」で柔軟人事プラン等例示

総務省は来年度、公務員部に「女性活躍・人材活用推進室(仮称)」を新設する。自治体に今年度内の特定事業主行動計画策定を義務付ける女性活躍推進法や、四月から施行される人事評価制度の義務付けなどを背景に、▽女性地方公務員の活躍▽地方公務員の高齢対策▽地方公務員の人事評価—などの事務を所掌する。安倍内閣は女性の活躍推進を含む一億総活躍社会の実現を打ち出し、二〇二〇年までに「指導的地位に占める女性割合を三〇%程度とする目標を掲げており、昨年末には市町村も含む自治体に対し、課長や係長相当職など階層ごとの女性登用目標等を定めた第四次男女共同参画基本計画を閣議決定。自治体の行動計画策定支援等を盛り込んでおり、女性職員の個別事情に応じた柔軟な人事プランの作成などの取り組みを例示する同計画の「策定例」も作成・送付した。


2016年01月22日発行(第3829号)

地域再生法改正で地方創生新型交付金—政府
複数年交付可能に、CCRC構想の枠組みも規定

政府は二〇一六年度から創設する地方創生の新型交付金(「地方創生推進交付金」)について、安定的・継続的に事業に取り組めるよう、地域再生法に基づく交付金として位置付ける方針を固めた。地域再生計画の認定を通じて複数年度にわたる交付を可能とする。移住する高齢者ら向けの地域共同体を整備する「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)構想の枠組みや、新設する「企業版ふるさと納税」の要件なども盛り込んだ地域再生法改正案を今通常国会に提出し、早期成立を目指す。



2016年01月29日発行(第3830号)

「トップランナー方式」、段階補正で調整—総務省
特別交付税6%維持へ法案、16年度地財運営で会議

総務省は一月二五日、都道府県財政課長等会議を開き、二〇一六年度の地方財政見通し・予算編成上の留意事項を説明するとともに、各都道府県・議会等あての「事務連絡」を示した。地方一般財源を前年度微増とし、地方交付税総額をほぼ同程度確保するなどの来年度地方財政対策を説明するとともに、基準財政需要額の伸び率を掲示。来年度からモデル的な歳出効率化を交付税算定に反映する「トップランナー方式」について、段階補正を見直す方針を示したほか、リーマンショック後に設けられた「歳出特別枠」を実質確保するため来年度から歳出計上する「重点課題対応」分等において、普通・特別交付税を組み合わせた財政措置を行う考えを示した。さらに、来年度算定から一五年国勢調査人口が用いられること等に留意を要請。交付税総額に占める特別交付税割合を六%に維持する等の交付税法等改正案を国会提出する方針も説明した。(4面に説明詳報)

2016年02月05日発行(第3831号)

新型交付金、複数年度交付可能に—政府
地域再生法で改正案、「CCRC」を制度化、企業版ふるさと納税も

政府は、来年度から創設する地方創生の新型交付金(「地方創生推進交付金」)を法的に位置付ける地域再生法改正案を今通常国会に提出する。同法に基づき自治体が定める地域再生計画について、複数年度の計画も認定対象にすることで交付金の安定的・継続的な交付を可能化。中高年齢層の地方移住等による地域共同体をつくる「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)構想を制度化するため、市町村が事業計画を作成するなどの仕組みや、「地域再生推進法人」に関し自治体の株式会社への三%出資要件を廃止するほか、介護事業者指定等の特例措置を盛り込む。さらに、「企業版ふるさと納税」創設のため、地方法人課税等が軽減される対象寄附要件なども定める。五日にも閣議決定し、年度内成立を目指す。

2016年02月12日発行(第3832号)

公営企業会計、下水道事業79%、簡易水道事業80%で適用等—総務省調査
19年度までの進捗踏まえ法制化検討

総務省は二〇一九年度までに、特に下水道と簡易水道の両事業について人口三万人以上の地方自治体では公営企業会計を適用するよう求めているが、昨年一〇月一日時点で、適用済み・適用に取り組み中の割合が、下水道事業で七九・〇%、簡易水道事業で八〇・三%に上ることが五日、総務省が公表した調査結果で明らかになった。公営企業の経営・資産等をより正確に把握する民間会計基準と同様の公営企業会計の適用促進は、政府の骨太方針等にも盛り込まれており、同省は進捗状況を踏まえて法制化を検討する方針。

2016年02月19日発行(第3833号)

「共通投票所」創設等で公選法改正案—政府
期日前投票時間を弾力化、子ども同伴は原則可能に

政府は一二日の閣議で、投票率向上のため、各市町村内であればいずれの投票区に属する選挙人でも投票できる「共通投票所」の創設を柱とする公職選挙法等改正案を決めた。各団体の判断により、既存投票区の投票所に加え、駅や商業施設など利便性の高い場所に共通投票所の設置を可能にする。期日前投票の投票時間弾力化、投票所に同伴可能な子どもの範囲拡大も盛り込んだ。同日衆院に提出、夏の参院選からの適用を目指す。

2016年02月26日発行(第3834号)

道州制、参院選へ「しっかり取り組む」—自民推進本部長
首相の指導力が重要、気運盛り上げへ国民会議も

自民党道州制推進本部の原田義昭・新本部長は一八日、道州制を前に進めるため、今夏の参議院選挙に向けて「しっかり取り組んでいく」意向を示した。道州制を目指す知事・指定都市市長連合から、参院選公約への盛り込み、早期の基本法案国会提出を要請されたことを受けたもので、気運を盛り上げるため各界各層が議論する国民会議や、積極派首長による地方六団体の説得が必要との考えも表明。強制合併を懸念する町村については「自ずから人口増減で自然に整理される」との認識を示した。原田氏と首長連合ともに、安倍晋三首相の指導力の重要性も強調した。(4面に発言要旨)

2016年03月04日発行(第3835号)

人口減の行政体制とガバナンスで答申—第31次地方制度調査会
監査支援全国共同組織を構築、公権力含む外部委託で地方独立行政法人活用

第三一次地方制度調査会(会長・畔柳信雄(株)三菱東京UFJ銀行特別顧問)は二月二九日、都内で総会を開き、人口減少社会に対応する地方行政体制とガバナンスのあり方に関する答申を取りまとめた。人口減少で各資源が限られる中、首長ら各主体が役割分担してガバナンスを確保すべきと指摘。全首長が「内部統制体制」を整備・運用する権限と責任があることを制度化し、監査については▽統一的基準を自治体共同で策定▽統一基準策定等を担う全国共同組織を構築▽議員の監査委員は選択制化—などを提言した。住民訴訟の首長等への損害賠償請求のあり方も見直すべきとした。行政体制では、窓口業務など公権力の行使を含む外部委託を可能にするため地方独立行政法人の活用を制度化するほか、二つの中心的な市による「複眼型」の「連携中枢都市」や、自治法の連携協約を活用した中枢圏等以外の広域連携も支援すべきとした。近く安倍首相に提出。総務省は、地方自治法等改正案について「次の国会以降に提出する」としている。(3面に関連記事)

2016年03月11日発行(第3836号)

「施策・事業の執行業務」等に移転意義—政府
中央省庁地方移転で「考え方」、国会対応業務等は対象外

政府は三日、政府関係機関移転に関する有識者会議(座長・増田寛也元総務相)を開き、文化庁や消費者庁など中央省庁の地方移転に関する「基本的考え方」を示し了承された。危機管理、外交、国会対応業務は移転対象外とし、「施策・事業の執行業務」等を移転の「意義が大きい」と位置付けた。国の業務全般について、テレビ会議などの実証実験を行っていく方針も示した。一方、研究・研修機関の移転では、拠点ごとに二〇一六年度内に五〜一〇年程度の「年次プラン」を作成し、フォローアップしていく方針を提示。政府は今後、中央省庁の移転基準等によりさらに検討を進め、移転の「基本方針」を三月中に決定する方針。


2016年03月18日発行(第3837号)

ハローワーク、「地方版」創設等で実質移管—政府
首長に厚労相への「要請」権、第6次分権一括法案を決定

政府は一一日の閣議で、「地方版ハローワーク」の創設などを柱とする第六次地方分権一括法案を決定した。地方から改革提案を募る「提案募集方式」を巡り二〇一五年は、二二八件の提案のうち一六六件(七二・八%)を実質的に実現することにしたが、うち法律事項について一五の関係法律を一括改正する。ハローワークの地方移管について、地方自治体の無料職業紹介に対する国の関与を廃止するなどし、地方が独自に設置できる「地方版ハローワーク」を創設。一方で、併存する国のハローワークと法律に基づく「協定」の締結等により連携することを規定するほか、首長から厚労相への必要な措置の「要請」を可能にする。このほか、▽町村による工場緑地面積率等に係る地域準則の制定▽都道府県による一定の保安林解除での農水相同意廃止—なども盛り込んだ。権限等移譲を伴うものは一七年四月一日から施行する。


2016年03月25日発行(第3838号)

文化庁、京都に「全面的移転」明記—政府
中央省庁等地方移転で基本方針、消費者庁等は8月に結論

政府は二二日、全閣僚でつくる「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・安倍晋三首相)を開き、中央省庁等の地方移転に関する基本方針を決定した。八道府県から七機関の移転案が示された中央省庁では、文化庁を数年内に京都府へ「全面的に移転する」と明記し、年内に具体的内容を決めるとした。消費者庁は徳島県への移転に向け、総務省統計局は統計データ利活用業務の和歌山県での実施について、それぞれ検証等を経て八月末までに結論を得る。一方、観光庁など四庁は国の出先機関機能強化などにとどめた。省庁以外では二三の研究・研修機関について、三一府県で連携拠点などを設けるとし、一六年度中に五〜一〇年の年次プランを策定する。このほか今後、政府全体でテレワーク等の実証実験に取り組み、成案を得ることも盛り込んだ。

2016年04月01日発行(第3839号)

デジタルポイントで売り上げ1・5兆円増—政府
自治体介し地域商店街に還元、「マイキー」活用で活性化戦略素案

政府は三月二四日、「マイキープラットフォーム」を活用した地域活性化戦略の素案を有識者等検討会(座長・太田直樹総務大臣補佐官)に示した。一月から交付が始まったマイナンバーカードのうち、電子証明書関係など民間も利用できる領域を「マイキー」部分とし、これを活用して公共施設や商店街などの各種サービスを呼び出す共通情報基盤を「マイキープラットフォーム」と位置付けているが、商店街などが発行するポイント等をプラットフォームを構築し自治体を介すことで、商店街などへの還元、負担軽減を促進する。全国で約五〇兆円の商店街売り上げを三%(一・五兆円)増やす目標を掲げた。

2016年04月08日発行(第3840号)

アベノミクス税収増を“恒久財源”に—経済財政諮問会議
活用方針明確化を、民間議員が600兆円経済実現へ提言

政府は四日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、六月をめどに策定する「骨太の方針」に向け、六〇〇兆円経済の実現と、経済・財政一体改革(財政健全化)について議論した。民間議員は来年四月の消費増税のための環境整備や、地域少子化対策交付金など結婚・出産支援の拡充、「子育て支援バウチャー」、プレミアム付き商品券など「成長と分配の好循環」に向けた重点政策を提案。税収増などのアベノミクスの成果を一億総活躍社会等に必要な恒久財源として活用すべきと示唆し、活用方針の明確化を提案した。一方で、児童手当などの国庫支出金についてPDCAの仕組みによる検証、義務教育費国庫負担金などの義務的経費をエビデンスに基づく予算要求に改めるよう提言した。

2016年04月15日発行(第3841号)

交付税財源余剰、国に債務縮減にも—財務省
健全化歳出改革、地財計画に反映を

財務省は七日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、「経済・財政再生計画」(財政健全化計画)の実行に向けた地方財政改革の「課題」を提示した。内閣府の財政試算によれば二〇一七年度以降、税収増等により地方財政の財源不足のうち、国と地方で折半確保する財源不足(折半対象財源不足)が解消する見込みと指摘。これによる財源余剰をこれまで国が地方の財源不足を負担してきた経緯を踏まえ、国の債務縮減にも充てるべきとの考えを示した。同時に、地方交付税算定の「トップランナー方式」導入などの歳出改革を事後的に地方財政計画に反映し、交付税削減につなげるべきとの考えを示唆した。(解説別掲)


2016年04月22日発行(第3842号)

衆参同日選、政権選択なら点数評価で—全国知事会特別委員会
参院は地域代表制に、各党政権公約へ要請素案

全国知事会は一四日、都内で「総合戦略・政権評価特別委員会」(委員長・飯泉嘉門徳島県知事)を開き、今夏の参議院選挙等を睨み、参院合区解消のため憲法改正等を提起する要請書の素案と、これらを各政党の政権公約に反映するよう求める提言素案を議論した。合区解消では、有識者研究会の報告を踏まえ、憲法改正により参院の「地域代表制」を明記することなどを提案。政権公約への提言では、これら地方分権改革の推進や地方創生、人口減少に対応する少子化対策の抜本強化などを盛り込んだ。いずれも今後、全都道府県の意見照会等を経て、合区解消要請は五月三日の憲法記念日を、公約提言は五月中旬をめどに取りまとめる方向。公約提言への各政党回答は定性評価を行うが、衆参同日選となった場合は点数評価を行う方針。



2016年04月29日・05月06日発行(第3843・44号)

子育て支援等にアベノミクス成果を活用—経済財政諮問会議
健全化計画の枠組みの下で、600兆円経済へ実現方針

政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は四月二五日、年央に策定する「骨太の方針」に向け、名目GDP(国内総生産)六〇〇兆円経済の実現方針を取りまとめた。経済成長と分配の好循環確立のため、六〇〇兆円など新三本の矢による数値目標を実現する上で、子育て支援などに「アベノミクスの成果」を財政健全化計画の枠組みの下で活用する方針を明記。活用方針を明確化するとした。一方、財政健全化計画の実行等を巡っては、民間議員が、地方自治体向け交付金等について「パフォーマンス指標」の設定を求め、評価の仕組みを構築すべきとしたほか、コンパクトシティを実現するための「非市街化区域」の導入などを提案した。

2016年05月13日発行(第3845号)

臨時財政対策債約52兆円残高縮減、課題に—総務省
地方財政全面見える化焦点、16年度予算等で都道府県課長会議

総務省は二〇一六年度予算・関連法の成立を受け、全国都道府県財政課長等会議を省内で開き、地方行財政を巡る留意事項を説明した。政府が二〇二〇年度までの国・地方の基礎的財政収支(PB)黒字化を目指し策定した「財政健全化計画」を巡り、固定資産台帳整備から公営企業会計の適用などまで地方財政の「全面的見える化」を図る意向を強調。併せて、財務省が地方交付税の国・地方折半対象財源不足を巡り、解消されれば国の債務縮減にも充てるべきと主張していることに関し、一六年度末で約五二兆円に上る臨時財政対策債の縮減が「大きな課題になる」と強調した。(4面に主な説明詳報)

2016年05月20日発行(第3846号)

アベノミクス「成果」活用方針を明示—政府
歳出削減を地域還元、「骨太の方針20016」で骨子

政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は一一日、六〇〇兆円経済の実現と財政健全化目標達成の双方を目指す今年の「骨太の方針」の骨子を決めた。成長と分配の好循環を実現するため、税収増などアベノミクスの成果の活用方針を明示し、歳出効率化の成果を地域に還元する仕組みの構築なども盛り込む方向を示した。安倍首相は自治体窓口業務の民間委託や業務のIT化などを「横展開」させることが「何より重要」との認識を示し、五月中に骨太の方針を取りまとめるよう作業の加速を指示した。(4面に関連資料)


2016年05月27日発行(第3847号)

新3本の矢連関で「成長と分配」の好循環—政府、骨太方針素案
交付金に指標設定、歳入・歳出「成果」活用

政府は一八日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」の素案を提示した。六〇〇兆円経済や希望出生率一・八に向けた取り組みなど新三本の矢を相互に連関させることで、「成長と分配の好循環」を実現するとし、介護・保育士の処遇改善等の恒久財源にアベノミクスの「成果」を活用すると明記。歳出抑制の「成果」を地域等への改革インセンティブとする方針も示した。昨年盛り込んだ経済・財政再生計画(財政健全化計画)の達成に向け、地方財政の「見える化」を徹底し、地方の裁量度が高い交付金等への指標設定・評価のための仕組みを構築することも盛り込んだ。与党との調整を経て、三一日に閣議決定する予定。(4面に関連発言要旨)

2016年06月03日発行(第3848号)

人材育成基本方針見直しへ「視点」案—総務省
任用多様化等背景、進捗管理の仕組み等も検討

総務省は五月三一日、「地方公共団体における多様な人材の活躍と働き方改革に関する研究会」(座長・辻琢也一橋大副学長・大学院教授)の初会合を省内で開き、「人材育成基本方針」の見直し「視点」案を示した。能力・実績に基づく人事評価の義務付けや事業主計画を義務付ける女性活躍推進法の施行、臨時・非常勤職員など任用形態の多様化を踏まえ、人材育成や働き方の見直しを検討。「視点」には▽評価制度の人材育成への活用▽ライフサイクルに応じた人材育成▽任用形態等に応じた人事管理▽進捗や業績を管理する仕組みの確立—などを掲げた。年内に報告書を取りまとめる予定。(4面に資料)

2016年06月10日発行(第3849号)

消費増税延期と20年度黒字化明記—政府
税収増等で「好循環」、「骨太の方針」等を決定

政府は二日の閣議で、「経済財政運営と改革の基本方針2016」(骨太の方針)、「ニッポン一億総活躍プラン」「日本再興戦略2016」(成長戦略)をそれぞれ決定した。安倍晋三首相の消費増税再延期表明や与党との調整を五月の原案等に反映。強い経済など新三本の矢で成長が分配を、分配が成長をうむ「成長と分配の好循環」を確立するとし、ローカルアベノミクスの深化やアベノミクスの「成果」の活用等による子育て支援策等を盛り込む一方、消費税一〇%への引き上げは二〇一九年一〇月まで二年半延期する方針を明記。同時に、地方歳出の効率化等により、二〇年度の財政健全化目標も国・地方の基礎的財政収支(PB)「黒字化」を明示した上で「堅持する」とした。


2016年06月17日発行(第3850号)

社会保障充実、赤字国債頼らず可能な限り—自民党公約
消費増税は19年10月、20年度PB黒字化堅持

自民党が二二日公示、七月一〇日投票の参議院選挙に向けて公約を公表した。GDP六〇〇兆円実現へローカルアベノミクス等を推進するとし、デフレ脱却のため消費税率一〇%への引き上げを二〇一九年一〇月まで延期する一方、二〇年度の基礎的財政収支(PB)黒字化目標は堅持すると明記。消費増税により行う予定だった社会保障の充実は、赤字国債に頼らずに可能な限り実施するとした。道州制導入や導入までの道州制特区法等の活用、参議院議員が各都道府県から選出される選挙制度の検討なども盛り込んだ。


2016年06月24日発行(第3851号)

各都道府県選出の参議院選挙制度検討を評価—全国知事会
自民党に最良評価、参院選各党選挙公約で結果公表

全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は一九日、七月一〇日投票の参議院選挙に向けた与野党九党の公約評価結果を公表した。評価できる点と評価できない点をコメント評価したが、評価できる項目が最も多いのも、評価できない項目数を差し引いた数が最も大きいのも自民党。地方創生や復旧・復興を含む地方財源確保のほか、参院選挙制度について各都道府県から選出される仕組みの検討を盛り込んだことなどが評価された。公明党は評価が四つ、評価できないが二つで、民進党は評価と評価できない項目がそれぞれ三つだった。

2016年07月01日発行(第3852号)

消費増税再延期、必要財源は国の責任で—全国知事会
車体課税は「前提」が変化、地方税財源確保で提言案

全国知事会は六月二三日、「地方税財政常任委員会」(委員長・石井隆一富山県知事)を開き、地方税財源の確保・充実等を求める提言案を議論した。案では消費税率一〇%の再延期に伴う必要な地方財源を国の責任で確保するよう要請。再延期に伴う地方法人課税による税源偏在是正など地方税制への影響についても対応を求め、車体課税は再延期で前提も変わったとして負担軽減すべきでないとした。地方交付税の「トップランナー方式」等を踏まえ、防災・減災対策財源を含めた地方一般財源総額の確保も求めた。愛知県からは車体課税に関し反対意見が出たほか、地方も税負担を求める努力やふるさと納税の基準づくり等も議論になった。


2016年07月08日発行(第3853号)

市町村提案団体数が1・8倍、提案件数が1・5倍に—政府・地方分権有識者会議
16年提案募集、「重点事項」は50件、子育て支援関係4倍超に

政府は五日、地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)等合同会議を開き、二〇一六年の地方団体等からの改革提案総数は前年比約九%減の三〇三件だったと報告した。低調だった市町村の提案を促すため全国で説明会を開催したこと等により、前年比で市町村の提案団体数が一・八倍、提案件数も一・五倍となった。分野別では子育て支援関係の提案が四倍以上に増えた。有識者会議では、総数のうち、幼保連携型認定こども園の設備基準の緩和や、北海道島牧村が提案した指定小規模多機能型居宅介護の居間と食堂の共用規制緩和のほか、川口市による他自治体で退職した職員の再任用可能化など五〇件を専門部会で検討する「重点事項」に決定、市町村提案の増等を踏まえ専門部会の検討体制を充実することも決めた。



2016年07月15日発行(第3854号)

合区解消等の改憲発議勢力が3分の2超に—参院選
安倍首相、経済対策策定指示、消費増税再延期へ法案

合区と国政選挙での一八歳選挙権が初導入された第二四回参院選は一〇日、投開票が行われ、一一日に全議席が確定した。自民、公明両党は安倍晋三首相が消費税・地方消費税引き上げ再延期に伴い目標設定した改選議席の過半数(六一)を上回る計七〇議席を獲得。首相は再延期に関する法案を秋の臨時国会に提出する方針。同時に、英国のEU離脱等を受けた経済対策の月内策定を指示し、今年度第二次補正予算案を編成する考えを示した。また参院選の結果、安倍内閣での憲法改正議論に前向き等のいわゆる「改憲勢力」が改正発議に必要な参院議席の三分の二(一六二)超となる一六五議席を占めた。衆院は自公だけで既に三分の二を占めており、合区解消、参院を地方代表院とする提案なども含め発議に向けた議論が現実味を帯びてきた。



2016年07月22日発行(第3855号)

1億総活躍施策、アベノミクス「成果」活用で別途予算要求—政府・経財諮問会議
民間議員、歳出過度抑制も牽制、麻生財務相はそれぞれ反論

政府は一三日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、二〇一七年度予算の「全体像」に関する議論に入った。民間議員は保育士や介護人材の処遇改善など一億総活躍に向けた施策については、税収増等のアベノミクスの「成果」を活用して、別途予算要求できる仕組みを提言。麻生太郎財務相からは安定性等に関し反論が出た。一方、民間議員は消費増税再延期を踏まえ、一八年度時点の国・地方基礎的財政収支(PB)の中間目標についても、過度な歳出抑制とならない点検・対応等を求めたが、財務相はPB黒字化に向けて歳出をみる必要性を強調した。

2016年07月29日発行(第3856号)

経済対策補正予算と来年度当初予算で一体対応—政府・経財諮問会議
1億総活躍、当初予算はアベノミクス「成果」で、国・地方PBで新試算も

政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は二六日、二〇一七年度予算の「全体像」と今年後半の課題を決めた。来年度当初予算は近くまとめる経済対策の今年度補正予算と一体として切れ目なく対応するとし、保育・介護人材の処遇改善等の一億総活躍社会施策の来年度当初予算要求については、アベノミクスの成果の一部を活用して予算編成過程で検討するとした。二〇二〇年度の国・地方の基礎的財政収支(PB)黒字化に向けては、内閣府が消費増税再延期を反映し二〇年度で五・五兆円の赤字との新試算を示したが、「全体像」等では一八年度に赤字をGDP比で一%程度とする中間「目安」について「過度な歳出抑制」にならない点検・対応を行うとしたほか、地方の裁量度が高い国庫支出金についてパフォーマンス指標を設定するとした。財務省は来年度予算の概算要求基準案を示し、一億総活躍等の優先要求枠を設けるとしたほか、地方交付税は、交付税など一般財源を一五年度と実質同水準とする政府計画と整合させるとした。

2016年08月05日発行(第3857号)

合区早期解消、同時に改憲議論も—全国知事会
法人事業税交付金、超過課税分は除外を、自動車税軽減は延期で

全国知事会議が七月二八、二九の両日、福岡県内で開かれ、先の参院選で初導入された選挙区の「合区」について、早急解消を求めるとともに、憲法改正も同時に議論すべきとする決議を決めた。議論を踏まえ大阪府が反対、愛知県が慎重意見であることも明記した。さらに、地方創生実現を求める特別決議や地方税財源の確保・充実を求める提言等もまとめ、社会保障の「充実」財源や地方一般財源確保のほか、自動車税軽減措置の延期、法人事業税交付金から超過課税分を除くことなどを盛り込んだ。初日に出席した高市早苗総務相は一般財源確保の決意等を表明した。会議では、地方創生時代の地方分権改革のあり方を有識者を交えて検討することが提案されたほか、在日米軍の基地負担に関する新たな検討の場を設けることになった。(3、4面に関連記事・発言要旨)

2016年08月12・19日発行(第3858・59合併号)

扶養手当、配偶者分半額で子ども分増額—人事院勧告
「介護時間」を新設、月給・特別給3年連続引き上げ

人事院(一宮なほみ総裁)は八日、二〇一六年度の国家公務員の月給を〇・一七%(七〇八円)、期末・勤勉手当(ボーナス)を〇・一カ月引き上げるよう国会と内閣に勧告した。月給、ボーナスともに引き上げを求めるのは三年連続。勧告通りに実施され、双方が三年連続で増額されれば、一九九一年以来二五年ぶりとなる。併せて一億総活躍社会に関し、民間の家族手当に相当する「扶養手当」について、配偶者分を半額にし、浮いた財源を使って子ども分を増額することも勧告。一七年度から段階的に実施する。このほか、介護のために勤務しない時間を認める「介護時間」の新設等の法改正について、勧告・意見を行ったほか、介護職員の超過勤務免除や非常勤職員の育児・介護休暇要件の緩和等の人事院規則等改正を行うとした。

2016年08月26日発行(第3860号)

緊急防災・減災事業債「延長前提」表明—高市総務相
対象拡充、増額方針も、地方の恒久化要望等受け

高市早苗総務相は、今年度で期限を迎える緊急防災・減災事業債について、「延長を前提に考えていくことにした」と表明した。同事業債は、公共施設耐震化等の防災・減災のための地方単独事業を対象とする「手厚い財政措置」だが、地方六団体からは熊本地震など近年の大規模災害等を踏まえ、その恒久化・拡充などを求める要望が出ていた。一〇日に都内で開かれた中核市市長会と施行時特例市市長会との懇談会で明らかにした。緊急防災・減災事業債は、充当率一〇〇%、交付税算入率七〇%だが、今年度までが期限となっている。地方六団体等の要望を受けて、高市総務相も七月末に福岡で開かれた全国知事会議で「延長の声が非常に強いことを踏まえて検討していくつもりだ」と述べていたが、さらに踏み込んだ形だ。(4面に発言要旨)

2016年09月02日発行(第3861号)

地方一般財源、交付団体ベースで0・1%増—総務省17年度概算要求
交付税は4・4%減で、臨財債は25%増に

総務省は八月三一日、二〇一七年度予算の概算要求、重点施策、地方財政収支の仮試算をそれぞれ公表した。一般会計要求総額は前年度比四・三%増の一六・七兆円で、うち一億総活躍等の予算の「優先課題枠」では四二三億円を要望。仮試算では、歳出で地方創生事業費や、情報システム改革事業等の「重点課題対応分」などを前年度同額で仮置きしたほか、社会保障費の増等を計上。歳入は政府の経済・財政再生計画(財政健全化計画)等を踏まえ、地方税等を〇・八%増と見込み、地方交付税(出口ベース)を四・四%減の一六・〇兆円、臨時財政対策債を二四・五%増の四・七兆円にするなどし、使途が自由な地方一般財源総額は〇・七%増の六一・七兆円、交付団体ベースで〇・一%増の六〇・二兆円とした。

2016年09月09日発行(第3862号)

文化庁、17年度京都に「文化創生本部」—政府
消費者庁は徳島にオフィス開設、地方移転で国出先機関強化も

政府は一日、まち・ひと・しごと創生本部(本部長・安倍晋三首相)を持ち回りで開き、政府機関の地方移転を巡る「今後の取り組み」を決めた。文化庁の京都府への全面的移転などを盛り込んだ「基本方針」(今年三月決定)を踏まえ、文化庁については、先行移転として「地域文化創生本部(仮称)」を二〇一七年度に京都に設置。同時に、移転場所や移転費用等の検討を進め、文化庁の組織改編法案を一八年の通常国会に提出するとした。消費者庁については一七年度に徳島県にオフィスを設けて実証実験等を集中実施し、三年後に検証、見直しを行う。総務省統計局は和歌山県にデータ利活用センターを置き、一八年度から業務を実施する。一方で中小企業庁等については国の出先機関の機能を強化するとした。

2016年09月16日発行(第3863号)

新公立病院改革推進へ地財措置検討—総務省
有識者研究会設置、来年9月に報告書

総務省は一三日、「地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会」(座長・辻琢也一橋大副学長)の初会合を省内で開いた。人口減少等による医療需要の変化を背景に、都道府県が今年度中に策定する「地域医療構想」を踏まえた公立病院の役割明確化や、新公立病院改革を推進する上での地方財政措置のあり方などの検討を求めた。病院事業など地方公営企業の広域連携など抜本改革を盛り込んだ政府の経済・財政再生計画も念頭に、来年九月ごろ最終報告書を取りまとめる予定。

2016年09月23日発行(第3864号)

子育てワンストップサービスは全団体で17年7月から—総務省
「コンビニ交付」も、マイナンバーカード活用サービスで要請

総務省は一六日、マイナンバーカードを活用した▽各種証明書等の「コンビニ交付」導入▽「マイキープラットフォーム」による地域経済応援ポイント導入実証事業への参加▽「マイナポータル」を使った子育てワンストップサービスの導入—を検討するよう大臣名で全自治体に要請(通知)した。保育所入所申請等の子育てワンストップサービスの導入については、開始を予定する二〇一七年七月から全団体で導入するよう明示した。

2016年09月30日発行(第3865号)

資産老朽化指標、減価償却率に呼称変更—総務省研究会
類団区分も見直し、統一基準の公会計活用で報告書案

総務省と地方公共団体金融機構は二三日、「地方公会計の活用のあり方に関する研究会」(座長・小西砂千夫関西学院大大学院教授)を開催し、「統一的な基準」による地方公会計の整備で得られる指標の検証結果などをまとめた報告書案について、大筋で了承を得た。報告書案は、「資産老朽化比率」の算出に当たり地方自治体が使用できると考える「使用可能年数」を耐用年数として用いることは「現時点では困難」と指摘。資産老朽化比率の趣旨をより端的に表現するため「有形固定資産減価償却率」への呼称変更を提案した。また、類似団体区分の見直しを求めた。

2016年10月07日発行(第3866号)

新しい税源・税制で有識者研究会—全国知事会
単独社会保障増反映を、17年度地方税財政で提案

全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は三日、都内で地方税財政常任委員会を開き、来年度の税制改正や地方財政対策に向けた提案を概ねまとめるとともに、訪日外国人の増加や環境負荷軽減、IT社会の進展などに対応する新たな地方税源や地方税制を考える有識者による研究会を設置することを了承した。税財政の提案では、地方単独事業における社会保障費増等の反映による地方一般財源総額の確保等を要請。地方の積立金増加による地方歳出抑制議論を牽制したほか、企業移転の地方拠点強化税制について対象地域拡充を求める一方、現行対象地域との支援差検討なども提案した。愛知県は支援差検討の削除を求めた。

2016年10月14日発行(第3867号)

仮想的財政効果を保育など「前向き事業」に投入—政府
経済効果等算出案、健全化の地方行財政改革で

政府は、地方行財政制度改革に関する経済効果・財政効果算出案をまとめ、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)のワーキンググループに提示した。政府の経済・財政再生計画(財政健全化計画)の改革工程表で、同経済効果の検証手法を検討するとされたことを受けた対応。歳出改革等により生まれ得る「仮想的な財政効果額」を算出した上で、財政効果分を保育など「他の前向きな事業」に投入した場合の経済効果・アウトカム指標の上昇・向上幅を算出する案を示した。

2016年10月21日発行(第3868号)

地方団体に「固有の統治権」明記—全国知事会
合区解消で複数案、自治充実等で憲法改正草案

全国知事会は一三日、「憲法と地方自治研究会」(座長・高見茂京都大大学院教育学研究科長・教育学部長)を都内で開き、「地方自治の充実」と「合区解消」等のための憲法改正草案要綱・条文案等を提示した。改正草案では、「地方自治の本旨」について、地方公共団体は住民に密接な公共事務を処理する「固有の統治権」を有する等と明確化し、地方団体が「立法権」と「財政権」を有するとも明記。合区解消では、参院は広域地方団体の区域ごとに住民を代表する選挙された議員で組織するなどの二案を併記し、憲法改正以外の合区解消案として、公職選挙法か国会法改正による対応の複数案も示した。文言修正した上で研究会の最終報告として取りまとめ、一一月の知事会議で報告、議論される見通し。

2016年10月28日発行(第3869号)

社会保障費等地方一般財源確保を—地方六団体
臨時財政対策債増加に懸念、償却資産減税は今回限りに

全国知事会など地方六団体等は一九日、自民党の予算・税制政策懇談会(自治)の会合で、二〇一七年度地方財政対策や税制改正に向けて要望した。六団体側は社会保障関係費の増加等を強調し、地方税や地方交付税など地方一般財源総額の確保を求めた。消費税率引き上げ再延期に伴う社会保障充実財源の確保や、自動車の税負担軽減措置の検討延期のほか、ゴルフ場利用税の堅持等も要請。一六年度税制改正で創設された償却資産の固定資産税にかかる特例減額措置については、今回限りとし、期間延長や対象範囲拡大は行わないよう求めた。臨時財政対策債への懸念も示し、交付税法定率引き上げでの対応を要請した。

2016年11月04日発行(第3870号)

地財計画、決算比1兆円前後過大—財務省
地方税収、上振れ分は精算を、交付税等抑制へ財審に提案

財務省は一〇月二七日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、地方財政計画(地財計画)について独特の試算を行った結果、実質的な計画額歳出が決算額歳出を継続的に一兆円前後上回っているとして、地方税収上振れ分の後年度精算、地財計画の適正化などを提案した。これらを通じて二〇二〇年度の国・地方基礎的財政収支(PB)黒字化を達成するため、国からの地方交付税財源を抑制するのが狙い。高市早苗総務相は翌二八日、総務省の試算によれば逆に計画額が決算額を一兆円程度下回っているとして財務省試算について「大いに疑問」と反論した。

2016年11月11日発行(第3871号)

新たな地方分権改革展望へ研究会—全国知事会
立法に地方が関与、地域格差の解消等も

全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は二日、関係知事と有識者による「地方分権に関する研究会」の初会合を都内で開いた。機関委任事務廃止や国と地方協議の場の創設、農地転用許可権限の地方移譲など地方分権改革の成果の一方で、さらなる東京一極集中による地域間格差拡大や参院合区問題、地方税財源の偏在問題などが顕在化しているとの問題意識から、格差社会の解消や、国の立法政策にも地方団体がより関与するような新たな地方分権改革を展望すべく有識者を交えて議論する。半年程度で取りまとめ、来年夏の全国知事会議に最終報告を提示する方向だ。(4面に発言要旨)

2016年11月18日発行(第3872号)

大学規制等で立法措置提言案—全国知事会
企業規制は見送り、政府主催知事会議へ協議

全国知事会(会長・山田啓二京都府知事)は一一日、東京一極集中是正のため、地方大学における学部新増設の弾力化や、地方大学の低廉な授業料や入学料設定など立法措置を含む緊急提言を取りまとめる方針を固めた。同日の地方創生対策本部(本部長・古田肇岐阜県知事)で事務局がこうした内容の緊急決議案を提示。山口県は企業の東京都区域での大規模事務所・事業所の新設・増設制限も盛り込んだ立法措置案を示したほか、京都府も大学が東京都の一部に集中している現状を制限するなどの法制定案を提起したが、企業立地の制限を盛り込むことについては「もう少し議論を重ねた方がいい」などの意見の結果、見送ることになった。今月二八日に開催される政府主催全国知事会議までに取りまとめる。

2016年11月25日発行(第3873号)

「アクロバティック」法解釈に苦言も—政府地方分権有識者会議
16年の地方提案で対応方針案、77%を「実現・対応」へ

政府の地方分権改革有識者会議等(座長・神野直彦東大名誉教授)は一七日、二〇一六年の地方からの改革提案に対する対応方針案を概ね了承した。都道府県の地域森林計画に係る国との協議を一部廃止するほか、▽幼保連携型認定こども園以外の認定こども園認定権限の移譲▽救急隊編成基準の特例拡大▽都市公園の運動施設敷地面積の基準弾力化—などを実現・対応するとした。検討提案数における実現・対応割合は七六・九%と一四年開始から三年間で最も高かった。ただし、「アクロバティック」な法解釈等による現行制度で対応可能などの府省回答も目立ったほか、先買い土地を宅地として賃貸または譲渡可能であることが明確化される一方、用途制限拡大等を実態調査した上で、一七年中に結論とされるなど先送りされた提案項目もある。政府は年内に対応方針を閣議決定し、法改正が必要な事項を地方分権一括法案として来年の通常国会に提出する方針。(4面に関連質疑応答要旨)

2016年12月02日発行(第3874号)

地方交付税トップランナー算定に2業務追加—高市総務相
創生事業費対応の交付税算定で「成果」配分も段階倍増

高市早苗総務相は一一月二五日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、二〇一七年度から、地方交付税算定の「トップランナー方式」について、対象を拡大する方針を表明した。政府の経済・財政再生計画等に基づき、一六年度を初年度に一六業務を対象とし、このほか七業務についても検討対象としていたが、地方自治体の意見等を踏まえ、公立大学運営など二業務を追加する。さらに、地方財政計画に見込んでいる「まち・ひと・しごと創生事業費」(地方創生事業費)に対応する地方交付税算定についても、地方創生の「成果」配分の割合を現行の一、〇〇〇億円から段階的に二、〇〇〇億円程度に倍増させる方針を明らかにした。

2016年12月09日発行(第3875号)

「地域住民主体型NPO法人」等活用を—政府会議
「地縁型」は引き続き検討、地域運営組織で最終報告案

政府は一一月二九日、「地域の課題解決のための地域運営組織に関する有識者会議」(座長・小田切徳美明治大教授)を開催し、地域住民が主体となって形成する「地域運営組織」の量的拡大と質的向上に向け、「地域住民主体型NPO法人」などの活用を促す最終報告素案を示した。自治会など地縁組織に近い性格を持つ、現行の法人制度には該当しない「地縁型組織」の法人格のあり方については、内閣官房を中心に関係省庁が連携して引き続き検討を進めるよう求めるにとどめた。行政による「地域代表性」を付与する制度の創設については「慎重な検討が必要」とした。

2016年12月16日発行(第3876号)

個人住民税減収額は「全額国費補填」—与党17年度税制改正大綱
償却資産課税、残期間で対象拡充、ゴルフ場利用税は「長期的検討」

自民、公明両党は八日、二〇一七年度与党税制改正大綱を決定した。安倍内閣の一億総活躍社会実現に向けた個人所得課税の配偶者控除等見直しでは、個人住民税についても特別控除の対象となる配偶者の所得上限を引き上げる一方、納税義務者の所得制限等を設けるが、減収額は「全額国費で補填」する。車体課税のエコカー減税、グリーン化特例(軽課)は、対象を絞るなどした上で二年間延長。一六年度改正で三年間の時限措置として創設された償却資産の固定資産税軽減特例については、期限をもっての特例終了と、償却資産課税制度の堅持を明記した上で、軽減特例の対象を残余の二年間に限り、地域・業種を限定した上で例えば介護支援ロボットスーツなど一定の工具、器具・備品等に拡充する。地方消費税の清算基準は、インターネット販売等を小売り販売額から除外、人口指標の割合を拡大。ゴルフ場利用税は「今後長期的に検討する」とされた。

2016年12月23・30日年末合併号発行(第3877・78号)

地方交付税減、臨時財政対策債増を抑制—17年度地方財政対策
一般財源は前年度同水準確保、交付税原資は機構金利準備金等で確保

二〇一七年度の地方財政対策が一二月一九日、高市早苗総務相と麻生太郎財務相の閣僚折衝で決着した。税収上振れによる繰越金が見込めず、焦点となった地方交付税財源は、地方公共団体金融機構準備金の活用増額等で確保された。歳出面では、リーマンショック後に措置されたいわゆる「特別枠」を減額したが、公共施設の適正管理費を拡充するなどして実質確保。歳入では、地方譲与税等を二・七兆円と見込むなどの結果、地方自治体への配分ベースの地方交付税額の前年度比減と、臨時財政対策債の前年度比増の双方を概算要求時点より抑え込んだ上で、使途が自由な地方一般財源総額について、政府の経済・財政再生計画(財政健全化計画)に基づき、前年度微増、過去最高の六二・一兆円、交付税の交付団体ベースでも微増を確保した。

2017年1月06・13日発行(第3879・80号)

一般職非常勤移行へ立法措置等提言—総務省研究会
特別職、臨時は限定的に、一般職非常勤に給料、手当等可能に

地方公務員の臨時・非常勤職員、任期付職員の任用のあり方を検討してきた総務省の有識者研究会(座長・騠橋滋法政大教授)は、特別職非常勤職員と臨時的任用職員の任用要件を厳格化し、労働者性が高い職については一般職非常勤職員に移行させるよう、立法措置等による制度改正を求める報告書を取りまとめた。自治体の臨時・非常勤職員は約六五万人弱と増加傾向にあるが、例えば事務補助的な職員も三つの法的根拠によりそれぞれで任用され、守秘義務等の地方公務員法が適用される者と適用されない者が混在、労働者性が高い職でも手当が支給できないなどの課題が指摘される。報告書は、採用、任期、給付など一般職非常勤職員制度の新たな仕組みも提示。同省はこれを受け、関連法改正案等を検討する。

2017年1月20日発行(第3881号)

2030年の経済社会と構造改革で骨格—政府
全世代型の社会保障、結婚から子育て「総合」政策パッケージで

政府はこのほど、二〇三〇年に実現すべき経済社会の姿と取り組むべき構造改革の骨格を固めた。二五年には全ての団塊世代が七五歳以上となり、三〇年には生産年齢人口の減少が加速、七五歳以上人口が現状より約四割増えるという「大きなかつ未知の変化」を迎える中で、「強靭で厚みを持った中間層」「賑わいと活力を持つ地域社会」などを目指すとし、「高齢者から若年世代への資産移転」や「結婚・出産・子育て支援の総合政策パッケージ」「全世代型の持続可能な社会保障制度の構築」などの改革策を打ち出した。

2017年1月27日発行(第3882号)

地制調答申等具体化へ地方自治法改正案等—総務省
臨時・非常勤職員見直しで「会計年度職員」創設も

総務省は一月二〇召集の今通常国会に、第三一次地方制度調査会の答申を踏まえた地方自治法改正案を提出する。三一次地制調は昨年二月末、人口減少社会に対応する地方行政体制とガバナンスのあり方について答申。内部統制体制整備の制度化や監査の統一基準策定、窓口業務など公権力行使を含む外部委託を可能にするため地方独立行政法人の活用制度化などを求めていた。一方で、同時に提言された住民訴訟の首長等への損害賠償請求のあり方の見直しについては、なお同省内で検討中。これらを詰めた上で三月上旬にも閣議決定される見通し。また、地方公務員の臨時・非常勤職員等を巡り、特別職非常勤と臨時職員の任用要件を厳格化し、労働者性が高い職は一般職非常勤に移行させるよう提言した有識者研究会の報告書を踏まえ、新たに「会計年度任用職員(仮称)」を創設するなどの地方公務員法と地方自治法の改正案も提出する方針。

2017年2月3日発行(第3883号)

住民訴訟、重過失なしは条例で賠償責任額限定免除—総務省
監査共同組織は見送り、統治強化等自治法改正案

総務省は、第三一次地方制度調査会(会長・畔柳信雄(株)三菱東京UFJ銀行特別顧問)の答申を踏まえ、今通常国会に提出予定の地方自治法等改正案を固めた。昨年の答申を受け、住民訴訟における首長等の損害賠償責任追及の見直し等を検討してきたが、省内に設けた有識者懇談会が一月末、具体的な見直し内容を提言。法案で重大な過失がない等の場合には、条例に定めることで賠償責任額を限定して免除できるようにする。このため国が法令で参酌基準と免除の下限額を定める。一方、監査制度の見直しでは、総務省令で定める基準を参考に、各自治体の監査委員が定める監査基準に従って監査を行うことを新たに義務付けるが、答申が求めた監査を支援する全国的共同組織の構築は見送ることにした。三月上旬に閣議決定される予定。

2017年2月10日発行(第3884号)

都道府県の状況別に把握、評価、提言—総務省研究会
連携困難市町村の補完、地方分権等で補完事務分類

総務省は第三一次地方制度調査会の答申を踏まえ、広域連携が困難な市町村における都道府県等による補完の具体化について、有識者研究会を設けて検討を進めている。答申は、都道府県の事務処理体制の観点から、道路等のインフラ関係など都道府県も同種の事務を処理しているものを比較的容易に補完ができる事務などと整理したが、研究会では、地方分権改革や、市町村合併の進展に着目し、分権改革等の前から市町村が実施しているものの、規模や能力が不足するため都道府県の補完を必要とする事務への対応策等を検討。指定都市の有無や合併の進展状況等により、各都道府県の果たしうる役割・事務範囲に差異が生じているとの認識から、都道府県による補完の射程が限定的な例や、都道府県が市町村の事務に広範に関与している例等を把握し、今後の補完のあり方が提言される方向だ。

2017年2月17日発行(第3885号)

個人情報保護条例見直しで有識者検討会—総務省
匿名加工情報等検討、要配慮個人情報新設も

総務省は個人情報保護法等の改正を踏まえ、各地方自治体の個人情報保護条例の見直し内容について、有識者等検討会を設けて検討している。法改正等で「要配慮個人情報」規定の新設や、特定個人が識別できないよう加工し、情報の流通・利活用を促進する「匿名加工情報」が規定されたこと等を踏まえ、自治体における個人情報保護条例の見直し等を検討。今年度内に報告書が取りまとめられる予定だ。

2017年2月24日発行(第3886号)

国の直接執行事業も柔軟に対象—政府分権有識者会議、17年の分権提案募集で方針
知事会、福祉、地域交通等の重点審議要請

政府の地方分権改革有識者会議(座長・神野直彦東大名誉教授)等は二月二〇日、都内で合同会議を開き、二〇一七年の地方からの分権改革提案募集方針を概ね了承した。提案率が低調な一般市町村の提案掘り起こしへ説明会等に努める一方、提案対象については従来通り、国・地方の税財源配分問題等は対象外としたが、国が直接執行する事業への提案は柔軟に対応する方針を示した。地方団体代表委員からも税財政など提案対象・提案要件を緩和すること、「従うべき基準」が多用されているという福祉分野や、地域交通を専門部会等で重点審議することも提案された。

2017年3月3日発行(第3887号)

地方分権改革等前から実施事務の補完方策検討—総務省
「西尾私案」脈々と、分権、合併の影響踏まえ

総務省が、広域連携も困難な小規模市町村等の事務補完のさらなる検討に入った。第三一次地方制度調査会で都道府県による補完が有用と指摘されたこと等を踏まえて有識者研究会が設置されたが、検討事項では、地方分権改革や市町村合併の進展に着目して事務を分類。分権改革等の前から市町村が実施している事務だが、市町村の規模・能力が不足するために都道府県による補完が必要な事務への対応を主に検討していく方向性を示した。平成の大合併推進時に示された「西尾私案」や、大合併推進による課題等を踏まえ、「定住自立圏」など柔軟で多様な事務処理方策を地方自治体が自ら選択する政策推進の流れに沿うものだが、合併推進の「一区切り」、地方分権改革の推進、地方交付税改革にも影響してくる。

2017年3月10日発行(第3888号)

公権力行使含む窓口業務、地方独法業務に追加—政府、自治法改正案
首長等の賠償責任限定可能に、監査は監査基準実施義務付け、内部統制体制の整備も

政府が第三一次地方制度調査会の答申を受け、人口減少時代の適正な事務処理確保等のため、内部統制体制の整備や監査制度の充実強化、首長等の損害賠償責任の見直しとともに、公権力行使を含む包括的業務を地方独立行政法人の業務に追加することなどを内容とする地方自治法等改正法案が自民党総務部会で了承された。知事等に内部統制方針の策定と必要な体制整備を義務化。監査は「監査基準」に従って行うことを義務付け、国が基準の指針を示す。重過失がない場合の首長等の損害賠償責任額は、条例で責任額を限定することを可能化。免責の「参酌基準」と責任下限額は国が設定する。一〇日にも閣議決定する。答申に盛り込まれた監査支援の全国的共同組織構築は見送る。

2017年3月17日発行(第3889号)

一般職非常勤、「会計年度任用職員」で明確化—政府
臨時任用、特別職は厳格化、臨時・非常勤職員で改正法案

政府は地方公務員の臨時・非常勤職員について、特別職と臨時的任用の要件を厳格化し、これら以外の労働者性が高い非常勤職員は、一般職非常勤職員に移行、「会計年度任用職員」として、採用方法など制度を明確化するとともに、期末手当の支給を可能にするなどの地方公務員法と地方自治法一部改正法案を七日の閣議で決定した。事務補助職員でも地方公務員法の各規定により特別職、一般職各非常勤、臨時職員として任用され、守秘義務が適用されなかったり能力選考試験を経なかったり、政府で同一労働・同一賃金の議論が進む中で労働者性が高い非常勤職員に期末手当(ボーナス)が支給できないなどの課題があったことを踏まえた。二〇二〇年四月一日から施行する。なお、制度見直しを検討してきた有識者研究会の報告書では、新たな一般職非常勤職員(会計年度任用職員)について、「条例定数の対象外とすべき」と提言している。

2017年3月24日発行(第3890号)

「マイナポータル」使い勝手向上へ改善方策—政府
スマホでの利用は前倒し、本格運用は今秋に変更

政府は三月一七日、マイナンバー制度を巡り、マイナンバーカードの利便性を高める取り組みの内容や時期を明確に示す「ロードマップ」を公表するとともに、マイナンバー制度において自身の番号の利用状況などの確認ができる「マイナポータル」について、各家庭での利用準備を簡単にしたり、スマートフォンでも利用可能にする予定を前倒しするなどの改善方策も公表した。これらの結果、これまで今年七月頃と説明してきたマイナンバー制度において行政機関間で番号等をやり取りすることで、住民票の写しなど住民らの提出書類を軽減できる「情報連携」と、「マイナポータル」の運用開始時期については、七月頃から試行運用、秋頃から本格運用に改める。住民らの提出書類軽減やスマホでのマイナポータル利用は本格運用からとなる。

2017年4月14日発行(第3893号)

東京23区大学新増設抑制で各論併記—政府
「国内留学」の仕組み提案も、地方大学振興等で論点整理

政府は3日、「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」(座長・坂根正弘コマツ相談役)を開き、「論点整理案」を示した。論点整理案では、大学の東京一極集中について、地方大学にとってはこれまで以上に東京23区の大学新増設等は避けるべきとする一方、同新増設等については抑制すべきとの意見や私立大学の自由を確保すべきとの意見などを併記。地方大学の振興では、東京の大学から地域の産学官が連携した地方大学に「国内留学」する仕組みなどを提案。地方の私立大学の公立化は地方交付税が「つぎ込まれる」として問題とした。5月中旬に中間報告書を取りまとめる予定で、「骨太の方針」に反映される見通し。

2017年4月21日発行(第3894号)

インセンティブで都道府県のガバナンス強化—政府・経済財政諮問会議
調整交付金等を活用、社会保障改革を議論

政府は12日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、社会保障改革について議論した。榊原定征経団連会長ら民間議員は「高齢者1人当たりの入院医療費と介護費は地域的に相関」があるとし、医療・介護の一体的な改革を進めるよう提言。調整交付金等を活用したインセンティブ措置による都道府県のガバナンス強化を求めた。塩崎恭久厚生労働相は同ガバナンス強化に取り組む方針を示し、安倍晋三首相は3月までに全都道府県で策定された「地域医療構想」の具体化に向けて実効的な施策をスピード感を持って検討・実施するよう指示した。

2017年4月28日発行(第3895号)

基金累増、「適切対応」を要請—総務省
財政課長会議を開催、「中間評価」への留意も

総務省は21日、2017年度政府予算、関連法等の成立を受け、省内で全国都道府県財政課長等会議を開き、地方行財政の諸課題を説明した。近年、地方財政計画、地方交付税による財源保障の過大性を示すものとして強調される財政調整基金など地方団体の基金の累増については、黒田武一郎自治財政局長、前田一浩財政課長らが赤字国債や臨時財政対策債を発行しながら基金が過去最高水準にあること等の問題点が指摘されているとし、適切な対応を要請。18年度以降の地方交付税など地方一般財源総額水準についても、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の対GDP比赤字1%程度を「目安」に、同年度に中間評価した上で議論されることに留意を求め、地方側も動向を注視し声を示すよう求めた。(4面に説明要旨)

2017年5月5日・12日発行(第3896・97号)

積立金、実態把握等で事情明らかに—政府WGが対応の方向性
社会保障等の財政負担、10年程度の見通し「見える化」

政府の「経済・財政再生計画」を着実に実行するため、地方行財政や社会保障改革などの具体的な議論を行う各ワーキンググループ(WG)が今後の対応の方向性をまとめた。地方財政では財政調整基金等の積立金の増加について、どんな団体でどんな理由で増加しているかの実態把握・分析を行った上で、増加等が顕著な団体について「個別に事情を明らかにする」とした。さらに、地方単独事業全般の実態の一層の「見える化」を進めるとしたほか、社会保障関係支出等について、国と地方(地方単独事業分含む)の財政負担の10年程度の見通しも「見える化」するとした。政府が6月にも策定する「骨太の方針」、今年末に改訂が見込まれる経済・財政再生計画のアクションプログラムに反映されていく見通し。

2017年5月19日発行(第3898号)

地方各種基金、単独事業の実態分析指示—安倍首相
「基金残高割合」算出、「トップランナー方式」拡大も

政府は11日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、地方の行財政改革について議論した。民間議員は地方の基金残高の増加について、基準財政需要額に対する残高割合が高い団体を中心に、背景や要因を把握・分析し、地方財政計画への反映を検討するよう提言。地方単独事業の実態把握、地方交付税算定の「トップランナー方式」の適用拡大等も求めた。これに対し高市早苗総務相は全体の基金増加をもって地方財源を削減するのは不適当等と反論したが、安倍首相は「各種基金や地方単独事業の実態」を分析するよう指示。総務相は翌日の会見で、基金の調査対象を全団体に拡大する方針を明らかにした。

2017年5月26日発行(第3899号)

条例で「非識別加工情報」の仕組み導入—総務省検討会
加工基準、法と同等で、今後の課題に共同委託の仕組み

総務省は19日、「地方公共団体が保有するパーソナルデータに関する検討会」(座長・宇賀克也東大大学院教授)が取りまとめた報告書を公表した。ICTの「飛躍的進展」の中で、個人情報を保護しつつも、パーソナルデータ(個人の行動・状態等の情報)の利活用を推進するために個人情報保護法、行政機関個人情報保護法が改正されたことを受け、個人情報保護条例の見直し方向を検討。特定個人が分からないよう加工された「非識別加工情報」の仕組み導入が適当とし、加工基準等は法と同等の内容が望ましいとした。政府の規制改革推進会議が条例によるルール整備により内容等に差異が生じることに懸念を示している中で、今後の課題として、自治体が共同して「非識別加工情報」の作成委託等ができる仕組みの検討も挙げた。

2017年6月2日発行(第3900号)

都市と農山漁村包含し一元的土地利用行政を—全国市長会
市域計画「法的拘束力」付与、研究会が報告書手交

全国市長会などに設置された「土地利用行政のあり方に関する研究会」で座長を務める志賀直温千葉県東金市長は5月25日、都内で松浦正人会長代理(山口県防府市長)に面会し、報告書を手交した。市街地の拡大を念頭に置いたこれまでの土地利用の仕組みから、超高齢・人口減少時代に適した土地利用の仕組みへの「転換」を要請。都市自治体による都市と農山漁村を包含した一元的な土地利用行政の確立を訴え、市域全体の計画体系に「法的拘束力」を付与した「『計画なくして開発なし』の仕組」を構築するよう提言した。